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アメリカとイスラエルは永遠に結ばれているのか? ネタニヤフ首相のワシントン訪問が意味するもの
2024年07月27日
RT
2024年7月25日
国内では不人気ながら、自分が不可欠なことを同盟国アメリカに納得させるため首相はあらゆる努力をしてきた。
ムラド・サディグザーデ、中東研究センター所長、HSE大学(モスクワ)客員講師。
アメリカとイスラエルは永遠に結ばれているのか? ネタニヤフ首相のワシントン訪問が意味するもの
2024年7月24日、ワシントンDCのアメリカ国会議事堂下院議場で行われた議会合同会議でイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が演説。c ジャスティン・サリバン/ゲッティイメージズ
2023年10月7日の事件以来初外遊で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がワシントンDCを訪問した。7月22日月曜、首相の飛行機「ザイオンの翼」はアメリカの首都に着陸した。
当日空は晴れていたが、ワシントンの政治情勢はそうではなかった。社会の深い分裂と建国の父たちが確立した基本的価値観からの逸脱が目立つ困難な時代をアメリカは経験している。
訪問中、ネタニヤフ首相は民主党との緊張関係に直面した。パレスチナ問題や汚職疑惑に対する首相の強硬姿勢を多くの民主党員が批判した。ネタニヤフ首相が共和党と連携しようと何度も試み、アメリカ内政に影響を与えようとしている印象を与えたことで、この緊張は一層高まった。更に、2020年の選挙勝利で、ジョー・バイデン候補をネタニヤフ首相が公式に祝福したことにドナルド・トランプ前大統領は失望を表明し、不忠行為とみなした。この訪問は、アメリカとイスラエル関係強化に向けたネタニヤフ首相の努力を強調しただけでなく、現在アメリカ社会に存在する根深い政治的分裂をも浮き彫りにした。
ネタニヤフ首相のアメリカ訪問は、進行中の外交努力の一環として、かなり前から計画されていた。1か月前の6月22日、イスラエルのヨアブ・ギャラント国防相がワシントンを訪問した。同相は、ロイド・オースティン国防長官やアントニー・ブリンケン国務長官を含むアメリカ高官と会談した。協議では、レバノン国境沿いの安全保障上の懸念や、ガザ地区で進行中の紛争や、ガザ地区での戦闘停止後に予定されている「第3段階」について議論された。会談では、イスラエル国家の安全保障にとっての重要要素であるイスラエルとアメリカの防衛協力にも焦点が当てられた。
ガザの状況は依然複雑で、アメリカ・イスラエル関係に大きな緊張をもたらしている。ハマスの脅威を無力化するための作戦をイスラエル軍は継続しており、国際社会やアメリカ国民の一部からしばしば批判を浴びている。イスラエル支援とパレスチナ民間人向け人道支援の必要性とのバランスをバイデン政権は取ろうとしており、両国間の意見相違につながることもある。とはいえ、アメリカとイスラエルは、両国の戦略的提携の重要な側面である防衛と諜報活動で引き続き積極的に協力している。しかし平和的解決やパレスチナ民間人の保護をめぐる問題は依然論争の的となっており外交関係を複雑にしている。
ワシントンにネタニヤフは何を求めているのか?
