http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/566.html
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https://www.asahi.com/articles/ASR8T6QRTR8TUTFK00B.html
東京電力が24日に福島第一原発の処理水の海洋放出を始めたことを受け、中国の税関当局は同日から、日本を原産地とする水産物を全面禁輸すると発表した。
日本政府としては、全くの想定外だったのだろうか。
右往左往状態が見苦しく、情けない。
記事の抜粋を以下に記す。
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に伴い、中国政府が日本産水産物の輸入を全面禁輸したことをめぐり、岸田内閣の閣僚から25日の記者会見で、中国側への批判や水産事業の打撃回避策への言及が相次いだ。
河野太郎消費者担当相は「WHO(世界保健機関)の飲料水基準の何分の1というトリチウム濃度だ。全く科学的根拠のない非論理的な対応だ」と述べ、処理水の安全性を指摘したうえで中国の禁輸措置を批判した。・・・
松野博一官房長官は風評対策として設けた計800億円の基金をもとに、販路開拓などを支援すると説明した。主に想定するのが、・・・ホタテだ。・・・松野氏は「新たな輸出先のニーズに応じた加工態勢の強化も、臨機応変に対策を講じる」とした。
野村哲郎農林水産相も会見で「(全面的な禁輸は)全く想定していなかった」と打ち明け、「国内に(殻をとる)加工施設が必要になる」と説明。・・・
林芳正外相は25日に国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長とオンラインで会談した。IAEAは7月に「国際的な安全基準に合致」するとの報告書を公表しており、日本政府が国内外に安全性を訴える根拠としている。
林氏は「IAEAの継続的な関与のもと、内外に科学的かつ透明性の高い説明を続けていく」と語った。グロッシ氏は「国際社会の目としての役割を果たし、処理水の放出がIAEAの安全基準に則した形で計画どおり実行されていることを確認するために現場にいる」などと応じた。
記事の抜粋はここまで。
このことによって生ずる日本の経済的損失は計り知れない。
「(全面的な禁輸は)全く想定していなかった」と言う野村哲郎農林水産相の言を借りるまでもなく、中国の強い反対を「丁寧に無視」してきた「これまでの政府の対応」が招いた必然的な結果であり、明かに外交の失敗だ。
稚拙な政治が引き起こした「人災」と言うしかない。
中国政府が談話で指摘している、
海洋放出の合法性の証明、
浄化装置の長期的な信頼性の証明、
核汚染水に関するデータの正確性の証明
などなど、
そして
利害関係者との十分な協議
これらの懸案に日本政府から情報提供が無いと。
こんなことを言われてしまうとは・・・。
「汚染水の海洋放出」の方針を出してから、この2年間、政府は一体何をやっていたのか。
これでは、日本がいくら「国際的な安全基準に合致」するとのIAEAの包括報告書をもって国内外に安全性を訴える根拠としたとしても、そのプロセスは科学的ではない。
ましてや、この報告書に、
海洋放出の方針を「推奨するものでも承認するものでもない」
との記載があり、
さらには、
「IAEAとその加盟国は、この報告書の利用によって引き起こされるいかなる結果に対しても責任を負わない」
とも書かれているとなれば、日本国民の不安と懸念や、中国を含めた国際社会の不安と懸念に対して、安全性を担保するものとするには、あまりにも「無責任」であり、「無価値」ではないのか。
中国の禁輸措置による日本の経済的損失は計り知れないが、IAEAは一切責任を負わない。
そして、IAEAへの信頼は「棄損」する。
テレ朝NEWSが報じている。
台湾の頼清徳副総統はANNなど一部メディアのインタビューに応じ、福島の処理水排出について「世界を安心させるため日本政府はもっと情報公開すべき」と述べました。
と。
今、世界が日本に求めているものは、IAEAが包括報告書で何と報告したかではなく、
日本の言う「科学的主張」を、世界のそれぞれの国が「科学的に検証」できる情報であり、日本が無いとする「禁輸措置」の「科学的根拠」を示すための現地調査、現物調査あるいは、「汚染水」の採取ではないのか。
「科学的に検証」をするためには、東京電力の提出データを「鵜呑み」には出来ない。
IAEAがやって無さそうな(と思われる)、現地確認、現物確認、設備、計測器の性能評価と信頼性の確認、そして追試験を、各国は自分たちの主体性を維持しつつ実施し、その「再現性」をもって「科学的に判断したい」と考えるのは、当然ではないか。
中国政府が言う通り、
「海は全人類共通の財産であり、日本が勝手に放射能汚染水を投棄することはできない。」
にも拘らず、懸念と疑念を持つ国に「科学的な検証」の試料も機会も提供することなく、反対を押し切って「汚染水」の海洋放出を強行した以上、
「安全ではないかもしれない。」
「将来、人類、生物、地球環境に悪い影響が現れ、取り返しがつかないことになるかもしれない」
として、自国民の身に及ぶかもしれない危険を回避する手段を講じる他国を、「科学的根拠が無い」と批判することは出来ない。
中国をはじめとして、国際社会が求めているのは、少なくとも、日本の言う「科学的主張」を、自分たちが「科学的に検証」し終わるまでは、「汚染水の海洋放出」は中止せよ、ということだと思うのだが・・・。
さらに言えば、「海洋放出」という方法以外の国際社会が納得できる方法について、経済的評価ではなく、人類がより安心、安全を得られる方法を提案し合い、科学的に議論をやり直そうと・・・。
違っているだろうか・・・。
グロッシ氏は「国際社会の目としての役割を果たし、処理水の放出がIAEAの安全基準に則した形で計画どおり実行されていることを確認するために現場にいる」と応じたそうだ。
私の知る限りでは、ここで、「IAEAの安全基準」という言葉が、初めて記事に載った。
これまでは、「国際的な安全基準」としか表現されていない。
その為に、どの基準か特定することが出来ず、科学的に検証できなかった。
「IAEAの安全基準」という事であれば、突き合わせることが可能だ。
しかし、今回のように「原発が爆発し、メルトダウンを起こし、溶け落ちた燃料デブリを冷やし続けるために水をかけ続けなければならない」事態は、原発の安全神話の妄想に取り付かれている原子力ムラの住人にとっては、想定することも、話題にすることも「タブー」であったはずだ。
何故なら、想定した瞬間に「原発は存在してはならないもの」になるからだ。
つまりは、「そのことを想定した安全基準」は、どの安全基準にも無い。
当然「IAEAの安全基準」にも無い。
想定していないのだから、そのことに対する備えもあろうはずがない。
燃料デブリを安全に取り出すための安全基準も当然無い。
あれば、事故から12年も経過する今、1号機分の取り出しくらいは終わっているはずだ。
最後に疑問と感じていることを一つ。
国際社会の目としての役割を果たすのは、何故IAEAなのか?
海洋放出に疑念を持つ「中国」に役割を担ってもらう方がより実効的ではないか。
韓国政府からも、立ち会いたいとの申し入れがあり、協議していると聞く。
当然、中国の参加をも要請すべきだろう。
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