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※紙面抜粋
※2023年7月20日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
大雨災害もマイナカード問題も後回しで…(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
各メディアの世論調査で、岸田内閣の支持率下落が鮮明になってきた。
共同通信社が14〜16日に実施した全国電話世論調査によると、支持率は34.3%で、6月17〜18日の前回調査から6.5ポイントも下落。過去最低の支持率だった昨年11〜12両月の33.1%に迫る最低水準となった。不支持率は7.0ポイント増の48.6%だった。
朝日新聞が15〜16日に実施した世論調査(電話)でも、内閣支持率は6月調査の前回(42%)から2カ月連続で下落して37%となり、不支持率も50%で前回(46%)を大きく上回った。
支持率下落の要因は多々あるものの、世論調査の結果を受けた自民党の世耕参院幹事長が会見で、「(支持率下落は)マイナカードで国民に不安を与えたことが一番大きく影響している」と言い、公明党の山口代表も「(マイナカードへの国民批判は)厳しい現状にある」と指摘していた通り、最大の理由は健康保険証との紐づけをめぐってトラブルが相次いで発覚したマイナンバーカードの問題があるだろう。
泥縄的な総点検で国民をごまかす姑息な政府
共同通信などの調査でも、政府が来秋に予定している健康保険証の廃止とマイナンバーへの一本化に対しては、「延期」や「撤回」を求める回答が8割近くに達し、朝日の調査でも「反対」が約6割にも上った。
政府は8月上旬にも、マイナンバー情報に関する総点検を行い、中間報告を公表する方針だが、総点検しても問題が「解決しない」との回答は共同で74.7%、産経新聞・FNNの調査でも78.3%にも上っている。
つまり、多くの国民は“泥縄的な総点検”で国民の不満をごまかそうとしている政府の姑息な手法を見透かし、全く期待していないわけだ。
にもかかわらず、岸田政権はナントカの一つ覚えのように「一本化は予定通り」と言い続けているから呆れてしまう。
「一度決めたら二度とは変えぬ」。昭和を代表する歌姫・美空ひばりの「人生一路」の歌詞じゃあるまいし、どんなに深刻な問題が起きようが、国民生活が不利益を被る懸念があろうが、お構いなしで突き進む。これでは国民から総スカンを食らうのも当たり前だ。
内閣支持率と並行してどんどん下がっているのが自民党支持率だ。
共同の調査によると、自民の支持率は30.1%で12年12月の第2次安倍内閣発足以降、最低に。朝日の調査でも、21年10月の岸田政権誕生以降、30%台で推移していた自民党の支持率は28%に減少。同党の支持率が20%台になるのは、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる後手後手の対応が問題視され、批判が続出した第2次安倍政権末期の20年6月以来だ。
「国民から党に厳しい目が注がれているということをよく自覚し、やるべきことにしっかり対応していくことが何よりも重要だ」
政権がレームダック状態だった時の政党支持率と現在が「同じ政治状況」になりつつあるとなれば、世耕が内閣支持率の下落以上の危機感をにじませていたのも無理はないだろう。
政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう言う。
「これまで内閣支持率がどんなに下がっても、政党支持率は横ばいだった。それが下がり始めたというのは相当深刻な状況です。これは(従来の自民党支持者である)保守系離れが進んでいることを表す。このままだと、巷間言われていたような秋の解散も難しいのではないか」
「闇バイト」で集まった烏合の衆と変わらない
「内閣への不信感が政党支持を押し下げている」「場当たり的な対応が続いている。愚の骨頂だ」──。
貧すれば鈍するというが、内閣、党の両支持率の下落に歯止めがかからない状況にいら立つ自民党議員からは、首相批判も公然と囁かれ始めた。問題山積のマイナンバーカードについても、ベテラン議員からは「政府が誠実に対応していない」といった指摘が出るなど、すでに責任の押し付け合いがみられるといい、怒りの矛先は河野デジタル相にも向けられているという。
河野はマイナンバーカードの担当大臣として総点検の指揮を執る立場にもかかわらず、北欧や中東にノンビリ外遊。国民の不信、不安が募る中、司令塔が不在なのだから、自民だけでなく、公明党からも批判的な声が上がるのも当たり前だろう。
もはやグダグダだが、よくよく考えれば、今の自民党議員といえば、三度のメシよりも利権が好き──といわれる政治屋ばかり。国民生活を良くするための理念など、みじんも感じられず、カネのために「闇バイト」で集まった烏合の衆と指摘されても仕方がない議員が少なくないから、支持率下落で内部崩壊が始まればもろい。だからなのか、最近は、あちこちで党内の内ゲバ話が盛んに報じられるようになった。
岸田が持っているのは「聞き流す力」だけ
象徴的なのが、安倍元首相の死去により、会長不在が続く安倍派(清和政策研究会)だろう。
安倍が亡くなって1年も経つのに、新体制をめぐり、今も萩生田政調会長ら「5人衆」による「集団指導体制派」と「早期会長決定派」の対立が続いている。20日に予定していた同派「議員総会」も、13日の会合延期に続いて中止となり、混迷は深みを増すばかりだ。
大阪府連も幹事長批判でグチャグチャだ。
大阪といえば、自民は前回衆院選で公認候補を立てた府内15小選挙区で日本維新の会に全敗。党本部は大阪の現職支部長6人の差し替えを視野に「公募」で選び直したというのだが、岸田派出身の支部長の選挙区が対象外となるなど根拠が曖昧な上、地元の意向を無視する形で茂木幹事長が人選を主導したことに対して府連の怒りが爆発。
18日に会見した自民党の佐藤前衆院議員は、政治家引退を表明した席で、「頭ごなしに公募を決する党本部のやり方は、現場の我々の思いとは溝がある」と党執行部への不満をぶちまけていた。国交相ポストをめぐって自公の間がギクシャクしているとも報じられており、この様子を見ていると、もはや政権与党としては末期的状況に近いと指摘せざるを得ないだろう。
支持率下落と党内抗争激化に大慌ての岸田は近く、栃木や福岡などの地方行脚をスタート。各地で対話集会を開くなどして「聞く力」をアピール。局面打開を図りたい考えというが、冗談ではない。朝日の調査でも、「首相が『聞く力』を発揮していると思う」は24%で、「思わない」は66%にも達するのだ。
もはや、国民は岸田には「聞く力」がないこと、「聞き流す力」しかないことを理解している。形ばかりの地方行脚なんて、やればやるほど裏目になるだけだろう。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「ふつうに考えれば、岸田政権の今の状況というのは末期のレームダック。国民世論も離れており、野党の力が強ければ、いつ政権交代しても不思議ではない。自業自得の末期症状という状況です。野党が一枚岩でないため、辛うじて岸田政権は続いているだけで、静かに崩壊は始まっているのです」
いよいよ利権政治を終わらせる時だ。
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