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自民・安倍派は「パー券裏金疑惑」に後手後手対応…“素人”金庫番が派閥のアキレス腱に
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/332662
2023/11/29 日刊ゲンダイ
安倍派(清和会)だけは「詳細確認中」…(会合であいさつする塩谷立座長)/(C)日刊ゲンダイ
自民党の派閥がパーティー券収入をチョロマカしていた疑惑で、安倍派に注目が集まっている。というのも、対応の遅さが党内で話題になっているのだ。
安倍派、麻生派、茂木派、岸田派、二階派の5派閥が2021年までの4年間で計4000万円のパー券収入を政治資金収支報告書に記載していなかった問題は、国会でも連日、追及されている。
岸田首相が衆院予算委員会で「各派で政治資金収支報告書を訂正している」と強調した22日には、茂木幹事長が訂正内容について記者団に説明し、麻生派は19〜21年分で13件、406万円の記載漏れがあったと公表。茂木派、岸田派、二階派は金額は明らかにしなかったが、件数を公表した。そんな中で、安倍派だけは「件数を含め詳細を確認中」だった。
総務省が24日に公表した22年の政治資金収支報告書でも、パー券収入の不記載が次々と見つかり、安倍派は28日、22年の収支報告書の訂正を総務省に届け出た。
麻生派と二階派は27日までに提出済みで、やはり後れをとっている。
安倍派の若手議員は「金額も件数も突出して多いため確認に手間取っているのもあるが、会長不在の影響が大きい」と、こう嘆く。
「塩谷座長はリーダーシップを発揮するタイプではなく頼りないし、派閥幹部のいわゆる5人衆も危ない橋をわたりたくないと牽制し合っている。こういう時、集団指導体制では機動的に対応できないことを痛感します。直近2代の安倍会長、細田会長が相次いで亡くなったことも大きな影を落としている。細田会長は派閥の金庫から札束を出して気前よく配るようなタイプでしたが、当時の派閥のカネの実態が分からなくなってしまったから、特捜部に聞かれても説明できないことがあるかもしれない」
特捜部が事情聴取
24日に総務省が公表した2022年度収支報告書(写真)にも安倍派のパーティー券収入不記載が次々と見つかる(C)共同通信社
派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金作り疑惑では、神戸学院大学の上脇博之教授が派閥の会計責任者などを東京地検特捜部に刑事告発。特捜部は派閥の事務担当者を呼んで任意の事情聴取を始めたという。
安倍派の収支報告書には、代表者・会計責任者として「松本淳一郎」の名前が記載されている。安倍派の事務方を取り仕切る事務局長だ。
「派閥の事務局長には政治の表も裏も知り尽くした秘書経験者が就くことが多いのですが、松本さんは元NTT社員だそうです。定年退職後は日本会議の活動をしていたようで、数年前に安倍派幹部の推薦で派閥の事務局長になったと聞いています。サラリーマン生活が長かったので、永田町の事情に疎いところが国会議員からすれば都合がよかったのかもしれません。松本さんをうまく利用して、私腹を肥やしていた幹部もいると噂されている。もっとも、松本さんは政治のプロではなく、“素人”ですから、特捜部の厳しい取り調べに耐えられず、言わなくていいことまで話してしまうんじゃないかと、派閥内では不安の声が上がっています」(安倍派の国会議員秘書)
安倍派のアキレス腱は、意外なところにあるのかもしれない。
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