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※紙面抜粋
※2023年7月4日 日刊ゲンダイ
※文字起こし
数の野合の権力争い、この国をここまで腐らせた安倍派一派は総懺悔だ(左から世耕、西村、萩生田3氏)/(C)日刊ゲンダイ
今度の土曜、7月8日は安倍晋三元首相の一周忌。午前11時から増上寺で法要が営まれる。それを前に、空席となっている自民党安倍派(清和政策研究会)の会長ポストについての記事が、連日、新聞紙上を賑わしている。
安倍派は現状、塩谷立と下村博文の両会長代理が派閥の運営を仕切る体制。だが、派閥長老の森喜朗元首相が推す「5人衆」の方が、閣僚や党幹部などの要職に就いていることもあり存在感がある。5人衆とは、萩生田光一政調会長、西村康稔経済産業相、松野博一官房長官、高木毅国対委員長、世耕弘成参院幹事長。で、どうやらこの5人衆が一周忌を機に、派閥運営を5人衆による「集団指導体制」へと取って代わろうとしているらしい。
萩生田がテレビ出演で「会長不在が続くのは不正常だ」と言えば、世耕は記者会見で「5人で話し合いを進めたい。そう遠くなく、何らかの結論を導き出したい」と主導する姿勢を見せる。西村は講演で「5人中心に進めていこうという雰囲気が出てきている」と踏み込み、「ポスト岸田」について「清和会のみなさんの理解が得られれば、ぜひ挑戦したい」と意欲を示した。こうした各氏の思惑を、大メディアは面白おかしく垂れ流している。
「『集団指導体制』なんて言いながら、みんな自分が会長になりたいんでしょう。西村総裁候補-萩生田会長という『総・会分離案』や萩生田・世耕の両氏で衆参の『共同代表制』などが噂されてきましたが、揉めて派閥が分裂したら、100人を誇る最大派閥のスケールメリットがなくなってしまう。それでも一周忌を機に急ぐのは、派内の中堅・若手からの突き上げがあるから。8月にも内閣改造・党役員人事がある。『会長が決まっていなければ、良いポストは取れない』と、中堅・若手の不満が強いのです。『集団指導体制』の場合は、年長者の高木さんが岸田総理との窓口になるのではないかとも。一方で、塩谷・下村の両氏やベテラン勢は棚上げになってしまうので反発している。簡単には5人衆に集約されず、ゴタゴタするんじゃないですか」(自民党関係者)
目くそ鼻くその動きは報じる価値ナシ
ここまでズルズル会長が決まらないのは、安倍派内に衆目の一致する首相候補がいないからで、つまり、小モノばかりで器じゃないからだ。結局、「森が院政?」なんて話も出ていてアホらしすぎる。岸田首相は、しがない党内第4派閥の領袖だけに、最大派閥の意向が政権運営に少なからず影響するのだろうが、それでも、大メディアが毎日、必死に追いかけるほどの大ニュースなのか。
ま、新聞・テレビの政治部が、政策そっちのけで政局報道一色なのは今に始まった話じゃない。通常国会中もそうだったが、総選挙があるのかどうかの「解散政局」にかまけて、重要法案の審議は2番手、3番手の扱い。防衛費倍増や原発の新増設など歴史的な政策大転換、人権無視の入管難民法、当事者が喜べないLGBT理解増進法も、成立してからアリバイ的に詳報するだけだ。
そういえば、G7広島サミットの議長国記者会見で、岸田に最初に質問した記者が、「衆院解散についてどうお考えか」と、サミットの議題と無関係なことを聞いたのにズッコケたことを思い出す。永田町の内輪の論理に何の疑問も感じない。その延長線上にあるのが、安倍派の跡目争いをめぐる垂れ流し報道だ。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「安倍派のトップ争いなんていう目くそ鼻くその動きを報じることに、どれだけの価値があるのでしょうか。浮き彫りになるのは、相変わらず自民党は派閥中心で動いているということ。派閥間の疑似政権交代で政治が変わるような印象操作を繰り返し、それを報じることで、メディアが自民党の策略に手を貸している。派閥のトップ争いも派閥間のせめぎ合いも、しょせん自民党内の話ですよ。そこに国民を注目させるのは、メディアが自民党政権の延命に加担しているのと同じことです」
