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朝生の「黙れ!」は田原総一朗氏には通常営業 生討論番組はもう“びっくり箱”ではなくなった ラサール石井 東憤西笑
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/331113
2023/10/26 日刊ゲンダイ
田原総一朗氏はそういう人(C)日刊ゲンダイ
「朝まで生テレビ!」で田原総一朗氏が、国民民主の玉木代表の発言を「うるさい! 黙れ!」と遮り、共産党の山添拓議員に「駄目ですよ、そういう言い方」と諭される映像がSNSで流れ、「老害」などと批判されていた。
しかしこれは田原氏にとっては通常営業だ。昔から他人の言葉を遮り、激高して、違う人に振り話題を変えたりしていた。視聴者もそれを喜び生の喧嘩を楽しんだ。討論というよりは闘犬のような番組だったのだが、時代は変わった。
90年代、私も「朝生」と同じスタッフで「金曜プレステージ・ニュースバトル」という生の討論番組の司会をしていた。「朝生」より人数が少なく比較的個々の意見をよく聞いて進行した。「話ぶった斬ってCM」とカンペを出されても意見を遮ることが私には出来なかった。私には田原氏のようなケレン味がなかったのだろう。
ルポライターの竹中労氏がレギュラーで、自民党議員のK氏がゲストで来た時のこと。彼が本番前にスタッフに水割りを要求したのを見て竹中氏に火が付いた。「討論の前に酒とは何だ」と竹中氏は、そのことは言わず、その日のテーマで噛みつき、「何言ってんだ、小僧!」と叫び、視聴率が跳ね上がった。
このようにかつては生のテレビは「見せ物小屋」や「びっくり箱」だった。
先日のTBS系「お笑いの日」も長時間生放送だったが、ほぼトラブルなく見事に進行していた。しかし最後のKOCで段取りが悪い瞬間があり、司会の浜ちゃんが公開説教をするという生ならではの展開が起こった。ところがネットニュースでは、視聴者から「パワハラだ」「怖い」という意見が寄せられた。
今やテレビは「見せ物小屋」や「びっくり箱」ではなくなったのだろう。安心して見られる「通販カタログ」みたいなものなのかもしれない。
ラサール石井 タレント
1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。
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