http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/748.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2023年9月14日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
我が身のことだけ…(自民党新役員らと記念撮影する岸田首相=中央)/(C)日刊ゲンダイ
第2次岸田再改造内閣が13日、発足した。政権運営の要となる松野官房長官や鈴木財務相は留任した一方、上川元法相が外相に就任するなど、過去最多に並ぶ女性5人が入閣した。
閣僚19人のうち、初入閣したのは、鈴木総務相、盛山文科相、宮下農相、伊藤環境相、土屋復興相、加藤こども政策担当相、自見地方創生担当相ら11人。西村経産相、河野デジタル相、高市経済安保相は続投し、公明党の斉藤国交相も留任した。
内閣改造に先立ち、同日午前、自民党は岸田首相(党総裁)も出席した臨時総務会を党本部で開催。麻生副総裁、茂木幹事長、萩生田政調会長の続投や、小渕組織運動本部長が選対委員長、森山選対委員長を総務会長とする新たな人事を決めた。
「わが国は内外とも大きな課題を抱え、正念場にある。党と政府が一丸となってこの難局を打開し、未来を切り開いていきたい」
改造人事をめぐり、岸田は臨時総務会でこう訴え、茂木も会見で、「まずは物価高から国民生活を守り、賃上げや投資拡大の流れを力強いものとするための経済対策の策定に全力を挙げたい」などと強調。そろって政権浮揚に向けて刷新感を懸命にアピールしていたが、多くの国民から見れば「改造」という名の世論操作、茶番劇としか映っていないのではないか。
改造内閣「全く期待しない」はネットで9割
実際、大手検索サイト「Yahoo!ジャパン」の「みんなの意見」に提示されている<あなたは第2次岸田再改造内閣にどれくらい期待しますか?>(投票は26日まで)の回答を見ると、13日午後6時半時点(回答数約3.5万)で、<とても期待する>は、わずか1.2%。<全く期待しない>は90.6%にも達していたから、これが国民の総意ではないのか。
岸田は改造前に「適材適所の人事」と繰り返していたが、そもそも首相自身が「適材」でも「適所」でもない男なのだから人選に期待できるハズもない。
大体、今回の改造人事は、来年秋の総裁再選を最大の目標とした布陣と報じられている。13日、自身の関連政治団体を巡る政治資金問題について記者から突っ込まれ、「心に反省を持ち、決して忘れることのない傷として歩みを進めたい」などと“涙の会見”を開いた小渕だって、岸田が起用にあたって特別な思いがあったわけじゃない。
一部報道によると、小渕起用には最大派閥の安倍派に強い影響力を持つ森元首相の意向があったとされるほか、「ポスト岸田」への野心をちらつかせる茂木と同じ党4役に小渕を充てることで、茂木の動きを牽制する効果も期待した、という。
つまり、日本の内政、外交のためにベストな布陣は何かという視点ではなく、自分にとって何が得策なのかということしか考えていないわけで、多くの国民はそんな岸田の薄汚い思惑を分かっているに違いない。
政治評論家の小林吉弥氏がこう言う。
「改造人事の顔ぶれを見ても、岸田政権は何がしたいのか、どんな政治がしたいのかがサッパリ分からない。町のラーメン店だって、これがお薦めというメニューぐらいあるでしょう。しかし、そういう姿勢が全く見えない。党内融和を重視したというよりも、とにかく総裁選で再選することだけを考えた人選という方が的確ではないか」
国民愚弄の政権が続く悪夢
目玉なし、党内事情だけを優先させた保身のための内向き改造などと書かれている人事の“謎”はまだある。自身の派閥・岸田派出身である林外相を切ったことだ。
外交は継続性が重要だ。とりわけ今は、日米関係に加え、ウクライナ侵攻で孤立を深めるロシアや、東京電力福島第1原発からの処理水海洋放出をめぐって反発を強める中国との関係など課題が山積している。このため、改造人事前から林続投は既定路線とみられていたのだが、岸田はなぜか幹事長代理だった上川(岸田派)との交代を決めたのだ。
これまで法相に3回就任するなど、林と同様に安定感があるとはいえ、この局面で外交経験に乏しい上川をなぜ外相に抜擢したのか。それでいて、「相当、隙間風が吹いている」と評され、交代論が根強かった茂木は幹事長続投だからワケが分からないだろう。
岸田は会見で「党内における有能な人材にも、それぞれ力を発揮してもらう」とはぐらかしていたが、ある政治部記者は今回の外相人事について、「狙いは2つあるだろう」と言い、こう続ける。
「自身の派閥のテコ入れとの見方もあるようだが、考えられるのは、林さんにこれ以上、注目が集まるのを避けたかったこと。林さんを“親中派”とみている一部の保守系に配慮したのではないかということです。いずれにしても続投させた場合、自身の総裁選に影響が出ると考えたのではないか。一方、上川さんは語学堪能で、米上院議員の政策スタッフを務めた経験もある。米国を重視する岸田政権としては対米関係を深めるため、諸外国に女性外相をアピールする狙いもあるとみられます」
表面を変えても国民生活を考えない中身は同じ
まっ、やっぱり利己的な思惑たっぷりの人事だったわけで、茂木を続投させたのも、総裁選を意識した「総主流派」の体制づくりのためだろう。おそらく茂木も茂木で、留任を固辞しなかったのは岸田と同じで権力の中枢にいたいから。2人の共通項は、ひたすら権力亡者の仲間なしということだ。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、今回の人事について「国民不在の権力争い」とバッサリだ。
「すべてが総裁選のため。各派閥の推薦人事を丸のみしただけで、何ら新味もない。内向きの論理で動いているとしか見えません。日本社会が抱える課題に対し、政権としてどう取り組むのか。まったく考えていないのではないか」
しょせんは表面を変えたところで、国民生活をちっとも考えないという腐った中身は何も変わらない。それなのに大新聞、テレビは大はしゃぎで改造人事を報じているのだから、クラクラする。
あらためて、こんな内閣が軍拡を推し進め、中国とのパイプもなく、保身のためにますます米国にすり寄るのだから恐怖だろう。この改造も国の転機になるかもしれない。
今からうんざりするのは、国会や会見で、聞くふりをしながら「丁寧な説明」を繰り返す岸田の姿をまた見せつけられることだ。良識ある国民は分かっているが、岸田が言う「丁寧」の意味は、相手と対話を深めて内容を理解してもらったり、納得してもらったりすることじゃない。自分が好き勝手に決めた「結論」を連呼し、押し付け、相手が根負けするのをひたすら待ち続けることだ。
あの国民愚弄の光景が今後も続くのかと思うと悪夢だし、今から絶望的な気分になる。いい加減、国民も刮目するべきだ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK291掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK291掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。