依然続く「妖怪の孫」の支配。1年でウイルスは増殖
数の野合の権力争いを無批判に報道することの罪の大きさ。安倍派について報じるなら、この国をここまで腐らせて、いまだデカい顔でのさばっていることのおかしさにこそ言及すべきだろう。安倍政権の7年8カ月で、政治はもちろんのこと経済も外交もトコトン落ちた。
憲法を破壊し、民主主義を貶め、立憲主義を亡きものにした。「モリカケ桜」問題で行政を私物化し、118回もの虚偽答弁をしても平気の平左で国会を愚弄。アベノミクスは円安と株価上昇で輸出大企業と富裕層を儲けさせたが、先進国で唯一、給料が上がらず、超物価高を招き、庶民生活を苦しめ続けている。
外交ではエエカッコしいの地球儀俯瞰外交とやらでカネをばらまき、米国のトランプ前大統領にシッポを振ってバカ高い兵器を爆買い。対米追従を加速させた。
それに、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)問題を忘れちゃこまる。教団の政治団体「国際勝共連合」と選挙を通じた持ちつ持たれつを長年続けてきたのが自民党であり、中でも清和会は党内で最も教団とズブズブ。その関係は安倍政権時代により強化され、教団が望むアナクロ家族観を党内に浸透させた。安倍派会長の最右翼とされる萩生田は、地元八王子の教団関連施設に自ら出向くほどの癒着が取りざたされた渦中の人物だ。その落とし前はどうなったのか。
統一協会問題はどうなった
3日は、教団トップの韓鶴子総裁が、6月末に韓国で開催した日本人信者向けの集会で「日本は第2次世界大戦の戦犯国家で、罪を犯した国だ。賠償をしないといけない」「日本の政治は滅ぶしかないだろう」と発言していたことが分かった。「反韓」「嫌韓」議員がウヨウヨいる安倍派こそ、真っ先に教団に文句を言ったらどうなのか。
日本をダメにした安倍とその一派は総懺悔、派閥解散、蟄居が当たり前だ。そして、そんな安倍派を我が物顔で跋扈させるのに一役買っている大メディアも同罪だ。
安倍政治を振り返った映画「妖怪の孫」のプロデューサーを務めた元経産官僚の古賀茂明氏は、映画の原案となった著書「分断と凋落の日本」のまえがきに、〈マスコミが安倍派忖度から抜けきれないのは、彼らも妖怪に支配されているからではないか〉〈自民党と政府が一体となったマスコミ支配が完全に根付いてしまったことは、安倍的なものが支配するこの社会を固定化するリスクを示している〉と書いていた。
死去からまもなく1年。あらためて日本の政治や社会の現状についてこう話す。
「『妖怪の孫』の支配が依然、続いているように思います。安倍氏はもういない。安倍派にも実力のある議員がいるわけでもない。それなのに、得体の知れない『安倍的なもの』が、ウイルスのように人々に伝染し続けている。安倍氏亡き後、このウイルスも勢いを失うかと思ったが、実際には安倍派的な政治家ではないと思われていた岸田首相が安倍氏以上に安倍的な政治を行っている。一部の右翼だけでなく、世論も、例えば岸田政権が原発活用に転じたことについて『電気が足りないから仕方ない』、防衛費を増やすことも『安全保障環境を考えたら仕方ない』という空気になってきた。安倍氏が死去して1年。ウイルスの増殖は気づかぬうちにむしろ勢いを増し、妖怪の力は逆に強くなっている。危うい状況だと感じています」
自民党は1強多弱にあぐらをかき、メディアは思考停止。一体、この国はいつまで妖怪に好き勝手させるのか。行き着く先は破滅だ。
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