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1⃣岸田首相が唐突に「成長の成果である税収増を国民に適切に還元すべきだ」と“減税”の経済対策を指示
⏩人気取りの減税路線へと舵を切ったのには大きなきっかけが…
▶首相の元に自民党が9月中旬行なった極秘の選挙情勢調査結果が報告された。内容は衝撃的なものだった…官邸官僚が語る https://t.co/L3bgWQ3Og2
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自民党・極秘選挙情勢調査「41議席減」の衝撃データ それでも「減税解散」を狙う岸田首相の勝算
https://www.news-postseven.com/archives/20231006_1909957.html?DETAIL
2023.10.06 07:00 週刊ポスト NEWSポストセブン
岸田文雄・首相は伝家の宝刀をついに抜く?(時事通信フォト)
つかみどころのない風向きの「解散風」が、永田町で吹き荒れだした。国民の苦しい生活には目を向けず、「増税クソメガネ」なる不名誉なあだ名までついてしまった岸田文雄・首相は、伝家の宝刀をついに抜くのか。
封印された「41議席減」
「増税クソメガネ」の岸田首相が唐突に「成長の成果である税収増を国民に適切に還元すべきだ」と、“減税”の経済対策を指示したのだから必ず何か裏がある。
そう見ていたら、森山裕・自民党総務会長が10月1日の講演であっさり裏をバラして見せた。
「非常に重い表現だ。税に関することは国民の審判を仰がなければならない」
狙いは“減税解散”だった。官邸官僚が語る。
「総理は側近の木原誠二・前官房副長官らとひそかに企業減税を柱とする経済対策を検討してきた。内閣改造でも支持率が回復しなかったことで、いよいよ切り札を使うことにした」
その木原氏は内閣改造で自民党幹事長代理兼政調会長特別補佐に転じると、ネット番組で「岸田政権が増税政権だって言われてる以上は、自分が内閣にいる時はそういうこと言えなかったけど、減税やりゃいいんだよ、やって示すしかない」と言ってのけた。
岸田首相と財務官僚出身の木原氏は防衛増税などを推進した根っからの増税派として知られる。だが、首相は今や支持率ジリ貧、木原氏もスキャンダルを報じられて次の選挙は苦戦を免れそうにない。土壇場の2人が、節を曲げて人気取りの減税路線へと舵を切ったのである。それには大きなきっかけがあった。
首相の元に、自民党が9月中旬に行なった極秘の選挙情勢調査の結果が報告されたのだ。内容は衝撃的なものだったという。前出の官邸官僚が語る。
「自民党の予想獲得議席は最悪のケースで220議席で単独過半数割れ。公明党も最悪2桁減らす可能性があり、自公合わせてなんとか過半数(233議席)を維持できる程度という内容だった。一番議席を伸ばすのは日本維新の会だが、立憲民主党も増えるので野党第1党は変わらない。調査は各選挙区の情勢をかなり厳しめに見積もったというが、それにしてもひどい数字だから、影響の大きさを考えて調査結果は党内にも漏らさない扱いとなっていると聞いている」
解散に反対だという麻生太郎・副総裁(左)、茂木敏充・幹事長(時事通信フォト)
自民党は衆院で現有261議席。総選挙で220議席なら「41議席減」の大敗で、岸田首相の退陣まで視野に入ってくる。調査結果が封印されるのは当然だろう。
とても解散などできそうにない数字だが、それでも首相は解散を諦めきれない。そこで首相は冒頭で触れたように9月26日の閣議で、増税路線から減税への転換を指示した。といっても、首相が挙げたのは企業向け減税ばかりで、国民にとってはぬか喜びさせられるだけの「偽装減税」だ。
減税解散で思い出すのが安倍晋三・元首相の2回の解散だ。安倍氏は2014年11月に「消費増税先送り」を大義名分に解散を打ち、2017年9月には、「消費税の増収分を幼児教育無償化にあてる。税の使途変更には国民の信を問う必要がある」と2度目の解散に踏み切っていずれも勝利した。
政治アナリストの伊藤惇夫氏が指摘する。
「追い詰められた岸田さんは、禁断の減税に舵を切って解散・総選挙を戦うことを考えた。本来、減税は解散の大義名分にはならない。国民の審判を受けるといっても、減税すれば国民は喜ぶに決まっているのですから。それに似たことをやったのが安倍さんだった。
