http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/584.html
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http://japan.hani.co.kr/arti/politics/47279.html
ほぼ一月前、7月12日の記事だが、多少古くても中身は極めて新鮮だ。
まさに今が旬の記事。
「・・・汚染水の放出が安全だというためには、それに含まれた放射性核種を除去するALPSの性能を評価した根拠をもって話さなければならない・・・」
韓国政府「IAEA、2020年に検証報告書を出した」というが
東京電力とテレビ会議だけで作成した報告書
「ALPS検証」は当時のレビューミッションの範囲でもない。
という文章で始まる、「IAEAが、汚染水をろ過するALPSの性能検証を一度もしていなかった」ことを暴いたハンギョレの記事。
長い文章が苦手な人のために、結論を先に書いておくのがいいかと思う。
韓国政府「IAEA、2020年に検証報告書を出した」というが
その1年後の2021年、日本では
「”汚染水”処理で頼みの綱ALPSは8年間「試験運転」のまま!」
というタイトルで、
「(核種の)除去性能の確認で運用している」という試験運転状態であり、「規制委の委員長が、本格運用の検査手続きを『未了』と認めたことは非常に重大です。
と問題を指摘している。
時系列的に並べると、「IAEA、2020年に検証報告書を出した」というのが「誤り」か、「嘘」か、その両方であることが明らかだ。
試験運転状態では検証にならないのは自明だ。。
そして問題は、依然として「ALPSの性能」が第三者によって「科学的に検証されていない」ことであり、にも拘らず、政府は海洋放出を「安全」と喧伝していることだ。
これほど、国民を愚弄している政府が、過去にあっただろうか。
以下に全文を転載する。
韓国政府「IAEA、2020年に検証報告書を出した」というが
東京電力とテレビ会議だけで作成した報告書
「ALPS検証」は当時のレビューミッションの範囲でもない
日本の福島第一原発汚染水海洋放出の安全性確保のための主要施設である多核種除去設備(ALPS)は、2013年に設置されて以来、国際原子力機関(IAEA)から実際の性能検証を一度も受けていないことが確認された。「ALPSの性能検証が行われた」という韓国政府のこれまでの説明とは異なり、議論が予想される。
パク・クヨン国務調整室国務第1次長は5日、福島原発汚染水に関する政府の定例会見(毎日開催)で「IAEAはALPSの性能を検証していない」という批判に対して「ALPSに対する検証ないし評価作業は、かなり前にすでに終わっている状態」と説明した。
政府がその根拠として示したのは、IAEAが2020年4月に発表した「ALPS小委員会に関する検討報告書」だ。ユ・グクヒ原子力安全委員長は7日、韓国政府の検討報告書の発表会見でこの報告書に言及し「ALPSの性能に関する部分は、IAEAが2020年度に検討して報告書を発行した。そのため(4日に発表された最終)報告書で詳細を記述しなかったものと理解している」と述べた。
ところが、ハンギョレが11日に「ALPS小委員会に関する検討報告書」を確認した結果、27ページの同報告書にはALPSの性能に関してたった2文章だけが記述されている。しかし「安定的で信頼に値するだけ継続して作動する」と「日常的かつ持続的に作動し、トリチウムを除く62種の放射性核種を排出規制基準以下に除去することができる」というこの部分は、IAEAが実際に日本でALPSの性能を検証した結果ではない。
IAEAはこの報告書で、当時IAEA職員6人で構成された検討チームが、日本にいる東京電力の関係者などと、2020年2〜3月の間にオーストリアのウィーンで3回のテレビ会議を行ったことを土台にこの報告書を作成したと明らかにした。
ALPSの性能検証は、IAEAが日本の経済産業省の要請で構成した検討チームのレビューミッション(任務範囲)にも入っていなかった。報告書によると、当時の検討チームの任務範囲は、ALPS処理水の管理状態の変化を検討▽ALPS処理オプションの分析の技術的・科学的根拠を検討▽日本政府の措置とIAEAの諮問事項が一致しているかの検討という3項目に限られていた。
ハン・ピルス元IAEA放射線・輸送・廃棄物安全局長は11日、政府の定例会見で「IAEAは検討範囲に該当する内容だけを検討する」と述べた。
