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アベノミクスに縛られて予測を間違え続ける「物価の番人」日銀の悲惨 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/332065
2023/11/15 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
2019年度から日銀の予測はことごとく外れている(日銀の植田和男総裁)/(C)日刊ゲンダイ
11月8日の衆院財政金融委員会の質疑で立憲民主党の階猛議員が、「税増収分を還元して減税する」との岸田文雄首相の言い分について、そのような財源は存在しないという答弁を鈴木俊一財務相から引き出して大いに話題になった。
が、彼の質問でもう一つ際立っていたのは、日銀の物価見通しが「外れっぱなし」であることを、参考人として出席していた植田和男総裁に認めさせたことである。植田は「誤りがあったことを認めざるを得ない」と率直に述べた。
この経済状況の基本認識に関わる重要な問題を正面切って報じたのは、私の目配りの範囲では、ブルームバーグ8日付と「日本農業新聞」12日付だけ。後者は、日銀の物価予想と実際のコアCPI(生鮮食品を除いた消費者物価指数)実績とのズレをグラフ化し、日銀の予測が19年度からことごとく外れてきたことを明示している。そのグラフを見ると、コロナ禍であらゆる需要が停滞しデフレ気味になった時期に物価が高くなると予想したり、足元の実感としてインフレ気味に振れている最中に物価が低くなると予想したりしていて、「方向感すら見誤っている」(同紙)ありさまである。
どうしてそんなことになるのかというと、階がその質問の中で指摘したように、今の経済対策の基調が「デフレ脱却なのか、インフレ抑制なのか」という最も基本的なレベルでの方向性がハッキリしていないからである。そこを突かれた植田は、今の物価上昇には、輸入物価の値上がりによる一時的な要因と、国内的な構造的な事情による非一時的な要因とがあり、後者の要因がまだ強くないことを見ていると述べた。
これは屁理屈というもので、コアCPIは2022年4月から直近の23年9月まで18カ月連続で政府・日銀の悲願の目標=「2%」を超え続けていて、本来ならとっくに異次元金融緩和の終結宣言を出さないとおかしいのに、それをするとアベノミクスという血迷い事の全体を総括しなければならないので、ズルズルと先延ばしして「まだデフレ脱却は達成されていない」というスタンスにしがみつくのである。
日銀の使命は物価の安定にあるというのに、その物価の番人が安倍晋三の悪しき遺産であるアベノミクスというイデオロギー(虚偽意識)に縛られて物価の予測を間違え続けているのは悲惨である。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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