http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/327.html
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https://www.sankei.com/article/20230730-7G5GXWVRYVNZXHK4DCQGU7VRWM/
記事では繰り返し「科学的根拠」という言葉が使用されている。
そもそも、ここで言う「科学的根拠」とは何を指して言っているのか。
記事に目を通す前に、下調べすることは無駄にはならない。
調べると、「科学的根拠」(エビデンス)とは、
「あるテーマに関する試験や調査などの研究結果から導かれた、科学的な「根拠」「裏付け」のこと。」
とある。
次に、「科学的な」とはどういうことか、調べてみた。
理解するには、二つの性格に着目すると分かり易い。
一つには「再現性」
「ある事柄について考えたり調べたりする時、その方法が同じならば、いつ・どこで・誰であったとしても、同じ答えや結果にたどり着くこと。」
もう一つは、「因果関係」
「原因と結果の関係がきちんとあるということ。」
ここまでで、「科学的根拠」の言葉の意味は理解したとして、記事を読み込んでいくとよいかなと思う。
そうすると、あることに気が付く。
それは・・・、解は記事の中にある。
「再現性」を重視し、その記事の全文を転載する。
政府が計画する東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、与野党の姿勢の違いが目立っている。科学的根拠に基づかない偽情報を発信する中国政府や韓国野党に対し、自民党や日本維新の会、国民民主党などが反論している。一方、一部野党は中国などと同様に、原発敷地内で浄化処理する前の汚染水をそのまま放出すると誤解させかねない表現を使い続けている。
「科学的根拠に基づいた議論を行うよう強く求めたい。事実に反する発言はわが国としても累次にわたって適切な反論を行っている」
自民の茂木敏充幹事長は25日の記者会見で、海洋放出に反対する中国の主張を、こう批判してみせた。
中国政府や韓国の最大野党「共に民主党」は処理水を「核汚染水」と表現。放出計画について「太平洋を『下水道』にしようとしている」(中国外務省)などと批判を展開している。
だが、放出計画については国際原子力機関(IAEA)が包括報告書で「国際的な安全基準に合致する」と結論付けた。危険をあおる中国や韓国野党などの非科学的な主張を放置すれば、日本に批判的な国際世論や風評被害が広がりかねない。
維新の藤田文武幹事長は韓国野党の主張を「プロパガンダ」と非難し、国民民主の榛葉賀津也幹事長も「『汚染水』ではなく処理水だ」と反発する。公明党の石井啓一幹事長は、中国の姿勢について「冷静に科学的根拠に基づいて判断してほしい。IAEAがお墨付きを与えた」と疑問を呈する。
一方、立憲民主党の泉健太代表は28日の会見で、中国の主張に関し、「IAEAが出した結果については同じ評価がなされるべきだ」と述べた。ただ、長妻昭政調会長は20日の会見で、「汚染水」という呼称を用いた上で、「それぞれの政治家がいろいろな考えで使っている」と許容する考えを示した。来日した韓国野党議員の記者会見に同席し、放出計画に反対する共同声明を出した議員もおり、チグハグな対応が際立つ。
共産党と社民党も「汚染水」などの表現を繰り返している。(奥原慎平)
記事は以上。
この記事を書いた記者は、どうも、「汚染水」と表現するのは非科学的で、「処理水」と表現するのは科学的根拠に基づいた表現だとでも言いたげだが・・・。
果たしてそうか。
そもそも、福島事故原発由来の、燃料デブリに触れた「汚染水」をALPSという名の浄化装置を通した上で、海洋放出をしようとする際に、さらに海水で100倍超に希釈しなければならない「あの液体」は、「処理水」なのか「汚染水」なのか。
科学的にはどちらが正しい表現なのか。
そのことは「飲んでも」分からないだろう。
以下は、エビデンスを示しながらなので、長くなり、一部過去の投稿の再掲になってしまうが、ご容赦願いたい。
一応は国際機関である「IAEA」はどう捉えているのか。
IAEAによる汚染(放射能汚染)の定義:(ウィキペディアから抜粋)
1. 表面上、または固体、液体、気体(人体を含む)内の放射性物質、または、それを生むプロセスで、その放射性物質の存在が意図しないか望ましくない場合。
2. ベータおよびガンマ線と低毒性(low toxicity)アルファ線の場合は0.4 Bq/cm2を超える量、または他のすべてのアルファ線の場合は0.04 Bq/cm2を超える量の放射性物質が表面に存在する場合。・・・
2. については、この定義は国際輸送規則上の定義であって、その数値以下であっても、1の科学的定義が考慮されなければならないとしている。
また特に、汚染の語には意図しないということを含意している場合があり、汚染の語は単に放射能の存在を示すにすぎず、関連する危険有害性の大きさを示すものではないとしている。
以上はウィキペディアから抜粋引用。