IAEAが福島原発事故処理と関連して行ったもう一つのレビューミッション報告書を見ても、ALPSの性能と信頼性を検証した部分はなかった。ハンギョレは、2013年3月から2021年8月の間に5回遂行された「東京電力福島第一原子力発電所1〜4号機の廃炉措置等に向けた中長期ロードマップ」に対するIAEAの検討結果報告書を全数調査したが、ALPSの性能検証がレビューの範囲に含まれた報告書はなかった。報告書の内容を見ると、2014年2月に発表された2回目のレビュー報告書からALPSが言及されているが、性能や信頼性の検証とは関係のない一般的な内容だった。
日本はこれまで、ALPSによって汚染水に含まれた64種の放射性核種のうち、トリチウムと炭素14を除いた62種の核種を基準値以下まで除去することができ、海洋放出をしても安全だと強調してきた。しかし、ALPSで処理した汚染水の70%が排出基準値を満たしていない状態であるうえ、腐食やフィルター損傷などによる頻繁な故障で、信頼性に対する疑問を解消できずにいる。
5月に韓国政府の現場視察団が東京電力から受け取った資料「ALPSの主要故障事例」によれば、ALPSでは設備が安定化したといわれる2019年以降も、毎年重大な故障が発生している。もっとも最近の事例である昨年には、吸着塔に問題が生じたため設備を通過した汚染水に含まれたストロンチウム90の濃度が上昇する現象が確認された。
原子力安全研究所のハン・ビョンソプ所長は「汚染水の放出が安全だというためには、それに含まれた放射性核種を除去するALPSの性能を評価した根拠をもって話さなければならない」とし、「そのような評価もなしにどうやって安全だと信じることができるのか分からない」と述べた。
キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
ハンギョレの記事は以上。
記事によれば、韓国政府「IAEA、2020年に検証報告書を出した」という。
そのころ、日本ではどういうことが問題にされていたか。
この阿修羅掲示板にも取り上げられていた「日刊ゲンダイ」の記事の一つを拾ってみた。
「”汚染水”処理で頼みの綱ALPSは8年間「試験運転」のまま!」
のタイトルで報じられた2021年4月16日の記事。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288030
以下に記事の全文を転載する。
「県民が積み重ねてきた風評払拭の努力を後退させることのないよう国が前面に立ち、万全な対策を講じて欲しい」
福島第1原発の海洋放出を巡り、福島県の内堀知事は15日、梶山経産相にそう訴えた。・・・福島にとって、風評再燃は切実な問題。しかし、汚染水の処理を手掛ける東電と政府に地元の理解を得る努力は見られない。
そんな姿勢を象徴するのが、汚染水を浄化処理する多核種除去設備「ALPS」の運用実態だ。2013年に東電が導入後、現在まで8年間も「試験運転」のままなのだ。
14日の参院資源エネルギー調査会で、共産党の山添拓議員が問題を取り上げ、「(ALPSの)本格運転前の使用前検査すら終わっていない」と追及。原子力規制委員会の更田豊志委員長は「汚染水をいかに処理して貯留するかが非常に急がれた。使用前検査等の手続きは、飛ばしている部分があると思う」と明かした。
規制委にALPSの運用について尋ねると、「(核種の)除去性能の確認で運用している」(1F事故対処室)と言う。政府は海洋放出を「安全」と喧伝するが、“頼みの綱”の性能はいわば「確認中」。ハッキリしていないのだ。
「規制委の委員長が、本格運用の検査手続きを『未了』と認めたことは非常に重大です。汚染水処理の条件すら整っていないことがハッキリしました。政府にも東電にも、処理を担う資格はないのです」(エネルギー政策に詳しい龍谷大教授の大島堅一氏=環境経済学)
■懸念を「風評」として圧殺
第1原発敷地内のタンクに貯蔵されている汚染水の7割には、ALPSで除去できないトリチウム以外にも、規制基準以上の放射性物質が残っている。この事実が18年に発覚するまで、政府と東電は「トリチウム以外は除去できている」と言って、国民を欺いてきた。
発覚から2年以上経ち、政府は13日に「ALPS処理水」の定義を変更。「トリチウム以外の核種について、環境放出の際の規制基準を満たす水」と、コッソリ修正した。
「政府は定義変更の理由に『風評被害の防止』を掲げ、安全性への危機感を『風評』として圧殺しています。海洋放出決定で懸念を広げているのは政府と東電なのに、風評被害を持ち出すあたり、盗人猛々しいと言わざるを得ません」(大島堅一氏)
政府と東電の存在こそ、風評払拭の妨げである。
日刊ゲンダイの記事は以上。
「汚染水の海洋放出、絶対反対!」
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