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岸田政権「年収130万円超でも扶養2年まで」に漂う“場当たり感”…経済評論家もバッサリ!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/329584
2023/09/25 日刊ゲンダイ
いつまで経っても場当たり対応、壁そのものは…(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
岸田首相が25日、年収が一定額を超えると手取りが減ってしまう「年収の壁」を巡り、対策パッケージを発表する。人材不足を補う狙いだが、効果の程は疑問だ。
「年収の壁」には、いくつか種類がある。所得税が発生する「103万円」、従業員101人以上の企業で社会保険料が発生する「106万円」、従業員100人以下の企業で扶養対象外となり社会保険料が発生する「130万円」などだ。
会社員や公務員の扶養に入っている専業主婦(主夫)は年収に応じて「第3号被保険者」に区分され、保険料の支払いが発生しない。ところが、年収130万円を超えると扶養を外れ、保険料負担が生じてしまう。そのため、就労調整を余儀なくされている。
政府は「年収の壁」が人材不足につながっているとして問題視。そこで厚労省が打ち出したのが、年収130万円を超えても連続2年までは扶養を外れないとする案だ。
しかし、「2年まで」しか扶養に入られないのであれば、3年目以降は再び年収を抑えるパート労働者が続出すること必至だ。政府は「暫定的な措置」と位置付けているが、人材確保につながるとは考えにくい。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。
「こんな場当たり的な対応では、本質的な問題の解決になり得ません。そもそも、扶養控除を受ける年収上限が必要なのか、扶養控除に頼らないで世帯所得を増やすにはどうすればいいか、政府はきちんと政策を講じるべきです。しかし、いつまで経っても、政府は企業の利益優先で、労働者の利益は後回し。『年収130万円超でも2年までは扶養』なんて、いかにも恩着せがましい。物価高で国民生活は苦しくなっているのだから、物価上昇率分を年収上限に加味してもいいはずです」
またまたお得意の「事業者に助成」
たかだか「2年までは扶養」なんて、生活は一生続くのに(レジで働くパート女性たち)/(C)共同通信社
政府は「106万円の壁」についても対策を講じる。来月から、従業員の手取り減少分を賃上げなどで補填した事業者に助成金を出す方針だ。
「ガソリンや電気、新型コロナ対応にしても、企業を経由した支援がすべからく国民に届いたためしがあったでしょうか。コロナ助成金のように悪用が横行する懸念もあります。企業への助成金を労働者に直接給付した方が、よほど効果的です」(斎藤満氏)
岸田首相は先日の会見で「若い世代の所得向上のため、年収の壁を打ち壊していきます」と意気込んでいたが、出てきたのは弥縫策。もはや岸田政権そのものが、国民生活の向上に立ちはだかる“壁”じゃないか。
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