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※紙面抜粋
※2023年9月1日 日刊ゲンダイ
※文字起こし
異次元緩和、円安放置、税金補填の場当たり政策(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
バカにするな。これで国民が拍手喝采するとでも思っているのか。
本来9月末に終えるはずだった、ガソリン価格を抑制する補助金制度について、岸田政権は、年末まで制度を延長したうえで、9月以降は規模を拡充すると決定した。
ガソリン価格の抑制制度は、昨年1月にはじまり、すでに4回延長している。石油の元売り会社を補助金支援することで、小売価格を抑制する仕組みである。今回の延長で2年間もつづくことになる。
現在、ガソリン価格の全国平均価格は、1リットル当たり185円60銭と過去最高値まで上昇。岸田政権は、補助を手厚くすることで「10月中には175円の水準を実現したい」としている。
制度の延長を表明した岸田首相は「国民生活を守ることが政治の大きな責任だ」などと、さも国民生活を考えたかのような口ぶりだったが、大嘘もいいところだ。支持率下落が止まらず、慌てて制度の延長を表明したのはミエミエである。すべては、私利私欲、政権維持のためだ。自民党からもせっつかれていた。
しかし、一体いつまで、こんな場当たりな弥縫策をつづけるつもりなのか。断っておくが、ガソリン補助金だって原資は国民の税金である。政府は6兆円の予算を用意し、すでに3兆円を費やしているが、この調子では税金投入は果てしなく膨らんでしまうだろう。
そもそも、岸田政権がまともに対応していれば、ここまで補助金をブチ込む必要もなかったはずである。ガソリン価格高騰の原因は「円安」だからだ。2022年当初からのガソリン価格上昇分の8割は、円安が要因である。日銀が異次元の「金融緩和策」をやめれば、円安に歯止めがかかり、ガソリン価格も下がるということだ。逆に、日銀が緩和策をつづける限り、そう簡単にはガソリン価格も下がらないだろう。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「岸田首相のやり方は、『円安』という病気を治そうとせず、『補助金』という痛み止めを打ちつづけているようなものです。とうとう円安は、1ドル=147円まで進んでしまった。輸入物価が上がるのは当たり前です。なぜ、岸田首相は円安を放置しているのか。大企業が儲かるからです。納得がいかないのは、庶民を苦しめるガソリンの高騰を抑えるために、大企業である石油元売り会社に税金を投入していることです。苦しむ国民を救うために、国民の税金を大企業に入れる。これって、おかしいと思う。それにクルマを持てない低所得者には恩恵がない。よくも岸田首相は、国民生活を守ることが政治の責任、などと口にできたものです」
たとえガソリン価格が下がったとしても、賢い国民は絶対に騙されない。
万博の遅れを放置した理解不能
ガソリン補助金だけじゃない。岸田政権は一事が万事、この調子。場当たりの連続だ。海外パビリオンの建設準備が遅れに遅れ、尻に火がついている大阪・関西万博を巡っても、テンヤワンヤの大慌てである。
岸田政権は31日、官邸で大阪万博に関する関係者会合を開催。岸田は「万博の成功に向けて関係者一丸となって準備を進めたい」と息まいていたが、何を今さらだ。
本番まで2年を切った大阪万博の開催危機は、今に始まった話じゃない。日本建設業連合会の宮本洋一会長(清水建設会長)は、2カ月も前の会見で「建設が間に合うのか」「非常に心配している」と警鐘を鳴らしていた。なのに、今さら大慌てしているのだからどうしようもない。
苦肉の策でひねり出したのが、海外パビリオンをプレハブの建て売りにするというチンケな案だ。海外パビリオンは万博の華だ。その華が“掘っ立て小屋”では、過去最低のショボい博覧会になり、世界中に恥をさらすことになるのではないか。建築エコノミストの森山高至氏はこう言う。
「政府は今になって慌てていますが、パビリオン建設が行き詰まることは、事前に予測できたはずです。建設業界では、10年近く前から将来的な人手不足が不安視されていた。なのに政府は、事情を把握できていなかったのでしょうか。約1年前に開かれた万博関連の省庁間会議の議事録を読んだところ、パビリオン建設について議論されておらず、全く緊迫感がなかった。それでなくても、大阪万博はこれといった目玉がないのに、このまま強行すればショボい内容になるのは必至です」
なぜ、今まで万博建設の遅れを放置していたのか理解不能だ。このままではコスト膨張も避けられそうにない。
「プレハブにするといっても、建物の機能性を落とすわけにはいきませんから、コスト減にはつながらないでしょう。万博協会は、会場建設費を1850億円としていますが、最終的に3000億円程度に拡大する恐れがある。会場建設費は国が3分の1を負担することになっていますから、国民負担は増える可能性があります」(森山高至氏)
大阪万博の尻拭いも税金で行うことになりそうだ。
処理水も「カネ」で解決
ガソリン補助金も大阪万博も、結局、税金投入によるゴマカシでしかない。
いずれ、そのシワ寄せが国民にはね返ってくるのは間違いない。税金投入の先に待っているのは「増税」である。
岸田政権は早速、10月から消費税の納付義務を免除されている中小零細企業から税を徴収する「インボイス制度」を開始する。この制度で、政府の税収増は、年間1兆円ともいわれているから凄まじい大増税だ。退職金控除の縮小をはじめとした「サラリーマン増税」も進めてくる恐れがある。
岸田は「国民生活を守る」などと語っているが、こんな場当たりの税金投入は、最後、国民を苦しめるだけだ。
そもそも、岸田本人に国民に寄り添う気持ちがあるのかどうか怪しいものだ。それは、福島第1原発にたまり続ける処理水の海洋放出を巡る態度に表れている。
岸田は8月20日に福島原発を視察したのに、地元漁業関係者の声も聞かずにさっさと帰宅。翌21日に全国漁業協同組合連合会の会長らとアリバイ的に官邸で面会し、22日には関係閣僚会議でサクッと24日の海洋放出を決めてしまった。
しかも、処理水問題も、税金でカタをつけるつもりでいる。岸田政権は、風評被害による水産物買い控え対策として、漁業者向けに計800億円の基金の創設を決定。さらに、基金の拡充や新たな基金創設も検討している。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「処理水放出については、自民党政権が『関係者の理解なしにはいかなる処分もしない』と約束したのに、岸田首相はロクに関係者の話も聞かず放出を決めてしまった。岸田首相は常々『丁寧な説明』と口にしますが、一体いつ説明したというのか。国民は政府の言うことを何でも聞くとでも思っているのではないか」
場当たりの税金投入を繰り返す放漫経営政治を、国民はいつまでも黙認していてはダメだ。
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