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植民地政権を自認する岸田内閣
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2023年12月 5日 植草一秀の『知られざる真実』
11月29日、鹿児島県屋久島沖で米軍横田基地所属のCV22オスプレイが墜落した。
米海兵隊の機体を含め、オスプレイは開発段階からこれまでに何度も墜落・死亡事故を繰り返している。
事故を受けて日本政府は11月30日、オスプレイの飛行停止を米軍に要請した。
木原稔防衛相は11月30日、防衛省で在日米軍司令官と会談。
その後、記者団に、「安全を確認してから飛行するよう要請した」と述べた。
しかし、米国防総省の副報道官は11月30日の記者会見で、「公式な要請は把握していない」、「現時点でオスプレイは日本で運用を続けている」と説明した。
日本は自衛隊のオスプレイの飛行を見合わせているが、米軍はオスプレイの運用を停止していない。
日本政府は米軍に対して安全が確認されるまでの飛行中止を求めたが、米軍のオスプレイは12月4日までに沖縄県内で108回の離着陸が確認されている。
日本政府の要請は完無視されている。
木原防衛相は12月5日の会見で、
「現時点で(米側に)更なる要請を行う考えはない」
と述べた。
木原防衛相は
「米側からは引き続きしっかりとした情報提供を受ける必要がありますが、確認作業を今行っている最中でもあり、現時点で更なる要請を行う考えはありません」
と述べた。
この問題をメディアはなぜ大きく伝えないのか。
そもそもオスプレイは欠陥機であると指摘され続けてきたいわくつきの物体である
「空飛ぶ欠陥機」、「未亡人製造機」と呼ばれるオスプレイは、これまでに多数の墜落事故を繰り返してきた。
沖縄県名護市沿岸でも2016年12月にオスプレイの機体が炎上、大破した。
しかし、このとき、政府はオスプレイ「墜落」ではなく「不時着水」と強弁した。
今回の事故でも当初政府は「墜落」を「不時着水」に言い換えた。
今回の墜落事故原因については、元自衛隊幹部などがエンジンやトランスミッションなど動力系統のトラブルの可能性が高いと指摘している。
しかも、米軍は日本で航空法に違反するオスプレイ運用を行っている。
日本の航空法では、航空機の安全高度は人家のない地帯では150メートル以上と定められている。
この規定に基づき、2012年の日米両政府合意では、MV22は500フィート(約150メートル)以上とされた。
ところが、本年6月7日の日米合同委員会で高度制限が緩和された。
高度制限緩和は米軍が一方的に決定し、これを日米合同委員会で通告したもの。
危険極まりない欠陥機が墜落事故を引き起こし、その原因も明らかにされないまま、国内での運用を継続している。
この状況で日本を独立国と言えるのか。
日本のメディアも国民も感覚がマヒしているとしか言いようがない。
12月1日、オスプレイの飛行差し止めなどを求める第3次新横田基地公害訴訟の原告団・弁護団が、国内すべてのオスプレイの撤去などを米側に申し入れるよう求める要請書を岸田文雄首相と防衛省に提出した。
また、12月4日、普天間基地の県内移設の断念やオスプレイの配備撤回を訴えるオール沖縄会議が、沖縄防衛局の前でオスプレイの飛行停止を求める集会を開いた。
集会開催後、参加者の代表が防衛局の伊藤局長と面会し、政府としてオスプレイの飛行停止をアメリカ側に強く訴えるよう求めた。
これに対して伊藤局長は、
「現時点では安全について十分な説明がない中で飛行が行われているという認識だ」
と述べた。
これが日本の現状なのだ。
日本政府の上に米軍が存在する。
日本の法律も米軍には通用しない。
これを独立国と呼ぶことはできない。
各政党はこの事態に何をしているのか。
政治資金問題で予算委員会集中審議が12月8日に行われることが決定されたが、オスプレイ運用停止問題を国会で集中審議すべきである。
日本の国家主権が侵害されている問題である。
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