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富士通のトラブルはマイナ証明書だけじゃない! 信頼失墜の背景に「胡坐」と「お手盛り」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325426
2023/07/04 日刊ゲンダイ
信頼はガタ落ちだ(富士通の時田隆仁社長)/(C)共同通信社
マイナンバーカードを使った証明書交付サービスで、また別人の住民票の写しが誤って交付されるトラブルがあったことが先月30日、明らかになった。システムベンダーはまたしても富士通の子会社(富士通ジャパン)だ。
同様のトラブルが3月から5月にかけ頻発したため、同社はシステムを停止し、提供先の自治体など123団体を一斉点検。先月18日に再開したばかりだった。再びのトラブルでシステムは再停止。再々開の時期は未定だ。
しかし、チェックが済んだはずなのに、なぜ同じことが起きてしまったのか。トラブルがあったのは福岡県宗像市。富士通の説明によれば、過去に別の自治体で起きた不具合に対するプログラム修正が、同市を含む41団体で反映されていなかったのが原因という。先に実施された一斉点検では、点検項目から漏れていたというからお粗末だ。
富士通の時田隆仁社長は、5月24日に開いた中期経営計画のオンライン説明会で「住民が利用する行政サービスの信頼を損ねた」と謝罪したうえで、一斉点検後は「次から次へと起こるようなことはないと考えている」と言っていた。それが起きてしまったわけで、信頼はガタ落ち。既に、5月までにトラブルがあった横浜市や足立区(東京都)は富士通ジャパンを指名停止処分にしている。こうした対応が他にも広がる可能性がある。
「富士通の責任は重い」
実は、富士通のシステムをめぐっては、近年、トラブルが多発している。2020年に発生した東京証券取引所の大規模なシステム障害では、独立調査委員会から「富士通の責任は重い」と指摘された。21年と昨年には、外部からの不正アクセスを受けた顧客情報の漏洩が3度も発生。8カ月も情報漏洩に気づかなかった不備があったとして、先月30日に総務省から行政指導を受けている。
サイバー攻撃の被害者なのに行政指導は異例で、それだけ対策がズサンだと判断されたのだ。
「富士通は自治体など行政向けのシステムに強みがある。さらに最近は『経済安全保障』の観点から、政府が日本企業のシステムを使いたがる。そうした状況に胡坐(あぐら)をかいていたのだろう。マイナンバー事業の基幹システムも、富士通など大手5社が無競争のデキレースで受注し、関連システムも随意契約ばかりの“お手盛り”ですからね」(IT業界関係者)
トラブルは起こるべくして起きたか。
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