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程度の違いはあれど、ウクライナ軍はロシア軍同様に国境線争いに勝利するため行動する軍事組織で、敵とみなせば民間人の犠牲もいとわない。その事実についての報道は抑制的となり、ロシアの反撃は非合法のように報じられる。
クリミア奪還など困難な作戦を続けるとするなら、いつまで戦闘を続けるつもりなのか。
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ウクライナ軍の旅団がロシアに侵攻、15km進撃 非常に危険な賭けに
8/8(木) 17:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/9204322eb73570d8037a4c5b5feb057038b568ea?page=1
https://forbesjapan.com/articles/detail/73022
ロシアが2022年2月にウクライナに全面侵攻してから、ウクライナはロシアへの短期間の誇示的な越境襲撃、言うなれば侵攻のやり返しを何度か行ってきた。
こうした危険な攻撃はロシア指導部に恥をかかせる以外、たいした成果をあげなかった。少なくともこれまでは。
既報のとおりウクライナの部隊は7日、ウクライナ北部スーミ州から国境を越え、ロシア側の防御の隙をついてロシア南西部クルスク州の町スジャに侵入した。この部隊はウクライナ陸軍の少なくとも2個旅団の一部で、当初言われていたロシア人義勇兵組織の再襲撃ではなかったようだ。
第22独立機械化旅団や第88独立機械化旅団に所属する総勢数百人(編集注:ロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長はウクライナの攻撃部隊の規模を約1000人と報告している)の兵士らは8日、大砲やドローン(無人機)、防空システムの支援を受けながらクルスク州で15kmほど進軍し、現地のロシア部隊を潰走させ、スジャや周辺の複数の村を制圧した。
これは、1年にわたり守勢に立たされてきたウクライナ軍にとって驚くべき戦果だ。ウクライナ軍は、ロシア軍が大きな損害を出しながらも執拗に続ける攻撃を東部の戦線全体で食い止めるため、十分な兵力を動員するのにも苦慮してきた。
ウクライナ軍は東部の最前線の村落や都市を守備する旅団に十分な人員を充当できず、ドネツク州の残りの支配地域を保持する努力に深刻な影響が出ている。それにもかかわらず、ウクライナ軍は2個以上の旅団をスジャへの攻撃に投入した。この攻撃で得られるものは、失うものより価値があると判断しているということなのだろう。
フィンランドのOSINT(オープンソース・インテリジェンス)グループ、ブラックバード・グループのウクライナ専門家、ジョン・ヘリンは「ここでの目的が何なのか、まだよくわからない」としつつ、こう述べる。「信憑性は低いが、ウクライナ軍はこの方面に2〜4個旅団の部隊を集結させているという報告もある。これらの部隊が切実に必要とされているのは東部のはずだ」
ウクライナ軍参謀本部は、北部での「攻勢」によってロシア軍に東部で兵力分散を強い、前進を遅らせることを狙っているのかもしれない。
2個ないし4個のウクライナ軍旅団が参加しているこの作戦は、陽動かもしれない。もしそうだとすれば、ロシア軍に多くの連隊を東部からこの方面に転用させる必要がある。ヘリンは、東部の支援のためには、スジャ方面のウクライナ軍部隊はその2〜3倍の規模のロシア軍予備部隊をドネツク州から引き寄せることが求められるとみている。
ウクライナ北東部ハルキウ州を攻撃しているロシア軍の北部軍集団が、東部からの増援によらず侵入部隊の前進を封じ込めることができれば、ウクライナの陽動作戦は失敗したことになる。
一方、この攻撃が陽動ではない可能性もある。ロシアの領土を獲得し、保持する本格的な試みなのかもしれない。現時点ではそのように見えるのも確かだ。
この場合、最終的な目的は外交にかかわるものだろう。ロシアの領土をほんのわずかでも占領していれば、ウクライナは将来、和平交渉を行う際に、ロシアに占領されている自国領と交換できる可能性がある。
あるいは、ウクライナの作戦立案者はそもそも和平交渉のことなど考えていない可能性もある。たとえ大きな危険を冒してでも、ロシアへの侵攻を継続したいと本気で考えているのかもしれない。
ブラックバード・グループのエミル・カステヘルミは「ウクライナが北東部の国境地帯で主導権を握ろうとする場合、後続作戦が実施される可能性がある」と説明する。「クルスク州で混乱を引き起こし、ロシア側に対応を余儀なくさせたあと、ウクライナ側はどこかほかの場所でも攻撃を試みるかもしれない。もっとも、もし投入可能な部隊がまだ残っていればの話だが」
しかし、現在のウクライナ軍にそうした兵力の余裕はないのではないか。ウクライナ側が何を目論んでいるのであれ、この作戦が危険なことに変わりはない。米フィラデルフィアにある外交政策研究所のアナリスト、ロブ・リーは「ウクライナ軍の指揮官は、すでに圧迫されている部隊を増強するにせよ、突破を押しとどめるにせよ、使える兵力は限られる」と指摘している。
ウクライナ軍は2〜4個旅団がロシアに侵攻する前から、1000kmにおよぶ戦線で薄く引き伸ばされる形になっていた。いまはもっと薄く伸びているだろう。他方、ロシア軍がさらなる突破を図る危険性は、とりわけ東部で高まっている。
ウクライナ軍の指揮官は、大きな犠牲を出さずに越境攻撃ができると賭けているようだ。しかし、開けた場所での攻撃はほとんどの場合、防護された陣地で防御するよりも大きな損害を出す。
リーも「攻撃作戦は防御している場合よりも多くの人的損害を出す危険がある。折しもウクライナ軍は現在、薄く引き伸ばされている」と警鐘を鳴らす。「人的戦力の状況から、ウクライナは損耗率の優位を維持していく必要があるが、この作戦で大きな損害を被れば難しくなるかもしれない」とも危惧する。
ウクライナ側にとっての朗報は、クルスク州に進撃した部隊に今のところは勢いがあることだ。ウクライナ側はこれまでに、ロシア側のヘリコプター2機を撃墜し、複数の戦車を撃破したほか、数十人を捕虜にした。撃墜したヘリのうち1機はFPV(一人称視点)自爆ドローンによる戦果だった。カステヘルミは「ロシア側は混乱状態にあるようだ」とコメントしている。
とはいえ、ロシア側が場所を犠牲にしながら時間を稼ぎ、追加部隊を投入するにつれて状況は変わる可能性がある。リーは、この方面のロシア軍は以前よりも「兵力や通常能力を増強し、指揮統制を改善している。徴集兵部隊も投入できる」と注意を促している。
外部の観察者は、今はただ状況を見守ることしかできない。ウクライナは大胆不敵な攻撃によって戦局を一変させるかもしれないし、数少ない予備部隊を無謀な越境襲撃で浪費する結果になるかもしれない。
どうなるかはいずれわかる。ブラックバードのヘリンは「ウクライナがこの作戦の目標について明確な考えをもっていると願いたいし、その目標が政治的にも軍事的にも達成可能なものであることも望みたい」と書き、こう続けている。「現時点では、ウクライナは手札がかなり厳しい状態でリスクの高い賭けをしているように思える」
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