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自民党議員「もう岸田さんは終わりだよ」…岸田政権、迷走と崩壊の内幕
ビジネスジャーナル 2022.11.09
https://biz-journal.jp/2022/11/post_325565.html
岸田文雄政権の失速が止まらない。
10月24日に山際大志郎経済再生担当相が辞任し、とうとう内閣の一角が崩れた。「国会開会中に大臣が辞任する事態となり、深くおわび申し上げます」。岸田首相は衆院本会議でこう陳謝する羽目となった。野党は「辞任表明が遅すぎる」「総理の判断の遅さにも責任がある」と一斉に批判、今後常に岸田政権が批判に晒され続けることを予感させた。
「もう岸田さんは終わりだよ。今までが運が良すぎただけなんだ」
こう呟くのは自民党議員である。どういうことなのか。当稿では支持率低迷に苦しむ岸田政権の内幕とその理由をレポートしてみたい。
消えた10月国会での冒頭解散
岸田政権の潮目が変わったのが参院選後だった。参院選で勝利した岸田政権は、当初の目論見通りであれば黄金の3年間に突入し、秋の臨時国会からは安倍政権でも成し得なかった憲法改正に着手することが予想されていたのだ。
「政府調査では安倍政権での憲法改正は国論を二分する形になってしまうので、慎重になっていた。そこで無味無臭の岸田政権ならば憲法改正に違和感なく着手できるという分析が政府内でなされていたのです」(自民党関係者)
しかし、その目論見もあえなくご破算となった。岸田政権の相次ぐ失策と判断の遅れから支持率は低迷し、憲法改正の是非を問う力は今の政権にないと分析されるようになってしまったのだ。いまや政界、メディアの共通認識とされているのが、岸田政権の支持率が回復する見込みは今後ないという見方なのである。
政局勘が悪いというのも、その一つの理由になっている。統一教会問題、円安など問題山積のなか支持率30%割れとなった岸田政権に対して、9月時点では自民党内には「早期解散も手だ」という空気があった。来年になれば岸田政権の支持率は10%台まで落ち込みかねない。そこで野党が弱く準備ができていない今こそ、そして自民党が今後も強い与党でいるためにも、早期の解散総選挙が必要だという論調が一部であったのは事実だ。
10月国会での冒頭解散があるかもしれない――。そんな淡い期待のなか、岸田首相はどのような決断を行ったのか。
10月4日付で、長男の岸田翔太郎氏を首相秘書官に就任させると発表したのだ。解散どころか、息子の登用である。この難局においての世襲人事の発表は、当然のように批判に晒された。なかには「話し相手がいない岸田首相が、話し相手として長男を起用した」という陰口すら叩かれたほど、この一手は評判が悪かった。この件でハッキリしたのは、岸田首相が自らの身内を優遇するというだけではなく、これからも政権にしがみつこうと考えている人物であるということだった。
国政の難局を乗り切るため、また統一教会問題などで批判に晒されている自民党を守ることを優先するならば、首相秘書官として必要なのは「実力者」であり「即戦力」たる人物であるはずだ。息子にOJT(オンザジョブトレーニング)している余裕があるはずがないのだ。そんななかで、政治経験の乏しい息子を秘書官にしたということは、岸田首相自身が可能な限り政権に留まろうと考えていることの証左だといえよう。自民党のためにいつ退陣してもいいというリーダーとしての覚悟があるならば、息子を秘書官に据えたりしないはずだ。
岸田政権維持のためにばら撒き政治を続けると予測、カンフル剤だけを打ち続ける政治
「長男が秘書官に就任したことで、前任だった山本高義氏は秘書官を辞職し、岸田事務所に政策秘書として復帰しました。だが、山本氏が秘書官を退いてから岸田首相の情報収集力は明らかに落ち、岸田氏はますますグラグラし始めた。山本氏は30年近く、岸田氏を支えてきたベテラン秘書で、『岸田氏を首相にしたい』と身を粉にしながら汚れ役をこなしてきた人物です。そんなベテランだからこそ情報が集まり、的確なアドバイスができる。一方で商社マンあがりで、永田町経験が2年あまりの長男の翔太郎氏を首相秘書官にしたところで、同等の仕事ができるわけがないのです」(自民党関係者)
岸田首相がピント外れの一手を打ったことで、その政局勘のなさがますます浮き彫りとなった。
官僚の尻馬に乗るだけ
もう一つの問題は、政治家としての資質である。政治部記者はこう語る。
