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イスラエルはレバノンで戦争を始めようとしているが、勝てる見込みはない
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202406110000/
2024.06.11 櫻井ジャーナル
ガザ南部のラファでイスラエル軍は非武装の住民を虐殺している。軍事施設や発電施設など戦略的に重要なターゲットを選んで攻撃しているロシアを声高に批判してきた西側の有力メディアはラファをはじめとするパレスチナの惨状を伝えていないが、無テレグラムなどで惨な殺され方をした子どもの姿が世界へ発信され、イスラエルやイスラエルを支援している西側諸国に対する批判は高まってきた。
イスラエルにしろ、アメリカ/NATOにしろ、非武装の人びとを虐殺できても高性能兵器を保有し、訓練された兵士で構成された軍隊には刃が立たない。さほど大きな戦力を保有していないハマスとの戦闘にも苦しんでいる。ウクライナではロシア軍に刃が立たなかった。
そうした中、イスラエルはガザの北部へ戦闘の舞台を移動させようとしているとも言われているが、そこにはハマスとは比較にならないほど強力なヒズボラが存在している。
ガザでの虐殺が始まって以来、何ヵ月にもわたってヒズボラはイスラエルに対する攻撃を続けてきた。そのターゲットは通信施設、傍受施設、レーダー施設などイスラエルの「目」や「耳」であり、アイアン・ドームなど防空システムの弱体化につながる。ガザ北部で本格的な戦闘が始まった場合、このダメージはイスラエルにとって痛い。
ヒズボラがターゲットにした施設のひとつであるメロン基地は占領下にあるパレスチナ最高峰のジャルマク山(メロン山)の頂上に位置し、占領空域の防空が主な任務だ。この基地と南部にあるミツペ・ラモン基地はイスラエルの監視システムで重要な役割を果たしている。
4月1日にイスラエル軍がシリアのイラン領事館を攻撃、IRGC(イスラム革命防衛隊)の上級司令官や副官を含む将校7名を殺害したことへの報復として、4月13日にイランはイスラエルに対し、ドローンやミサイルで報復攻撃した。
この報復は戦乱を拡大させないよう念入りに計画されたもので激しいものではなかったが、イラン軍の攻撃能力はアピールしている。例えばドローンやミサイルでイスラエルのネバティム空軍基地、ラモン空軍基地、そしてハルケレン山頂にある「サイト512」基地のAN/TPY-2 Xバンドレーダー施設を攻撃、大半のミサイルは目標にヒットしたと伝えられている。
イスラエルや西側諸国では99%を戦闘機や防空システムで撃墜したと宣伝しているが、ネバティム基地のケースは衛星写真で確認された。その写真を見ると、ふたつの滑走路に命中、その精度は高いことが示されている。日本の車力分屯基地にも配備されているAN/TPY-2 Xバンドレーダーはイランの攻撃に対して有効でなかった。
ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)への攻撃から10日ほど後、国防長官のオフィスで軍事攻撃の対象国リストを見たという。まずイラク、ついでシリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランだ。(3月、10月)
イラクは2003年、レバノンとソマリアは2006年、シリアとリビアは2011年、スーダンに対しても執拗に介入している。イスラエル軍の地上部隊は2006年7月から9月にかけてレバノンへ軍事侵攻したが、その際にイスラエルが誇る「メルカバ4」戦車が破壊され、ヒズボラに敗北している。
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