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※紙面抜粋
※2023年9月9日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
(左から)エッフェル姉さん、ブライダルまさこ、ドリル優子こと、松川るい、森まさこ、小渕優子議員(C)日刊ゲンダイ
内閣改造と自民党役員人事が来週13日に行われる見通しとなった。首脳会議出席のためインドネシアとインドに外遊中の岸田首相が複数の与党幹部に伝えたという。公明党の山口代表は8日、岸田から電話があり「13日に内閣改造を行えるよう準備を重ねている」と伝えられたと明かした。
わざわざインドから国際電話とは、外交そっちのけで、岸田のアタマの中は人事のことでいっぱいなのだろう。
「骨格は維持」するとして茂木幹事長や麻生副総裁の留任が既に報じられる中、岸田は刷新感アピールのため、目玉となる女性閣僚の登用や人数にこだわっているとされる。
日本の政治分野の男女格差は世界最低水準にあり、世界経済フォーラムが今年6月に公表した「ジェンダーギャップ報告」では146カ国中、138位だった。閣僚や議員の女性割合の少なさが足を引っ張った。
現状、女性閣僚は永岡桂子文科相と高市早苗経済安保担当相の2人だけ。政府が目標に掲げる「指導的地位に占める女性割合を2020年代の可能な限り早期に30%程度」にあてはめれば、19人枠の閣僚に女性は5〜6人いてもいい。
だが、閣僚候補に取りざたされる名前やニュースを賑わす女性は、「エッフェル姉さん」「ブライダルまさこ」「ドリル優子」などろくでもない議員ばかりなのだ。
「とりあえず女性」が透けて見える
自民党女性局のフランス研修でエッフェル塔の前でポーズを取る写真などをSNSに投稿し、大炎上した松川るい参院議員は、東大法学部を卒業後に外務省入りした才媛で、初入閣の噂もあった。しかし、地元から総スカンを食らい、女性局長も辞任させられた。エッフェル騒動の他の女性たちも、今井絵理子と広瀬めぐみの両参院議員など逃げるばかりで評判最悪だ。
首相補佐官の森まさこ参院議員は、ブライダル業界から献金をもらうなど親密な関係にある中で、ブライダル補助金をプッシュしていたことが問題になった。職場である首相官邸に長女とその友人一行を招いていたことも“公私混同”と批判された。
そして、小渕優子元経産相だ。今年6月に逝去した元「参院のドン」青木幹雄・自民党参院議員会長の“遺言”もあり、森喜朗元首相が小渕を幹事長などの要職に起用するよう岸田に猛アタックしているが、「政治とカネ」の問題が蒸し返されるのは間違いない。東京地検の家宅捜索前にハードディスクを電動ドリルで破壊した悪質さを有権者は忘れていない。
そういえば、現職閣僚の高市も、放送法の政治的公平をめぐる総務省の行政文書を「捏造」と言い放った一件で、説明があやふやなままだ。
女性閣僚の割合はもっと増やすべきなのだが、具体的に誰なのかとなると、「地味だけど安定感があるのは上川陽子元法相」(自民ベテラン議員)となってしまう。自民党の女性議員のもともとの資質に難があるのか、それとも自民党という組織が腐らせているのか。そもそも、刷新感イコール女性、という発想もいかがなものか。
元サンデー毎日編集長の山田道子氏はこう言う。
「自民党の閣僚人事には、『とりあえずこのご時世だから女性をいれておかなければいけない』『とにかく女性を登用しておくから、それでいいだろう』という意識が透けて見える。それに、女性閣僚に対しては刷新感や能力を求めるのに、男性閣僚は当選回数やどこの派閥に所属しているのかが判断材料になっている。そうしたダブルスタンダードも疑問です」
社会の意識改革も育てる努力もせず、人材枯渇
自民党に女性を本気で積極的に登用する気があるとはとても思えない。
安倍政権時に「女性活躍」を華々しく掲げたが、その主目的は経済政策だった。少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少していく中で、女性にどんどん外に働きに出てもらって、労働力を補おうということだ。女性を「眠れる資源」「含み資産」と捉える観点から、女性の活用が経済成長に不可欠と考えたからで、パートなどの非正規雇用にも社会保険の財源の担い手になってもらおうという計算もあった。
だから、本来、同時進行で推進すべき女性に対する社会の意識改革は後回し。それどころか、選択的夫婦別姓に反対する自民党は、本音では女性の活躍を阻止しようとしているように見える。前述した「指導的地位に占める女性割合を2020年代の可能な限り早期に30%程度」という政府目標は、当初の期限は「2020年まで」だったのに達成できず、「2020年代の可能な限り早期に」という曖昧な表現に改められたものだ。
そんな自民党だから、女性議員に対しても“客寄せパンダ”か“花を添える”ぐらいにしか考えていないのではないか。政党に男女同数の候補者擁立を促す「政治分野の男女共同参画推進法」が2018年に制定されたが、自民党がマトモに努力した形跡はない。現状、自民党の全国会議員に占める女性比率は約11%で主要政党の中で最低だ。
自民党は今年6月に党改革として、「今後10年間で党所属国会議員の女性割合を30%に引き上げる」という目標を打ち出したが、これだって東京など都市部を中心に女性首長が次々誕生したり、女性地方議員が増えたりしたため、解散総選挙を睨み、焦ったことが背景にある。政治ジャーナリストの泉宏氏はこう言う。
「自民党には女性議員を育てるという方針が、過去にもなかったし、今もありません。その結果、閣僚として登用できる女性は限られ、初入閣の女性は減る一方。今度の内閣改造で、女性を何人も入れて刷新感を出すと言ったって、対象者がいない。結局、上川元法相の再入閣や、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求の手続きが継続中の永岡文科相の留任ぐらいじゃないですか。あとはあるとすれば野田聖子前少子化担当相の再入閣か。女性活躍なんて絵空事。自民党が努力してこなかったから、人材が枯渇した。次の選挙でどれだけ女性候補を立てられるか。現職と差し替えてでも、大胆に女性候補を増やせるかどうかでしょう」
1強政治で膿がたまり、よどんだ
とどのつまりは、「おっさん政治」が招く停滞だ。
ドリル優子が「将来の首相候補」と持ち上げられるのは、首相在任中に倒れ無念の死を遂げた小渕恵三元首相の娘であり、小渕政権の官房長官を務めた青木や、後継首相となった森ら長老にかわいがられてきたからだろう。自民党は、80代の麻生や二階元幹事長が相変わらず権勢を振るい、内閣改造と言っても、変わらぬ顔ぶればかりだ。
岸田が留任させると予想されているのは、茂木と麻生に限らない。最大派閥の安倍派への配慮から、萩生田政調会長、西村経産相、松野官房長官も続投を含めた要職での起用が取りざたされている。「週刊文春」が妻の元夫の不審死事件を報じて以来、公務に支障をきたしているとされ、記者会見などで自ら説明することもない木原官房副長官までもが続投すると言われているのだから、ア然とするしかない。
1強多弱にあぐらをかく政治が10年以上続き、自民党内に膿がたまり、よどんだ。おととい、政府の洋上風力発電をめぐる汚職事件で、自民党を離党した秋本真利衆院議員が東京地検特捜部に逮捕された。
12年12月発足の第2次安倍政権以降、特捜部に立件された国会議員は、元職の在宅起訴や略式起訴を含めると8人。1人は公明党、残り7人は自民党である。
「自民党の実力者たちの意識改革が急務です」(泉宏氏=前出)
このままでは、代わり映えのない自民党政治が続き、有権者の暗澹も続いていくだけである。
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