「岸田首相は10月28日に39兆円規模の総合経済対策を発表しましたが、これも遅すぎるという声があがっています。中小企業の多くはこの不況下で、年末をどう乗り切るかを考えているのに、政府の対策はのんびりしていました。本来であれば臨時国会前に準備しておき、年内にも実施すべきなのです。それなのに国会が始まってから総合経済対策をまとめ始め、約1カ月遅れで発表した。」(政治部記者)
28日の会見では岸田首相は今回の取りまとめを「政治主導、大局観を発揮することを重視した」と胸を張ったが、その実情は自民党からの要求を丸のみしたに過ぎないというのが実情なのだ。そのスピード感のなさと併せて「岸田首相は首相として何がやりたいのか?」という声が永田町では上がっている。
岸田首相に政治信条は何もなく、危機を乗り越えるアイデアもないことを示す象徴的なエピソードがある。
経済対策について岸田首相と自民党幹部が会合をしたときのことである。自民党幹部が「経済対策はどのようにやりましょうか?」と聞いたところ岸田首相は「任せるよ」と答えたというのだ。つまり岸田氏は首相になることが目的の政治家でしかないということが、ここでも浮き彫りとなってしまっているといえそうだ。
「おそらく今後は岸田政権維持のためにばら撒き政治を続けると予測されていますが、本当にそうなったらカンフル剤だけを打ち続ける政治となり、まさに末期症状だといえます」(前出・政治部記者)
何もない男――、岸田氏が記者からそうレッテルを張られた事件がある。
2015年、岸田氏は外相として日韓合意に関わった。いわゆる慰安婦問題の不可逆的な解決を謳った「慰安婦合意」と呼ばれる外交交渉を担い、岸田氏は周囲に「(日韓合意に)政治生命をかける」と息巻いた。ところが韓国側が慰安婦合意を骨抜きにする行動に出たとき、岸田氏はどうしたか? 外信部記者はこう呆れて語る。
「韓国の行動について岸田氏は何も発言しなかったのです。あのとき取材した記者はみな『岸田氏の言う政治生命って何だったのか?』と苦笑いするしかなかった。岸田氏が首相になってからも同じです。日韓関係や歴史問題に積極的に取り組もうとする姿勢はまったくない」
結局、日韓合意は外務省官僚のお膳立てのもと行われた交渉にすぎず、岸田氏は官僚の尻馬に乗っただけだったのである。
岸田政権を支えるの思惑
一方で岸田政権の強みは何だろうか。政治家としての色がない、ということを評価する人たちが実はいるのだ。それは霞ヶ関の住人たちである。
官僚政治というのは岸田政権を理解する一つのポイントである。前回の連載でも岸田政権が官僚に操られていると指摘したように、岸田政権の政策は官僚発のアイデアであることが多い。例えば経産省出身の新原浩朗内閣審議官が作成した“新原ペーパー”の指示通りに、岸田首相は「新しい資本主義」を目玉策として掲げている。
「財務省と経産省の官僚に支持されているので、意外と岸田政権は長持ちするのではないか」という見方すらある。つまり与しやすい「岸田政権」を、官僚たちが最大限に利用しようと考えて岸田政権を支えるのではないかという分析である。
官僚の下支えと同時に、もう一つ岸田首相が頼みの綱とすがっているのがナベツネこと読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡邉恒雄氏なのだという。10月27日には岸田首相自身が東京・大手町の読売新聞東京本社に出向き渡邉氏と懇談をしているほどだ。
「岸田さんが読売新聞を訪れたのは、ちょうど永田町ではナベツネが読売新聞の会議で、『岸田政権を支えろ』という方針を指示したという情報が流れている最中でした。ナベツネに何を相談したのか、懇談の内容に注目が集まっています」
渡邉氏と岸田首相の所縁は深い。岸田首相の父、岸田文武氏と渡邉氏は旧制東京高等学校の同学年で、文武氏の葬儀で渡邉氏は友人代表で弔辞を読んだといわれているように、岸田首相の父親と渡邉氏は深い親交があったのだ。また渡邉氏にとって岸田首相は開成高校の後輩でもある。そうした縁からか、渡邉氏は岸田首相の肩入れをしていると噂されているのだ。
官僚や縁故によって支えられている岸田政権。だがそうした構造は難局を突破するリーダーの資質としてはあまりに頼りなく、むしろ国民人気をますます遠ざけるものとなるだろう。支持率が低い政権が何を意味するか。それは民意の反映されない政治が行われるということだともいえる。
(文=赤石晋一郎/ジャーナリスト)
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