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米露の高官はリヤドでウクライナだけでなく、軍事、外交、経済など広範な協議
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2025.02.22 櫻井ジャーナル
2月17日付けフィナンシャル・タイムズ紙にドイツの武器メーカー、ラインメタルのアルミン・パペルガーCEOのインタビュー記事が掲載された。その中で同CEOはEUの兵器庫が空になっていると語っている。アメリカを中心とするNATO諸国はウクライナに対して資金や兵器を供与、その結果だ。こうした状況にあることは以前から知られていたが、西側の有力メディアもその事実を伝えるようになった。空になった兵器庫を埋めるための需要で収益が上がるというわけだ。
リヤドで2月18日に行われた会談で、さまざまな問題に対処するための専門グループを結成することで米露両国は合意した。ひとつは戦略的安全保障と軍備管理に関するグループ、第2に地球規模の安全保障構造を見直すグループ、第3に2国間の外交的な相互影響に関するグループ、第4にエネルギーや制裁に関するグループ、第5にウクライナにおける戦闘の決着をつけるためのグループ、第6にはパレスチナや北極圏を含む国際問題に関するグループだ。
ウクライナの停戦について話し合うためにアメリカとロシアがリヤドで会談したわけではないことがわかるが、すでにキエフ政権は無条件降伏か「総玉砕」かという状況に陥っているわけで、必然とも言える。
1993年にマーストリヒト条約が発効したことに伴って誕生したEUの前身はEC(欧州共同体)。このECについて堀田善衛はその「幹部たちのほとんどは旧貴族です。つまり、旧貴族の子弟たちが、今ではECをすべて取り仕切っているということになります。」(堀田善衛著『めぐりあいし人びと』集英社、1993年)と書いている。またEU首脳のほとんどは、ビルダーバーグ・グループとアメリカのエリートが選出しているとも言われている。EUの首脳はネオコンの命令通りに動く「首のない鶏」にすぎず、リヤドの会議にEUの人間が関与する余地はない。
これも繰り返し書いてきたことだが、ビルダーバーグ・グループはアメリカとヨーロッパを支配する私的権力が利害を調整する場だった。第2次世界大戦後にアメリカの支配層はヨーロッパを統合、支配するためにACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)を設立、そこからヨーロッパ統一運動へ資金が提供されていた。西ヨーロッパを支配する「ヨーロッパ統合」はアメリカの巨大資本の意志だった。ACUEの下にはビルダーバーグ・グループのほか、ヨーロッパ運動なども存在していると言われている。(Richard J. Aldrich, “OSS, CIA and European Unity,” Diplomacy & Statecraft, 1 March 1997)
ウクライナの停戦問題でドナルド・トランプ政権はウラジミル・プーチン政権が要求している条件を受け入れざるをえない。NATOやアメリカの軍隊がウクライナへ入ることはなく、ソ連が消滅した1991年当時の「国境」に戻ることもなく、「平和維持部隊」が編成されたとしてもNATOが関係することはなく、全ての負担はウクライナやEUに押し付けられる。
トランプ政権がウクライナに対して出している経済協定案では、ウクライナの現資源採掘収入の50%と、将来の資源の収益化のために第三者に発行されるすべての新規ライセンスの金銭的価値の50%を受け取るという条件を出していると伝えられている。EU以上に悲惨な現実がウクライナを待ち受けている。
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