増税路線を転換するには財務省や自民党内の財政再建派議員の反対が予想される。安倍さんは回顧録で『増税論者を黙らせるためには、解散に打って出るしかない』と語っていますが、岸田さんにも解散・総選挙をやれば反対派の抵抗を押し切れるという計算があるのでしょう。安倍さんの成功体験を真似しようとしている」
※週刊ポスト2023年10月20日号
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公明党、秋の総選挙に向け7月から本格的な準備「岸田首相が減税を掲げるなら戦える」の判断
https://www.news-postseven.com/archives/20231008_1910099.html?DETAIL
2023.10.08 07:00 週刊ポスト NEWSポストセブン
岸田文雄・首相と公明党は減税解散でガッチリ手を握った?(写真/EPA=時事)
岸田文雄・首相が唐突に「成長の成果である税収増を国民に適切に還元すべきだ」と、“減税”の経済対策を指示した。人気取りの減税路線へと舵を切ったのには大きなきっかけがあった。
首相の元に、自民党が9月中旬に行なった極秘の選挙情勢調査の結果が報告されたのだ。内容は衝撃的なものだったという。官邸官僚が語る。
「自民党の予想獲得議席は最悪のケースで220議席で単独過半数割れ。公明党も最悪2桁減らす可能性があり、自公合わせてなんとか過半数(233議席)を維持できる程度という内容だった。一番議席を伸ばすのは日本維新の会だが、立憲民主党も増えるので野党第1党は変わらない。調査は各選挙区の情勢をかなり厳しめに見積もったというが、それにしてもひどい数字だから、影響の大きさを考えて調査結果は党内にも漏らさない扱いとなっていると聞いている」
とても解散などできそうにない数字だが、それでも首相は解散を諦めきれない。そこで首相は冒頭で触れたように9月26日の閣議で、増税路線から減税への転換を指示したのだ。
「減税を掲げるなら戦える」
岸田首相の減税解散を後押ししているのが、こちらも苦戦が予想されている公明党だ。公明党は最大地盤である関西の6選挙区に勢いのある日本維新の会が対立候補をぶつけてくることから、次の総選挙は「背水の陣」の戦いを迫られる。早期解散は望んでいないと思われていた。
だが、山口那津男・代表は9月はじめに首相との間で東京での自公選挙協力を復活させることで合意すると、党内に「全力で準備」を指示し、関西6選挙区では公明党の現職議員が〈岸田首相、山口代表、本人〉の顔写真が並ぶ3ショットポスターを貼り巡らすなど急ピッチで選挙準備を進めている。
さらに9月23日には、山口氏が街頭演説で「岸田首相から『そろそろ解散したい』と言われた時に、与党がまだ準備できていないと言っていたのではチャンスを失う」と“解散望むところだ”の決意まで示した。なぜそれほど前向きなのか。公明党関係者が言う。
「公明党と支持母体の創価学会は4月の統一地方選が終わった後、7月から10〜11月の解散総選挙を視野に本格的な総選挙準備を進めてきた。いったん総選挙シフトを敷いた以上、解散先送りは組織的にもたないという事情がある。苦戦は覚悟の上だが、岸田首相が減税を掲げるなら戦えると判断している」
岸田首相と公明党は、有権者に「減税」の餌を撒くことで苦戦を挽回しようという思惑で一致し、減税解散でガッチリ手を握ったことがわかる。
そうなると、経済対策の中身もなりふり構っていない。首相は閣議に先立って経済対策の柱を表明した9月25日の会見で、パート勤務などで一定の収入を超えると手取りが減る「年収106万円の壁」支援のために労働者1人当たり最大50万円を支給する助成金の創設を発表し、「来月から実施してまいります」と表明した。これには政治アナリストの伊藤惇夫氏も驚く。
「経済対策をまとめるのはこれからだし、補正予算も編成していない。役所からすれば、9月末に言われて10月実施など無理難題も甚だしい。こんな極めて異例な方針を出したのは、解散前に一つでも有権者にアメを与えておこうという選挙対策以外の何物でもないでしょう。10月中か、あるいは11月の解散を考えていることがはっきりわかる」(伊藤氏)
岸田首相は解散が取り沙汰されていた今年6月の通常国会のさなか、「今国会での解散は考えていない」と異例の表明を行なって解散を断念した経緯がある。それだけに、「今度こそ解散総選挙をやり遂げる」という不退転というより悲壮な決意を感じさせる。
※週刊ポスト2023年10月20日号
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