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※2023年12月22日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2023年12月22日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
安倍派5人衆…(左上から時計回りに、松野博一前官房長官、西村康稔前経産相、萩生田光一前政調会長、高木毅前国対委員長、世耕弘成前参院幹事長)/(C)日刊ゲンダイ
ついに東京地検特捜部の本格捜査がはじまった。自民党安倍派「5人衆」のうち、松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、萩生田光一前政調会長の3人に対して、聴取に応じるよう要請したという。
松野と高木は、派閥の実務を取り仕切る事務総長として「裏金づくり」に関与していた疑いだけでなく、それぞれ約1000万円の裏金を受け取っていた嫌疑をかけられている。
地検の捜査はどこまで広がるのか。自民党の裏金疑獄は底が見えなくなってきた。事件は拡大する一方だ。
12月1日の朝日新聞のスクープ記事の見出しは<安倍派 裏金1億円超か>だった。それが<安倍派6幹部 裏金か>(9日)、<安倍派裏金 5億円か>(12日)──と、どんどん広がっている。岸田派もパーティー収入を政治資金収支報告書に記載していなかった。
戦後最大の疑獄事件「リクルート事件」も、発端は川崎市の助役をめぐる地方の贈収賄事件だった。それが政官財を揺るがす一大事件につながった。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「安倍派の裏金は5年間で5億円とされていますが、本当に5億円だけなのでしょうか。5億円というのは、パー券の売り上げをいったん派閥に入金したあと、議員のノルマ超過分をキックバックした金額だけでしょう。でも、ノルマ超過分を派閥に入金せず、そのまま懐に入れていた議員も相当数いるようです。となると、裏金は5億円では済まないでしょう。しかも、政治資金パーティーを利用した裏金づくりは、20年以上前からやっていたとも報道されています。安倍派の裏金総額は、30億円なのか、50億円なのか。安倍派の勢力拡大の裏には巨額な裏金があったのではないか。闇は相当深いですよ」
異常なのは、若手からベテランまで多くの自民党議員が、この裏金づくりを「当たり前」のようにやっていたことだ。「悪い」という認識は、ほとんどなかったらしい。恐らく「皆やっている」という軽い感覚だったのだろう。それほど組織的、日常的に裏金づくりを行っていたということだ。
裏金は選挙資金に消えたのか
それにしても、犯罪だというのに、なぜ裏金づくりに手を染めたのか。信じがたいのは、この期に及んで「政治にはカネがかかる」などと、辟易するような言い訳をしていることだ。
「政治にはカネがかかる」なんて大嘘である。カネがかかるのは、高級レストランでの美食三昧など、贅沢な暮らしをしているからだ。それだけの話である。
もちろん、政治には一定のカネはかかるだろう。しかし、政治活動に必要なカネは、国費で賄われているはずである。国会議員は3人の公設秘書を国費で雇うことができる。領収書のいらない「調査研究広報滞在費」も月額100万円入る。さらに、「立法事務費」として月額65万円も支給される。JRパス・航空券の無料クーポン券ももらえる。議員会館の賃料もゼロだ。加えて、委員会で必要な旅費、経費、手当、弔慰金が支払われる。
これだけのカネがあれば、裏金がなくても、十分、政治活動をつづけられるのではないか。
議員歳費も年間2100万円である。イギリスの調査機関の調査(2019年)によると、日本の国会議員の報酬は、世界第3位だそうだ。各種手当を含めると世界1位の水準である。
なのに「政治にはカネがかかる」などと嘯き、裏金をつくっていたのだから、ふざけるにも程があるという話だ。そもそも、まっとうな政治活動だけなら、裏金などいらないのではないか。
「『政治にはカネがかかる』などと、もっともらしい釈明をしていますが、恐らく、裏金の大半は選挙の時、表に出せないカネとして使ったのでしょう。選挙に使える費用は上限が決まっています。運動員にカネを渡すことも禁じられている。でも、自民党議員には無償のボランティアで選挙を手伝ってくれる支援者が少なく、カネを払っていたのではないか。買収資金に充てていた疑いさえあります。公選法違反で逮捕された河井克行元法相は、地元の市長や県議などに現金を渡していましたからね」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
安倍派の裏金づくりでは、改選を迎える参院議員は、参院選のある年は、ノルマ超過分だけでなくパー券の売り上げを、全額、裏金にしてもいいシステムだった。ため込んだ裏金は、選挙資金として使った疑いが濃厚である。
自民党には「政党助成金」160億円も渡っている。いったい、自民党政治には、どれほどのカネが必要なのか。
利権に直結するパー券購入
ロッキード事件、リクルート事件、ゼネコン汚職事件──と、「政治とカネ」は、自民党の宿痾みたいなものだ。その時は、反省したそぶりをみせるが、時間がたつと、また同じことをくり返している。絶対に治らない。
これから自民党は、「政治資金規正法」の強化など、政治改革を打ち出してくるだろうが、腐り切った自民党に期待しても時間の無駄である。やはり、自民党は解党するしかないのではないか。
そもそも、これだけ企業との癒着、利権政治が問題視されているのに、「政治にはカネがかかる」と、企業にパー券を買わせているのだから、話にならない。なぜ、企業がパー券を買うのか。公共事業などの“口利き”を政治に期待しているのは明らかだろう。あるいは、入札を邪魔されないためか。
いずれにしろ、パー券の購入が利権政治に直結しているのは間違いない。自民党議員は「収支報告書に記載していれば問題なかった」などと解説しているが、問題は、記載するかどうかということだけではなく、利権の温床となっている政治資金パーティーそのものだろう。自民党議員は、核心から目をそらしているのだから、どうしようもない。
「『政治にはカネがかかる』という言い分は、一瞬、もっともらしく聞こえますが、これほど、傲慢で特権意識を丸出しにした言い分はないのではないか。だって、要するに、政治にはカネがかかるのだから仕方ないだろ、ということでしょう。なぜ、政治の世界だけ特別扱いしなければならないのか。カネのかからない政治を目指すのが当たり前でしょう。
かつて、草の根保守が支えていた頃の自民党議員は、もっと謙虚で、庶民に近かった。やはり、安倍1強時代が長くつづいたこともあり、庶民と乖離し、傲慢になってしまったのでしょう。庶民生活を知らない2世、3世ばかりになっていることも大きいかもしれない。自分たちの価値観が、そのまま世間に通じると考えているのだと思う。岸田首相も、セレブ一家の3世です」(本澤二郎氏=前出)
東京地検は、検事50人という異例の大規模体制を敷いて捜査をつづけている。はたして、どこまで切り込めるのか。日本から利権政治を一掃する必要があるのは確かだ。
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