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※紙面抜粋
※2023年10月3日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
また「解散風」(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
臨時国会の召集日が10月20日に決定し、またぞろ「解散風」が吹きはじめた。火元は、例によって首相周辺である。岸田首相本人が解散風を煽って批判を浴びた、通常国会の会期末の時と同じ構図である。
とくに、経済対策の「5つの柱」を発表した9月25日の記者会見で、岸田が「いまこそ成長の成果である税収増を国民に還元したい」──と、唐突に「減税」「還元」を強調したことで、「やっぱり衆院を解散するのか」という空気が一気に広がっているのだ。さらに、自民党の森山総務会長が1日、「税に関することは国民の審判を仰がなければならない」と、減税は衆院解散の「大義」になると示したことで解散風に拍車がかかっている。
大新聞も「また吹く解散風」「秋解散 与野党警戒」などと報じはじめた。2日の毎日新聞の政治コラム「風知草」は、<先週、風景がガラリと変わった。物価高対策から国土強靱化まで5本柱の経済対策が示され、衆院解散の布石かという見方が広がった>と解説している。
にわかに強まる解散風に永田町は浮足立ち、解散スケジュールまで飛び交う状況なのだ。
「いま囁かれている解散日程は2つあります。ひとつは、10月末に経済対策をまとめたら、そのまま『減税』と『還元』を掲げて解散になだれ込むというシナリオです。もうひとつは、経済対策の裏づけとなる補正予算を成立させた後、11月中下旬に解散するというスケジュールです。自民党内には『どうせ補正予算を成立させても支持率はアップしない』と、経済対策を取りまとめたら、すぐに解散すべきだという意見も根強くあるようです」(政界関係者)
政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「岸田首相が秋解散を考えてもおかしくありません。年末以降は、防衛費や少子化対策の財源を決めなければならないからです。国民負担、増税論議になり、国民の反発が強まる可能性が高い。せっかく経済対策で『減税』『還元』を打ち出しても消し飛んでしまうでしょう。秋解散なら、野党の選挙準備が整っていないというメリットもあります」
物価高を放置している岸田は、臨時国会で火だるまになるだろうとみられている。解散してしまえば、野党の追及も避けられる。
いま解散なら単独過半数割れの衝撃
しかし、はたして岸田は解散を打てるのだろうか。通常国会の会期末にも解散風を吹かせまくっていたが、結局、踏み切れなかった。相変わらず内閣支持率は低迷したままだ。とてもじゃないが、「エイ、ヤッ」と解散できる状況ではないのではないか。
「衝撃的な調査結果が出たようだ」と言うのは、ある政界関係者だ。
「どうも自民党か官邸のどちらかが9月中旬に、内々に複数の小選挙区で情勢調査をかけたようです。その結果、自民党は単独過半数の233議席に届かないという数字が出たといいます。現有議席の261議席から約30議席も減らす可能性があるということです。さすがに一部では『解散など無理だ』という声があるようです」
岸田政権の今後を占う「10.22」の衆参2補選も“楽勝ムード”からは程遠い。
「10月22日には、衆院長崎4区と参院の徳島・高知選挙区で補選が行われます。自民党にとってキツイのは、いずれの補選も野党候補が一本化しそうなことです。野党には理想形と言えるでしょう。しかも、参院徳島・高知補選は、自民前職が元秘書への暴行で辞職したことに伴って実施されるだけに、自民には逆風です。野党系候補は元職のため知名度も高い。さらに、衆院長崎4区補選も厳しい。自民候補は元農相の長男で、世襲批判にさらされる恐れがあります。一方、対立候補は前回2021年選挙で391票差まで迫って比例復活した立憲民主党の現職です。自民党の2連敗もあり得ます」(永田町関係者)
補選で「2連敗」なんて結果になれば、解散など打てる状況ではなくなるだろう。
すでに、自民凋落の予兆も出ている。9月上旬に行われた岩手県知事選は、象徴的だ。
与野党一騎打ちの構図となり、自民候補は野党が支援した現職に10万票もの大差で惨敗。同日に投開票された東京・立川市長選でも、自民候補は野党が支援した候補に敗北している。立川市で非自民系市長が誕生するのは、半世紀ぶりのことである。
それぞれ選挙区事情があったのだろうが、地方と東京、2つの首長選で敗北したことは岸田自民には大打撃だったに違いない。
春の統一地方選でも、都内の区議選では杉並区や渋谷区、大田区などで自民候補の落選が相次いだ。
しかも、内閣支持率の低迷が示すように、岸田政権への国民の怒りはマグマのようにたまっている。毎日新聞の最新の世論調査では「(岸田首相に)早く辞めてほしい」が51%に上っているのだから、怒りは相当なものだ。
いま、選挙をやったら、議席維持など到底無理なのではないか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「物価高への無策や軍拡増税、弱者イジメのインボイス制度、マイナカードの問題など……。国民が怒りを募らせているのは明らかです。次の衆院選では、投票率が上がる可能性があります。投票率が1%上がれば、約100万票が動くことになる。5%上昇して500万票が野党に流れれば、自民党はひとたまりもないでしょう。この状況で本当に岸田首相は解散を打てるのでしょうか」
菅首相の二の舞
この秋に解散を打てなければ、遅かれ早かれ政権はもたないだろう。岸田政権はもう終わりだ。解散できなければ、ジリジリと退陣に追い詰められていくのは目に見えている。
解散できないまま、来年9月の自民党総裁選を迎えれば、衆院議員も参院議員も、自分の選挙まで残り1年となるだけに、理屈抜きに「選挙の顔」を選ぼうとするのは間違いない。恐らく「選挙の顔」にならない岸田は、総裁選不出馬に追い込まれるだろう。解散のチャンスを逃し、総裁選不出馬となった菅前首相と同じ運命をたどるに違いない。
岸田周辺は「総裁選のライバルは全員、潰した。このまま衆院を解散しなくても、来年秋の総裁選は、岸田首相の“無投票再選”になる」と計算しているらしい。しかし、いくらなんでも甘すぎるというものだ。
「解散権は総理大臣の一番強い権限、権力の源泉のひとつです。解散権を行使できないとなったら、一気に力を失っていく。かつて海部首相は“重大な決意”と表明しながら、解散を打てず、退陣に追い込まれています。しかも、岸田首相は、通常国会の会期末にも解散風を吹かすだけ吹かして解散せず、“解散権を弄ぶな”と批判されている。解散も打てない弱い首相とレッテルを貼られたら、支持率も落ち、政策も前に進まなくなるでしょう。レームダックになっていくはずです」(本澤二郎氏=前出)
「この低支持率でも解散を打てるなら、やってみろ」と有権者は手ぐすね引いているのではないか。
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