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白旗なのか? 植田日銀総裁があっさり非を認める前代未聞、今後政策が変わる可能性は
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/331770
2023/11/09 日刊ゲンダイ
それでものんき、物価高に苦しむ国民の悲鳴を分かっていない(日銀の植田和男総裁)/(C)日刊ゲンダイ
「あのプライドが高い日銀が」──と、驚いた金融関係者も多いのではないか。
「物価見通しに誤りあった」
日本銀行の植田和男総裁が8日、日銀が物価上昇率見通しの“上方修正”をくり返していることについて、「見通しに誤りがあったことは認めざるを得ない」と、自分たちの間違いを認めたのだ。国会で立憲民主党の議員から物価高への責任を問われ、あっさり非を認めた。
実際、3カ月に1度、「展望リポート」を公表している日銀は、物価見通しを誤りつづけている。今年1月、2023年度の物価上昇率の見通しを1.6%としていたのに、7月と10月に上方修正し、2.8%にしている。「見通し」を間違えれば「対策」を間違うため、当然「結果」も悪くなる。庶民を苦しめている物価高は、その結果だ。
しかし、日銀総裁が誤りを認めるのは異例のことだ。
植田総裁は、急激に進む円安についても、日銀が実施している金融緩和の「副作用」だと認めた。
「物価の見通しを外しつづけていることへの批判が強く、さすがに抗弁できなかったのでしょう。学者出身だけに、あからさまな嘘はつけなかったのだと思う。さすがに、学者として事実は曲げられないのでしょう。ただ、全面的に白旗はあげていません。物価高には、@輸入物価の高騰と、A賃金と物価の好循環の2つがあるとし、見誤ったのは、輸入物価についてであり、大規模な金融緩和策の継続に『大きな誤りはなかった』と説明をしています。物価高に苦しむ庶民には、原因がなんだろうと関係ない、ということが分かっていない。それに輸入物価の高騰の原因は、日銀による金融緩和にあるはずです」(経済評論家・斎藤満氏)
この先、間違いを認めた日銀の政策は変わっていくのだろうか。どうにも期待薄なのは、植田総裁が「足元の物価高が家計や企業に大きな負担を強いていることは重々承知している」としながら、「長くつづくとは思わない」とのんきに答弁していることだ。庶民が苦しんでいることを承知し ながら、物価高でも困らない「上級国民」のような答弁なのだ。
「恐らく植田総裁は、『企業は儲かっている、企業が賃上げすれば物価高をカバーできるはず』と期待しているのでしょう。しかし、はたして実質賃金がプラスになるほど企業が賃上げするかどうか疑問です」(斎藤満氏)
庶民の暮らしを教える者はいないのか。
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