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「岸田おろし」の嵐は地方から巻き起こる 首相のお膝元で自民推薦の現職町長が落選
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/331666
2023/11/08 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
ガバナンスの欠如(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
地方が岸田自民に相次いで「ノー」を突きつけている。
5日に投開票された広島・海田町長選は、自民党が推薦した無所属現職の西田祐三氏(71)が無所属新人の竹野内啓佑氏(43)に敗れた。竹野内氏の5133票に対し、西田氏は4035票。投票率は38.29%で、前回を3.30ポイント上回った。
海田町は次の衆院選から、区割り変更に伴い岸田首相が出馬を予定している広島1区に組み込まれる。首相の「お膝元」での自民推薦の現職町長落選は衝撃だ。
敗れた西田氏の町政運営に対して町議会は3度にわたり問責決議案を可決していた。そんな西田氏を推薦することに自民党内では異論も少なくなかったが、党県連が現職優先の慣例に従い、推薦を決めた。選挙戦では自民系町議のほとんどが新人の竹野内氏を支援。西田氏が苦杯をなめる結果となった。
ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「岸田首相が分裂選挙を回避すべく、調整できなかったのが最大の敗因と言えます。これは首相のガバナンスの欠如を意味し、地元をまとめられない人が国を統治できるのかと思われても仕方がありません」
現職町長の落選は西田氏の資質によるところが大きいとはいえ、“自民推薦”という看板も足を引っ張ったようだ。続落中の岸田内閣の支持率は、30%を割る危険水域に落ち込む調査結果が続出している。
「海田町は広島市中心部まで電車で20分のベッドタウンで無党派層も少なくありません。岸田政権の無策にウンザリしている無党派層が岸田自民に『ノー』の意思を示すために自民色のない竹野内さんに投票した面もある。投票率が上がったのも無党派が動いたからでしょう」(町議会関係者)
自民推薦候補は相次ぎ敗北
先の東京・立川市長選、埼玉・所沢市長選(=写真)も自民党の敗北(現職4選にならなかった自公推薦の藤本正人氏)/(C)共同通信社
地方選挙での自民の退潮傾向は鮮明だ。9月の東京・立川市長選で自民推薦候補が落選。10月に行われた埼玉・所沢市長選は自公推薦の現職が敗れ、宮城県議選では自民は6議席減の“ひとり負け”を喫した。
「最近の地方選挙の連敗により、地方からは『岸田首相では選挙を戦えない』との声が出始めています。地方議会や首長選は毎月、行われます。さらに負けが続けば、『岸田おろし』の声が大きくなっていくでしょう」(鈴木哲夫氏)
今月12日は福島県議選が投開票される。宮城のように自民が大きく議席を減らせば、岸田政権は赤信号だ。
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