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今や絶対的な権力性「多様性」というマジックワードの本質は何か 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/328625
2023/09/05 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
関東大震災から100年となり、東京都慰霊堂で営まれた大法要=東京・墨田区(C)共同通信社
東京都の小池百合子知事は、今年も関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典に追悼文を送付しなかった。就任翌年の2017年以来、これで7年連続になる。
同じ1日に墨田区の横網町公園で営まれた慰霊大法要には、追悼の辞を寄せた。記者会見では例年同様、「犠牲となったすべての方に対し慰霊する気持ちを改めて表す」と話したそうだが、要は死者をひとくくりにすることで、虐殺の史実まで“なかったこと”のように印象付ける、卑劣きわまりない手口である。
2022年「パートナーシップ制度」を制定
では小池氏はいついかなる場合も差別主義者かというと、そうも言い切れない。たとえば昨年10月に東京都が創設した、同性カップルのための「パートナーシップ制度」だ。性的少数者をめぐる議論にその後、多大な波及効果をもたらしたが、これなど彼女が早くから“差別”の解消を掲げていた結果だった。
虐殺された朝鮮人と、法律上の夫婦同様の公的支援を求める同性カップル。いずれも「差別」のありようが焦点となるテーマだが、それぞれに対する小池氏の態度は正反対だ。
私はそこで考え込んでしまう。小池氏の内面はおいておく。どうせ支持基盤だの米国だのへのおもねり、みたいな話だろう。
私の関心はそこにはなく、小池氏が図らずも体現した、いわゆる「多様性」という、今や絶対的な権力性を帯びたマジックワードの本質にある。
男女二元論は間違いだ、性は連続する諧調(グラデーション)として捉え直されるべきものだという発想が広まって久しい。かくて「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)」なる用語が浸透するにつれ、対立する主張の「多様性」は許されないという奇天烈な風潮が、いつの間にか定着してしまったといわれる。
その通りだが、同じことはあらゆる「多様性」に当てはまると、私は思う。なるほど現代においては、多様な個や属性の存在が認められ始めはした。ただし属性ごとに払われるべき「尊重」の軽重が、あまりにも恣意的に決定されてしまうようになっているのではないか。
その際の尺度は、欧米系グローバル・ビジネスのロジックだ。近年の彼らが追求してやまないダイバーシティーマネジメントやダイバーシティーマーケティングとの親和性が高いかどうかで、政治や行政の態度も変わってくる、というね。
いずれ精緻かつ簡潔に論じるつもりでいる。
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
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