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口先介入は無意味…国力低下を招いた神田財務官に円安解消は無理だ 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/328986
2023/09/12 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
日本の国力低下からくる円安の原因もつくった(財務省の神田真人財務官)/(C)共同通信社
円安進行が止まらない。
一時「1ドル=147円」を超える水準で、財務省の神田財務官は「あらゆる選択肢を排除せずに適切に対応していく」と口先介入しているが、歯止めはきいていない。いまや円安はガソリン価格高騰の主因になっている。値上がり分の8割が円安によるもの、という試算もあるほどだ。
一刻も早く円安進行を食い止めるべきだが、口先介入は、明らかに投機筋に足元を見られている。神田財務官は既に失敗しているからだ。
政府は昨年9月に1ドル=145円をつけた段階でドル売り円買い介入に踏み切った。2カ月間で計約9兆円の円買い介入を行ったが、結局、1年経って「元の木阿弥」となった。すでに、昨年9月時点の円安水準を超えているが、簡単には介入に踏み切れない。
円を買ってドルを売る円高誘導は、外国為替資金特別会計の外貨準備を取り崩すしかなく、介入額に限界がある。そのため、欧米諸国と協調介入する必要があるが、それは望めない。欧米諸国にとって自国通貨安を招く介入に踏み切れば、輸入物価が上昇してしまうからだ。
財務省に残された手は単独の大規模介入しかないわけだが、中途半端な介入では、また「元の木阿弥」だ。
問題はそれだけではない。政府は物価上昇は一時的で、円安もじきに落ち着くという誤った認識に基づき、2022、23年度の外為特会の剰余金から3兆円超を防衛費倍増の財源に組み入れる予定にしていた。それが為替介入を実施する余地をさらに狭めている。
そもそも、神田氏に任せていること自体が間違いだ。彼は小泉政権下の04年の国立大学法人化以降、「大学は稼げ」と言わんばかりの新自由主義政策の先兵として、国立大学の運営費交付金カットを進めてきた。その結果、日本の大学は弱り、科学技術は衰退。そして、現下の産業衰退がもたらされたのだ。日本の国力低下からくる円安の原因も、彼の失政である。
なすすべなく円安を放置しただただガソリン補助金を石油元売りにつぎ込む政策も筋違いだ。トリガー条項の凍結解除と石油元売りへの超過利潤課税が必要だ。このまま補助金を出し続ければ、「倍増」させる防衛費に回す財源が逼迫する。エネルギー補助金は「予備費」から積んだ基金から出ているが、それを廃止して「歳出改革」で防衛費を捻出する予定にしていたからだ。
結局、最終的に赤字国債に頼ることになりかねない。そして日銀が金融緩和で赤字国債を買い支えざるを得ない。それがまた円安を招き、輸入物価を上昇させる悪循環を生む。岸田政権の政策は全面的に手詰まり状態である。
金子勝 淑徳大客員教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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