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岸田内閣総辞職が秒読みへ
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2023年12月 4日 植草一秀の『知られざる真実』
岸田内閣の終焉が近づいている。
9月に内閣改造を実施。
統一協会に対する解散命令発出を要請。
景気対策を発表して補正予算案を国会に提出。
これらの施策で内閣支持率を引き上げ、年内総選挙に突き進むことを目論んだ。
しかし、目論見は失敗。
政権は断崖に追い込まれている。
新内閣では発足直後に3名の政務三役が辞任に追い込まれた。
法律を所管する法務省の柿沢副大臣が公選法等の違反に関与したとして辞任。
税を所管する財務省の神田副大臣が税の滞納で差し押さえ等の事実が発覚して辞任。
山田太郎文部科学政務官は買春疑惑が報道されて辞任した。
景気対策では増税メガネの批判を意識したのか、2024年夏に超小型減税を実施する方針を打ち出したが総スカンを食った。
超小型減税の裏側にある大型増税について追及されると明確な答弁ができない。
岸田内閣の鈴木俊一財務相は過大な税収を減税で還元するとの岸田首相方針について、還元する税収は存在しないと岸田首相発言を一蹴。
自民党の宮沢洋一税制調査会長は防衛費増大の財源を確保するための増税を2025年度ないし26年度に実施する方針を年内にも決定する方針を表明。
岸田氏の配下の者が岸田内閣を崩壊に向かわせる行動をあからさまに取り始めた。
パレスチナ・ハマスの攻撃に対して過剰な反応を示すイスラエル。
国際社会はイスラエルの非人道的な過剰攻撃を批判している。
しかし、岸田首相は米国の顔色を窺い、イスラエルの行動抑止に強い姿勢を示せない。
国会が紛糾しているなかでCOP28参加を理由にわざわざ中東を訪問し、イスラエルのネタニヤフ首相と会談した直後にイスラエルはカザ地区に対する激しい軍事攻撃を再開した。
何の意味もない会談であったことが証明された。
中東を訪問して実行しているのは日本の血税を垂れ流すことのみ、
国内では無駄な万博に血税を垂れ流すことが国民全体の批判を浴びている。
いま取り組むべきことは限られた税財源を、いかに有効に活用するかということ。
まずは国民生活を支えることに税財源を投下すべきだが、現実はムダ金遣いのオンパレードだ。
米国で開かれたAPEC首脳会議。
この機会に日中首脳会談開催の機会を得た。
岸田内閣による処理後放射能汚染水海洋投棄始動によって中国政府の反発を招き、重大な経済問題に発展している現状を打開する千載一遇のチャンスを得た。
ところが、岸田内閣は大失態を演じた。
中国サイドが習近平国家主席、中国序列第5位の蔡奇党政治局常務委員、党政治局委員の王毅外相、財務大臣、商務大臣を同席させて、オールスターキャストで会談に臨んだにもかかわらず、日本側は岸田首相以外誰一人も大臣が同席しなかった。
上川陽子外相、西村康稔経産相の同席が可能であったにもかかわらず、両大臣は日中首脳会談に同席しなかった。
日本が処理後放射能汚染水を海洋投棄したことについて中国が抗議している。
日本側は当初、過剰反応する中国が悪いとの姿勢を示していたが、外交上、これは通用しない。
日中首脳会談では日中両国が「対話を通じて解決を目指す」こととされた。
「中国が悪い」との日本の主張は封印することを余儀なく迫られた。
日本の処理後放射能汚染水海洋投棄を受けて中国は日本産の海産物輸入を停止している。
また、この影響で中国から日本への旅行者がコロナ禍明けで想定されたほど増加していない。
中国政府の反発によって日本経済は極めて重大な影響を受けている。
この問題を解決する千載一遇のチャンスを得たが、岸田内閣が自らそのチャンスを潰したと言える。
処理後汚染水海洋投棄の責任者である西村経産相を同席させなかった失態は驚くばかりのもの。
この状況下で自民党の政治資金不正という巨大爆弾がさく裂し始めた。
岸田内閣の終焉は秒読み態勢に移行したと言えるだろう。
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