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論点の整理すらできず「マイナ問題」を混迷させる世襲政治家3代目の短所 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/325488
2023/07/04 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
「間違い」を、認めて頭を下げることができない(岸田首相と河野デジタル相=右)/(C)日刊ゲンダイ
トラブル続出のマイナンバーカードをめぐる衆院の閉会中審査が5日、開かれる。マトモな議論が交わされるかは相当に疑わしい。岸田首相や河野デジタル担当相らは世襲政治家の3代目。甘やかされた人生を送ってきた人間は、間違いを認めて頭を下げることができない。誤登録の責任を自治体職員や利用者に押し付けているように、何かと人のせいにする。根本的なシステムの不具合と人為的ミスをごっちゃにしていて、どういう手順で対応するかを詰め切れていない。問題点の整理さえ十分になされていない可能性がある。
全国保険医団体連合会(保団連)が全国の医療機関に実施したアンケート調査によると、マイナ保険証が無効などと表示され「無保険扱い」となった患者に対し、医療費などを10割負担で請求した事例が1291件あった。
顔認証付きカードリーダーで、マイナ保険証の所有者と別人の顔が認証されるトラブルも新たに判明。これらは明らかにシステムの欠陥に起因している。データの誤登録にしたって、現場のミスというよりもシステムの不具合によるものだ。秋までに自治体にすべてチェックさせるのは無理筋だ。
そもそも、1枚のカードに社会保障・税番号、健康保険証、公金受取口座、運転免許証など、あらゆる個人情報をひも付けて管理するのはセキュリティー上も大問題だ。ゴテゴテにするにあたり、マイナカード発行など事業の中核を担う「地方公共団体情報システム機構(J-LIS)」に群がる御用企業連合が連携をとれているのかも疑わしい。
加藤厚労相が本部長の「オンライン資格確認利用推進本部」が新設されたが、国民の信頼を回復させ、マイナ保険証の普及が進むとは考えにくい。認知症や身体が不自由な人には無理がある。資格確認証を選び、自主返納が相次ぐだろう。岸田政権は2024年秋に保険証を廃止し、25年秋には継続使用の猶予期間を終える算段だが、強行すれば無保険者を増やし、健康保険制度の存立を脅かすことになりかねない。「消えた年金」を超える大問題になりかねない。
マイナカードの運用をいったん停止して、制度設計を根本的に見直し、システムを洗い直す。まずはここからだ。政・官・業の癒着も剥がす必要がある。J-LISに連なる御用企業の利権を断ち切り、ひとつひとつのシステムを独自のOSで構築するくらいの構えがなければ、日本のIT産業の遅れは取り戻すことができない。
金子勝 淑徳大客員教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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