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加藤鮎子こども政策相が実母に政治資金900万円を還流…新閣僚に早くも“政治とカネ”が噴出
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/329178
2023/09/15 日刊ゲンダイ
加藤鮎子こども政策相は岸田政権女性登用の目玉で「看板政策」を担当するが…(C)共同通信社
「政治とカネ」の問題はドリル優子だけじゃなかった。不正が発覚したのは、女性登用の目玉として当選3回、副大臣も未経験で抜擢された加藤鮎子こども政策担当相(44=山形3区)。日刊ゲンダイの調べで政治資金の還流が明らかになった。岸田政権の看板政策「異次元の少子化対策」を担う上で、2児の母親としての経験が期待される最年少の新大臣が、早くも正念場だ。
■違法なパー券購入が発覚
加藤氏が代表を務める資金管理団体「加藤鮎子地域政策研究会」の政治資金収支報告書(2019〜21年分)をチェックすると、2つの問題が浮上した。1つは違法な資金受領だ。研究会は21年10月1日付でパーティー券収入として、加藤氏の関連政治団体「鮎友会」から250万円を受け取っている。鮎友会の収支報告書にも、同じ日付で研究会に同額を支出したと記されている。
政治資金規正法は、一度のパーティーで同一の個人・団体から150万円超の対価を受けることを禁じている。250万円のパー券収入は明らかな規正法違反だ。この問題を巡って、神戸学院大の上脇博之教授は13日朝、加藤氏が違法なパー券収入を得たとして、山形地検に告発状を送付した。
■「家賃」名目で月15万円
もう1つの問題は、親族への政治資金の還流だ。研究会は毎年、「家賃」名目で月15万円を「加藤愛子」に支出。愛子氏は加藤氏の母親だ。
収支報告書に記載された愛子氏の住所は、山形県鶴岡市内の加藤氏の地元事務所と全く同じ。事務所が入る建物は加藤氏の祖父・精三元衆院議員の名を冠した「精三会館」という施設である。登記簿によると、建物の所有者は加藤氏の父・紘一自民党元幹事長が死去後、17年に紘一氏から愛子氏に代わっている。つまり、会館は加藤家が代々引き継いできた建物であり、加藤氏は研究会の政治資金を家賃名目で実母に還流していることになる。金額は確認できる17年以降、5年間で計900万円にも上る。
さらに、この家賃拠出は、実母への事実上の寄付に当たる可能性もある。月15万円の家賃は周辺相場と比べて高額で、標準的な家賃との差額分が実母への寄付になっていてもおかしくないのだ。
「JR鶴岡駅から徒歩圏内で、面積が100平方メートル程度の大規模な事務所でも家賃は10万円をちょっと超える程度。50〜60平方メートル程度の中小規模の事務所なら6万〜9万円くらいです。市内全域でも10万円を大幅に超える物件はそんなにない」(鶴岡市の不動産業関係者)
加藤の事務所は鶴岡駅から徒歩で30分、バスでも10分超と好立地とは言いがたい。ちなみに、会館は地上2階建て、延べ床面積は390平方メートル。15万円の家賃は妥当なのか。
加藤事務所は「問題なし」と言い切る
父は大物代議士、故・加藤紘一元自民党幹事長。左が母の愛子夫人(C)共同通信社
加藤事務所に問い合わせると、パー券収入については〈本来寄付として処理すべきでした〉とし、収支報告書を訂正すると答えた。実母への家賃に関しては〈不動産事業関係者へ周辺相場の調査確認を踏まえ、適切な金額〉〈(母とは)同一生計ではなく、所有者の加藤愛子は固定資産税など公租公課を毎年負担している〉と回答。「問題なし」と言い切った。
親族への政治資金還流といえば、昨年秋にも大炎上した。寺田稔元総務相と秋葉賢也元復興相の関連政治団体が、事務所が入居する建物の所有者である親族に家賃名目で政治資金を支出。野党から「ファミリービジネスだ」と猛批判を浴び、最終的に2人とも辞任に追い込まれた。この大騒動があったのに「問題なし」と言い張る加藤氏の感覚には呆れるしかない。
「周辺相場より高い家賃を支出していながら、差額の寄付分を収支報告書に記載していなければ、規正法違反の虚偽記載や不記載に当たる恐れがあります。家賃が適正な水準だったとしても、家族への政治資金拠出は公私混同と捉えられかねず、市民感覚から大きくズレている。家賃を支払うのではなく、母親から事務所の無償提供を受けた形で処理すべきでしょう」(上脇博之教授)
岸田首相は女性の頭数を揃えるのに必死で、「身体検査」を怠っていたとしか思えない。
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