ネタニヤフ首相の訪問目的は、国防大臣の目的を遙かに超えていた。ネタニヤフ首相は、バイデン大統領との会談と議会演説を利用して、断固たるイスラエル擁護者としてのイメージを回復し、アメリカ政治エリートとの結びつきを強化することを目指していた。前回の2020年9月のワシントン訪問では、当時のドナルド・トランプ大統領が推進した重要な外交成果であるアラブ首長国連邦との和平協定調印が行われた。
しかし、バイデンとの予定されていた会談は、大統領の新型コロナウイルス感染により延期となり、新たな日程は未定だ。ネタニヤフ首相の予定には、大統領選に向けて準備を進めていると思われるカマラ・ハリス副大統領、ジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官、アントニー・ブリンケン国務長官との会談も含まれていた。ネタニヤフ首相は、マール・ア・ラゴでのドナルド・トランプ元大統領との会談も計画していた。
イスラエル当局者らが述べた通り、今回訪問の主目的は、パレスチナのハマスや、イランや「抵抗枢軸」を含む他の敵対勢力との紛争において、イスラエルへの超党派支援をアメリカ議員に訴えることだった。ワシントンの政情不安の中、ネタニヤフ首相は反イスラエル勢力と対峙する上で重要な同盟国としてアメリカの支援を確保しようとしたのだ。
議会での演説で、ネタニヤフ首相はバイデン政権との対立を避け、イスラエル支援の重要性を強調した。イスラエルのガザでの行動を理由に、一部民主党議員が演説をボイコットする意向を表明し、国会議事堂外ではアメリカ人活動家やイスラエル人民主主義支持者両方による抗議活動が行われたが、議場で、ネタニヤフ首相は全員起立しての拍手喝采で温かく迎えられた。
演説冒頭、彼は参加者全員に感謝の意を表し、議場を「民主主義の砦」と呼んだ。そして「イランのテロ枢軸」がアメリカやイスラエルやアラブの友人たちに対抗していると述べ、この紛争を文明の衝突ではなく「野蛮人対文明」の戦いと位置づけ、「アメリカとイスラエルは団結しなければならない」と主張した。
ネタニヤフ首相演説は良く準備されており、パレスチナ過激派集団の「残虐性」を強調した。ネタニヤフ首相は、エチオピアやベドウィン共同体代表者を含むガザで戦っているイスラエル軍メンバーを同行させ、「イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒」がイスラエルを守るため共に戦っていることを示した。民間人犠牲者の問題にも彼は触れ、イスラエルにとって「民間人の命が失われるのは悲劇だが、ハマスにとっては戦略だ」と主張した。勝利を実現するため、イスラエル国防軍に「必要な手段」を提供するようネタニヤフ首相は求め、アメリカの軍事援助要請をほのめかした。
予想通り、バイデンと民主党の民主的イスラエルに対する友情と支援を称賛するとともに、ゴラン高原のイスラエル領土認定やエルサレムのイスラエル首都認定など、トランプと共和党の支援にもネタニヤフ首相は感謝の意を表した。
要約すると、ネタニヤフ首相訪問は、支持を確保し、ワシントンと西エルサレム間の現在の不一致を解決し、将来のアメリカ政権からの支持を確保することを目的としていた。更に、この訪問はイスラエル国内でのネタニヤフ首相の立場を強化し、最近の圧力にもかかわらず、アメリカと強い「同盟関係」を彼が維持しているというメッセージをイスラエル国民に送る役割を果たした。
時代は変わった
この訪問は、前回と比べると明らかに異なる政治情勢の中で行われた。イスラエル史上最も保守的な彼の政権は、ホロコースト以来最大のユダヤ人への攻撃となった10月7日の悲劇的事件を含む大きな課題に直面している。最近の世論調査では、イスラエル人の72%が、即時またはガザ戦争終了後、彼の辞任を望んでいることが示された。批判と不満にもかかわらず、ネタニヤフは議会で過半数を占めて権力を維持し、早期選挙の脅威を回避した。
ネタニヤフ首相のワシントン訪問は、歴史的ともいえる世界的、地域的変化を背景に行われた。イスラエル北国境での緊張が高まり、ヒズボラとの公然たる衝突が日常化し、双方が攻撃している。この「抵抗枢軸」は、この地域やイスラエルの欧米同盟諸国の軍事目標攻撃も継続しており、イスラエル国防軍とイエメンのフーシ派組織アンサル・アッラー間で、新たな緊張が高まっている。
イスラエル軍広報室によると、7月19日夜、新型ドローン「ヤッファ」でフーシ派はテルアビブ攻撃を開始し、イスラエルはイエメンの港湾都市ホデイダの複数標的を攻撃した。外部からの脅威増大により、イスラエルが治安を維持するのが益々困難になっており、ワシントンに向けて出発する前に、エルサレムは現在「7つの戦線」で軍事行動をしているとネタニヤフ首相は述べていた。
