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愚策の嵐。名ばかり経済対策で39兆円をムダにした岸田クソメガネ税金泥棒政権
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2023.09.21 『きっこのメルマガ』 まぐまぐニュース
昨年10月、「物価高克服、経済再生実現のための総合経済対策」として39兆円の総合経済対策を閣議決定し、「未来に向けて経済を強くしてまいります」と高らかに宣言した岸田首相。しかし1年近くが経過した今、ほどんどの国民がその効果を感じ取ることができていないのが現状です。そんな岸田政権の政策を「39兆円をドブに捨てたも同然」と一刀両断するのは、人気ブロガーのきっこさん。きっこさんは今回「きっこのメルマガ」で、そのように判断せざるを得ない理由を詳しく解説するとともに、「税金泥棒政権」に国民が実感できる経済対策などできるはずもないと厳しく批判しています。
何をやってもこの有り様。税金泥棒政権がドブに捨てた39兆円の血税
もう息が切れそうなほど続いている値上げラッシュですが、食料品や日用品だけでなく、多くの消費者が苦しんでいるのが、電気代やガス代などの光熱費です。そして、このメルマガでも、2022年11月2日配信の第189号で詳しく取り上げましたが、岸田文雄首相は昨年10月末、「総合経済対策」を閣議決定し、「物価対策と景気対策を一体として行なう」と宣言しました。
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当事の岸田首相の説明では、「事業規模72兆円、財政支出39兆円の大型対策によって、GDPを4.6%押し上げ、消費者物価を1.2%以上引き下げる」とのことでした。しかし、約1年が経過した現在、GDPは実質で1.2%、名目でも2.7%しか伸びていません。そして、消費者物価に至っては「1.2%以上の引き下げ」どころか、シャレにならないほどの値上げラッシュが絶賛継続中です。
多くの経済学者が提言していたように、消費税を1年限定で減税していれば、どちらの目標も余裕でクリアしていた上、予算も半分で済んだのに、いかりや長介さんも草葉の陰で「ダメだこりゃ!」と嘆いていることでしょう…なんてのも織り込みつつ、この時に岸田首相が鳴り物入りで発表したのが、「電気・ガス・ガソリンの負担軽減策」で、その内容は「1家庭当たり総額4万5000円の支援をして国民の暮らしを守る」というものでした。具体的には、今年の1月から9月までの電気代とガス代を、全国すべての世帯に対して、1世帯当たり月額5000円、9カ月で計4万5000円ほど補助すると言うものでした。
しかし、その中身を細かくチェキしてみると、毎月5000円の補助の内わけは、電気代が約2100円、ガス代が約900円、ガソリン代が約2000円なのです。そして、これは、たくさん電気やガスを使っている4人世帯を基準としていたのです。そのため、あたしのような母さんとの2人暮らしとか、日本で最も多い単身世帯とかでは、補助額は大幅に低くなってしまうのです。
そして、車を持っていない世帯、持っていてもほとんど乗らない世帯は、毎月約2000円のガソリン代補助はまったく受けられません。しかし、それぞれの使用量に対して補助額が増減するというのは、ま、一応はスジが通っています。でも、あたしがどうしても納得が行かなかったのが、ガス代の補助でした。岸田首相は、ガス代の補助が受けられるのは「都市ガスだけ」と差別をしたのです。
資源エネルギー庁の公式データによると、全国の都市ガスの需要は約2900万世帯で全体の53%、プロパンガスの需要は約2500万世帯で全体の44%です。都市ガスのほうが若干多いとは言え、44%を占めるプロパンガス世帯を丸ごと無視しておきながら、岸田首相は一体どの口で「国民の暮らしを守る」などと抜かしたのでしょうか?