IAEAによる汚染(放射能汚染)の定義、特に1の「科学的定義」に従えば、「汚染水」をALPS等によって一定量の放射性物質を除去したとしても、意図ぜずして混入した放射性物質が残っている以上は、”その危険有害性の大きさに関らず”「汚染」水と言うことになろうか。
IAEAの科学的定義に照らして評価すると、放射能に「汚染」された水・・・「汚染水」。
溶け落ちた燃料デブリに触れて「放射能に汚染」された水・・・「核汚染水」。
「処理水」と言おうとも、”その危険有害性の大きさに関らず”放射能に「汚染」された水・・・であるから「汚染水」。
すなわち、プロセス的には「汚染」水に「浄化」処理を施した、いわば「浄化処理水」なのだろうが、除去できない放射性物質が残る以上「浄化水」あるいは「浄水」とは言えない。
結論的には、正確にいえば、「汚染水」を浄化処理で放射性物質を除去しきれなかった「不完全浄化処理水」ということになる。
政府と東電は、この「不完全浄化処理水」を(完全を装って)「処理水」と言っているわけだ。
こうしてみると、「処理水」という表現は、恣意的に「汚染」を隠すために作られた悪質な造語と言える。
科学的には、「放射能に汚染された水」という実態は変わらない。
「汚染水」という表現こそが科学的であり、「処理水」と表現するのは、もはや科学とは無縁の「詭弁」の類いだろう。
そして、産経の記事では、
放出計画については国際原子力機関(IAEA)が包括報告書で「国際的な安全基準に合致する」と結論付けた。
さらに「・・・IAEAがお墨付きを与えた」
と、続ける。
IAEAが公表した包括報告書は、海洋に放出された「汚染水」が含む放射能が、人類、生物、或いは環境に対して悪影響を与えることはないと。その因果関係を示して科学的に評価したものではない。
記事にもあるように、
「放出計画については・・・国際的な安全基準に合致する」と書いてあるに過ぎない。
放出計画については・・・だとさ。
放射能が、人類、生物、或いは環境に対して与える影響・・・のことではないんだとさ。
そこで言う「国際的な安全基準」が何なのかも、記事では分からない。
適用した安全基準が科学的に妥当なものなのかも評価できない。
第一、原発が爆発し、核燃料が溶けて燃料デブリとなり、それを冷やすために水を放水し続けることが前代未聞の事態であれば、その燃料デブリに触れて60種以上の核種の放射能に染された「汚染水」を海洋放出することも、人類史上初めての事態に違いない。
しかも、信頼性が担保されていない怪しげな性能の浄化処理装置を通し、それだけでは不十分と、海洋放出する前に、何故か、わざわざ海水で100倍超に希釈してから、何故か、わざわざ海底トンネル通して、何故か、僅か1kmという目と鼻の距離の沖合の海底から放出する計画という。。
そして、希釈が想定通りにいかない時は海洋放出を緊急停止する機能を付けているから「安全」だと言いたいらしい。
この一連のプロセス、放出計画、のどこに科学性があると言えるだろうか。
燃料デブリに触れて、放射能に汚染された「核汚染水」を海洋に放出するなどといったことは、非科学的な「原発の安全神話」が語られてきた妄想の世界では、想定することすら「タブー」であったことを踏まえれば、「核汚染水」を海洋に放出するときの「国際的な安全基準」などあろうはずがないではないか。
にも拘らず、政府は、IAEAが公表した包括報告書を振りかざし、海洋放出の安全性と正当性が示されたかのように主張する。
しかし、この報告書に、海洋放出の方針を「推奨するものでも承認するものでもない」との記載があることには触れようともしない。
さらには、「IAEAとその加盟国は、この報告書の利用によって引き起こされるいかなる結果に対しても責任を負わない」
と自ら書いているということになってしまえば、報告書そのものが非科学的であり、政治的に利用するためだけの書類だという証左ではないか。
「IAEAとその加盟国は、この報告書の利用によって引き起こされるいかなる結果に対しても責任を負わない」
と言われて手渡された報告書のその内容を、あなたは信用できますか?。
ちょっと、待て!
もしかしたら・・・それは「詐欺だ!」
今すぐ電話しよう。・・・110番
一部メディアが「日本政府応援団」と化して、科学的に「核汚染水」と呼び、科学的に安全が確認されていない「汚染水の海洋放出」の中止を迫る中国や、韓国の野党、さらには日本国民に対して、科学的根拠を示さずに非難を煽っている。
本記事もその例に漏れない。
別記事では、
「・・・来月18日に米国で開催される日米韓首脳会談で議題に上げ、中国が処理水を「核汚染水」と呼び、科学的根拠に基づかない偽情報を拡散していることに、3カ国で対抗する構えだ。・・・」
と報じている。
IAEAでさえも、海洋放出の方針を「推奨するものでも承認するものでもない」としている。
世界中のどこの国が、誰が、「汚染水」の海洋放出を推奨するものか。
IAEAが承認しない「汚染水」の海洋放出を、日本は誰の承認を得て、強行しようとしているのか。
「汚染水」の海洋放出を承認できる人間は、地球上に存在しない。
承認を得ているなら、国民に「丁寧に説明する」必要があるだろう。
「汚染水の海洋放出、 絶対反対!」
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