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※紙面抜粋
※2023年9月5日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
上がり目なし(岸田首相)/(C)JMPA
大手メディアは無視していたが、さすがに自民党議員は、あの選挙結果に異変を感じたのではないか。3日に投開票された岩手県知事選は、驚きの結果だった。自民党が擁立した女性候補が、野党が支援した現職に瞬殺されたからだ。
岩手県知事選は、野党が支援した達増拓也知事(59)と、自民党が擁立した県議出身の千葉絢子氏(45)との一騎打ちだった。地元民放のアナウンサーだった千葉候補は、知名度もあり、自民党は「勝てる」と自信を持っていた。5選目だった達増知事には「多選批判」もあった。
ところが、フタを開けると「達増33万票」VS「千葉23万票」と、自民党はまさかの大敗。投票箱が閉まった夜8時にNHKが当確を出す「ゼロ打ち」に沈んでしまった。自民党候補が「ゼロ打ち」に沈むのは異例のことだ。
さらに自民党は3日、東京・立川市長選でも、野党候補に敗北している。立川市で非自民市長が誕生するのは、半世紀ぶりのことだ。
すでに岸田内閣の支持率は26%と危険水準に沈んでいるが、この2つの選挙結果は、有権者は選挙でも「岸田ノー」の意思表示をしはじめたということなのではないか。
実際、ネット上には<立憲などは支持してないが、自公推薦が負けたことは良かったと思う。いまの政権は酷すぎるからな>などと、岸田政治に対する不満と怨嗟の声が投稿されている。
岩手県知事選では、無党派の6割、自民党支持層の4割が、野党候補に投票したという。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「岩手と立川、それぞれ選挙区事情はあったと思います。ただ、岸田政治に対する国民の不満が選挙結果に表れたのは間違いない。もし、岸田政権が国民に支持されていたら、岩手県知事選で瞬殺されたりしないでしょう。岩手では、自民党はあの小沢一郎を選挙区で倒し、参院選でも勝利していますからね」
内閣改造は不発必至
岩手県知事選と立川市長選の結果は、岸田政権の行く末を暗示しているのではないか。実際、支持率低迷の打開策がなく、いずれ行き詰まる可能性が高い。
岸田首相は9月中旬にも着手する内閣改造・党役員人事で刷新感を演出し、支持率アップを狙っているようだが、「目玉」が見当たらず、不発に終わる確率が高まっている。
週刊誌「FLASH」(9月19日号)によると、自民党内には「“泥船”には乗りたくない」という空気が広がりつつあるという。幹事長就任が囁かれる小渕優子元経産相は、過去の政治資金問題を蒸し返されることを懸念して腰が引け、“客寄せパンダ”の小泉進次郎元環境相も入閣に乗り気ではないそうだ。
国民が苦しむ物価高も打つ手なしだ。
むしろ、これから物価高は加速するとみられている。帝国データバンクによると、9月に値上げされる飲食料品は2067品目に上るという。今年1〜9月の値上げは2万6490品目となり、すでに昨年1年分を超えてしまった。インフレによって実質賃金は15カ月連続で前年割れしている。無策の岸田政権への批判が強まるのは間違いない。
「総理ご自慢の『岸田外交』も完全に行き詰まっています。福島第1原発の処理水を海洋放出したことで、中国の怒りを買った。水産物輸入の全面禁止を突きつけられ、政府は『全く想定していなかった』と大慌てですから、お粗末すぎます」(霞が関関係者)
その結果、期待されていた中国からのインバウンドは消失。水産物を輸出できなくなった国内の漁業者も窮地だ。岸田は、中国との間を取り持ってもらうために、もともと訪中を計画していた“政敵”の二階元幹事長にまで、改めて訪中をお願いしたが、その訪中も暗礁に乗り上げている。恥の上塗りである。
この先、支持率を上昇させる好材料が、どこにも見当たらないのだ。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「もはや、外交は支持率アップの切り札にはならないでしょう。3月のウクライナ電撃訪問と、5月の広島サミットの実施で、岸田政権は支持率をV字回復させた成功体験があるのでしょうが、今後、外交による政権浮揚は難しいと思う。実際、キャンプデービッドで行われた8月の日米韓の首脳会談は、支持率上昇にはつながらなかった。内政も難問が山積している。この状況では、一部で囁かれる年内解散などとても無理でしょう」
総選挙「無風」信じる能天気
政権運営に行き詰まりはじめた岸田政権には、「12月総辞職」などという言葉も飛んでいる。しかし、それもこれも自業自得だ。やることなすこと失政の連続だからだ。
この政権の最大の問題は、政策に失敗すると、なんでもかんでも国民の「税金」で尻拭いしていることだ。ガソリン価格の高騰を抑制するために「補助金」という税金を投入し、原発「汚染水」の海洋放出によって被害を被る漁業関係者を補償するためにも税金を使っている。場当たりもいいところだ。
その一方、10月からは中小零細企業を苦しめる「インボイス制度」を強行するつもりだ。
これでは支持率が低迷するのも当然だろう。
度し難いのは、それでも岸田本人は、この状況にさほど危機感を持っていないことだ。「政局」に絶対の自信を持っている岸田は「いま俺を降ろせるヤツはいない」と確信しているという。
「岸田首相は、このまま解散を打てなくても、来年秋の自民党総裁選は『無風再選』されると計算しているといいます。たしかに、党内には衆目が一致する『ポスト岸田』がいない。前回、総裁選で戦った河野太郎と高市早苗は、総裁選レースから脱落してしまった。世論調査で『総理になって欲しい議員』ナンバーワンの石破茂は、内閣改造人事で抱き込むつもりです。なにより、党内最大派閥の安倍派は、派内がバラバラとなり、幹部の世耕弘成は、いまから『安倍派は岸田支持だ』と公言する始末です」(自民党関係者)
支持率が下落しても自信を失わない岸田は、政界では「とにかく明るい岸田」と揶揄されているらしい。しかし、どう考えても、この先、岸田政権には上がり目がない。民意ともどんどん乖離している。
「汚染水の放出にしろ、マイナ保険証のゴリ押しにしろ、岸田首相が国民の声を無視しているのは、自分を引きずり降ろす勢力は不在だと考えているからでしょう。岸田首相は党内しか見ていないということです。しかし、その分、国民の怒りのマグマはたまっていく。いずれ必ず、選挙は行われます。岩手県知事選のポイントは、野党が候補を一本化すれば、自民党に勝てるということです」(五十嵐仁氏=前出)
10月には衆参の補欠選挙と宮城県議選、11月には福島県議選が行われる。国民は一つ一つの選挙で、思い知らせるしかない。あらゆる選挙で敗北したら、さすがに自民党内も「岸田降ろし」に動きはじめるのではないか。
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