トリガー条項と二重課税の是正で31円も安くなるガソリン価格
ちなみに、あたしの実家は東京23区内にありますが、未だに都市ガスが整備されていないため、ずっとプロパンガスを使って来ました。そして、ここで母さんと2人暮らしをしていた時期は、過去20年に渡って、毎月のガス代はだいたい3000円前後でした。しかし、この2年間で、わが家が契約しているプロパンガス屋さんは3回も値上げをした上、使用しなくても払わなきゃならない基本料金まで2回も値上げしたため、現在は5000円前後になってしまいました。それなのに、都市ガスではないため補助はゼロです。
あたしは、少しでも電気代を節約するために、電気炊飯器は使わず、土鍋をガスに掛けてご飯を炊いています。でも、ここまでガス代が高くなってしまうと、炊飯は毎日のことなので、チリも積もればで、それなりの金額になってしまいます。そこであたしは、愛用のコールマンのツーバーナーを使い、庭先でご飯を炊くことにしました。このツーバーナーは、横に長い2口のガスコンロみたいなもので、土鍋でご飯を炊きながら、もう1つのバーナーでお味噌汁を作ったりできるスグレモノです。
もともとはホワイトガソリンが燃料でしたが、ホワイトガソリンはバカ高い上に手に入りにくいので、普通のレギュラーガソリンも使えるようにノズルを改造して、もう30年も愛用して来ました。でも、このツーバーナーでご飯を炊き始めたあたしを待っていたのが、毎月毎月のガソリンの値上げでした。岸田首相が「ガソリンの負担軽減策」を発表した昨年10月には、1リッター150円前後だったレギュラーガソリンが、今年6月から16週連続で値上がりし、先月にはとうとう185円に達してしまったのです。これじゃあ、プロパンガスを使おうがガソリンを使おうが五十歩百歩で、もはやあたしには手の打ちようがありません。
そして、このシャレにならないガソリン価格の高騰に対して、岸田首相が取った政策と言えば、「ガソリン補助金の延長」という、その場しのぎのショボすぎる愚策。これで10円ほど安くなり、170円台になると言われていますが、どうして岸田首相はトリガー条項を発動しないのでしょうか?トリガー条項とは、ガソリン価格が3カ月連続で160円を超えた際に、政府が租税特別措置法に基づきガソリン税を引き下げられる特別措置で、発動すれば1リッター当たり25円も安くなります。
さらには、現在のガソリン価格は、ガソリン自体の価格にガソリン税や石油税など複数の税金が課せられた上、そのトータルの金額に消費税が課せられると言う二重課税になっています。正確には二重課税とはちょっと違うのですが、この二重取りのイカサマを是正して、ガソリンの本体価格にだけ消費税を課すようにすれば、1リッター当たり約6円ほど安くなります。つまり、何兆円もの予算を投じなくても、トリガー条項と二重課税の是正で31円も安くなるのです。
あたしは、補助金によるガソリン価格の引き下げには反対で、あくまでも税制による引き下げを行なうべきだと思っています。それは、まったく恩恵を受けられない国民が数多くいるからです。ガソリン価格が引き下げになれば、大排気量の高級車を乗り回しているお金持ちは、毎月何千円もの恩恵を受けますが、自転車しか持っていない庶民には何の恩恵もありません。
何を期待してもムダな岸田「税金泥棒内閣」
細かいことを言えば、ガソリン価格は物流を通して商品価格に反映される場合があるので、「何の恩恵もない」とは言い切れません。でも、こういうのってエコカー減税と同じで、ものすごく不公平だと思うのです。たとえば、軽自動車や小型のEV車とかだけにエコカー減税が適用されているならまだしも、トヨタの最高級車、1台2000万円もするセンチュリーにもエコカー減税が適用されているのですよ。こんな車、庶民は誰も買えません。それなのに、あたしたち庶民から巻き上げられた税金が、こうした高級車をポンと買えるお金持ちの「割引」に使われているのです。ふ・ざ・け・ん・な!と言いたいです。
物価高騰を前提とした消費者への支援策を行なうのであれば、電気代はこうする、ガス代はこうする、ガソリン代はこうする…というような個別の対策ではダメなのです。それは、恩恵を受けられる人と受けられない人が出て来てしまうからです。政府の重要な仕事の1つとして「税の公平な再配分」がありますが、こうした支援策の原資も税金であることを踏まえれば、支援も公平でなければなりません。
そして、それには、「時限的な消費税の減税」という、もっとも効果が見込め、もっとも余計な予算が掛からず、もっとも消費者が実感できる完璧な政策があるのです。累進課税の減税は、貧困家庭から富裕層まで公平に恩恵を受けることができるだけでなく、消費者の購買意欲も刺激します。たとえば、時限的に1年間だけ消費税を10%から5%に引き下げれば、買うことをためらっていた高価な商品も次々と売れて行き、景気自体が上向きになります。
岸田首相は、39兆円もの莫大な予算を投じた「総合経済対策」で、GDPの成長にも消費者物価の引き下げにも失敗し、何の結果も出せませんでした。しかし、1年間だけ消費税を5%に引き下げるという時限的減税政策なら、その4分の1の予算、10兆円で大きな結果を出すことができたのです。
でも、赤ちゃんの紙オムツから女性の生理用品まで、贅沢品と同じ税率の消費税を課している「税金泥棒政権」ですから、消費税の引き下げなど議題にも上げないでしょう。それに、自民党の国会議員の多くが、国民から徴収した税金を「自分たちの海外旅行の費用」くらいにしか思っていないのですから、今の政権に国民が実感できる経済対策など、逆立ちしても無理でしょうね。
(『きっこのメルマガ』2023年9月20日号より一部抜粋・文中敬称略)
image by: 首相官邸
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