しかし、イスラエル自身も状況を悪化させる役割を果たしている。7月18日、パレスチナ国家の設立をイスラエルの存在と国民に対する脅威として拒否する決議をイスラエル国会は可決した。決議で、ヨルダン川西岸にパレスチナ国家を設立するのはイスラエルとパレスチナの紛争を永続させ地域を不安定にすると主張した。また、決議起草者は、それがテロを助長し、ハマスや他の過激派勢力を強化することになるとも主張した。
この決議は、ネタニヤフ首相の連立政党、右派野党、ベニー・ガンツ率いる中道派の国民統一党に支持された。ヤイル・ラピド率いる中道左派政党イェシュ・アティッドは、二国家共存の解決策を主張してこの決議に反対し、議会を退席した。この全ては、ネタニヤフ首相がアメリカ訪問の準備をしている中で起きたことで、民主党が二国家共存の解決策を支持していることを考えると、イスラエル議会による、このような決定はアメリカとイスラエルの関係に緊張をもたらす可能性があることを十分認識していた。
更に、パレスチナの様々な派閥間の紛争解決に進展の兆しが見られた。7月23日、パレスチナの14派閥は中国で3日間の会談を終え、和解に関する北京宣言に署名した。この文書は、戦争終結後、PLO下で暫定的な国家統一政府を樹立することを要求している。署名者にはハマス、イスラム聖戦、ファタハなどが含まれる。主な狙いは、パレスチナの諸機関の統合、総選挙実施と、ロシアや中国やアルジェリアの支援を得てのガザ再建だ。
仲介役として、停戦、ガザ地区復興、パレスチナの国連加盟を含むパレスチナ問題の解決に向けた3段階計画を中国は提案した。王毅外相が代表を務める中国側は、北京に利己的権益はなく、パレスチナ人の正当な権利の回復を支持すると強調した。しかし、2022年のアルジェリアでの同様取り組みが紙面上のものにとどまっていることから、北京宣言に基づく合意実施に関する楽観論は控えるべきだろう。
このように、イスラエル政府とイスラエルの将来にとって、ネタニヤフ首相訪米は極めて重要だった。時代は確かに変わった。ロシアと中国は中東で積極的に影響力を拡大し、イスラエルの主要同盟国アメリカは支配力を失いつつある。イランや様々な反イスラエル勢力は軍事力を拡大して力を強めており、パレスチナ側も共通の未来のために団結する重要性を認識しているようだ。アメリカ国内でも、バイデンが大統領選から撤退し、トランプ大統領暗殺未遂事件や、次期大統領選でカマラ・ハリス候補支持での民主党内の不一致など状況は順調ではない。
この地域は10か月、混乱状態にあり、紛争終息の見通しは立っていない。イスラエルとヒズボラとフーシ派間の緊張は高まっており、国内では反政府デモが続いている。残念ながら、これら展開は、約束の地が1948年以来最も困難な時期を迎えようとしていることを示唆している。この感情はネタニヤフ首相やワシントン訪問中のギャラントにも共通していた。
これまでも、そして今後も、アメリカはイスラエルにとって最も重要な同盟国であり続けるだろう。大統領執務室の座に誰が就こうが「友人イスラエル」防衛は何よりも重要だからだ。最近、トルコ上空を飛行してシリアとイラクに向かった米軍輸送機は、ワシントンが状況悪化に備えていることを示している。しかし支援の強さは、選挙運動と大統領選挙結果に大きく左右される。しかし、民主党と共和党双方にネタニヤフ首相は「イスラエルとアメリカは永遠の同盟国だ」と保証させようとしている。イスラエル国民も、ネタニヤフ首相の重要性を理解しなければならない。なぜなら彼らを守れるのは彼だけで、ワシントンとのこれほど強く永続的な絆を持つ国は他になく、それがイスラエルにとっても助けとなるからだ。
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記事原文のurl:https://www.rt.com/news/601641-israel-netanyahu-washington-visit/
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■はじめに〜米国の中心で大嘘を叫ぶ! その2! イスラエルのネタニヤフ首相が米議会で「中東版NATO」構想を提唱! 4月のイランからのミサイル・ドローン攻撃を迎撃した諸国を「アブラハム同盟」と述べ、バイデン大統領への感謝とともに、「アブラハム合意」を仲介したトランプ前大統領への感謝も忘れず、両天秤の姿勢!先住民から土地を略奪した米国を「建国以来自由を守る光と力」だと持ちあげ、イスラエルを「悪に対する善」のパートナーだとアピールし、ユダヤ人が「あらゆる困難を乗り越えて、古代の祖国で主権を回復し、民主主義を築いた」と侵略と土地の略奪の歴史を美化・正当化!!
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