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※紙面抜粋
※2023年6月22日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
「聞く力」はどこへ?(岸田首相)/(代表撮影)
他人の情報が誤登録されたとか、別人にマイナポイントを付与していたとか、毎日のようにトラブルが発覚するマイナンバーカード。とりわけ問題になっているのがマイナカードを健康保険証としても使う「マイナ保険証」で、システムの不具合などにより患者が医療費の全額を窓口で請求されるケースが少なくとも776件確認されている。
マイナカードは取得しても、保険証として利用している人はまだ少ないのに、トラブルは続出。
全国保険医団体連合会によれば、マイナ保険証を使える医療機関の65%が何らかのシステムトラブルを経験している。本来は有効な保険証なのに「無効」や「該当なし」と誤って判定されるケースが多かったという。別人の医療情報が表示されるなど、重大な事故につながりかねないケースもある。
政府は現行の保険証を来年秋に廃止してマイナ保険証に一本化する方針だが、国民全体がマイナ保険証を使うようになれば、現場は大混乱に陥るのではないか。
通常国会が会期末を迎えた21日、岸田首相は会見を開き、相次ぐマイナカードのトラブルに言及。「デジタル社会への移行のためには、国民の信頼確保が不可欠だ。一日も早く信頼を取り戻せるよう政府を挙げて取り組んでいく」と言い、以下の3点を河野デジタル相ら関係閣僚に指示したとアピールした。
「個人情報保護の重要性を踏まえ、マイナポータルで閲覧可能となっている全てのデータについて本年秋までをめどに総点検を行うこと」
「再発防止を徹底するため、マイナンバーの確認、氏名、住所、性別、生年月日の4情報を全て照合する手続きへの統一など、マイナンバー登録にかかる政省令の見直しを本年秋までをめどに行うこと」
「現行の保険証の全面的な廃止は国民の不安を払拭するための措置が完了することを大前提として取り組むこと」
そのうえで、来年秋に現行保険証を原則廃止する予定を見直す考えはないと強調した。
コロナ並みは自ら招いた厄災
マイナカードのトラブルに対応するため、岸田の号令で21日設置されたのが「マイナンバー情報総点検本部」だ。デジタル庁、厚労省、総務省などで構成され、河野が司令塔役を担う。
初会合で岸田は「政府を挙げてコロナ対応並みの臨戦態勢で、国民のマイナンバー制度に対する信頼を一日も早く回復するべく、政府・地方自治体・関係機関一丸となって全力を尽くして下さい」と挨拶したが、コロナ並みの危機だと認識しているのなら、いったんマイナカードの運用を停止したらどうなのか。だいたい、自らが招いた厄災だ。
「慌てて点検本部を立ち上げても、根本的な解決にはなりません。そもそもマイナカードの取得は任意だったはずです。それを保険証と紐付けることで事実上、強制したことが間違いなのです。続出するトラブルは、ポイントを大盤振る舞いする一方で、保険証と一体化することでマイナカードがないと生活できない状況に国民を追い込んで普及に躍起になってきたツケですよ。
総点検本部にしても、現行の保険証廃止ありきで、政府のメンツと利権を守るための対策でしかない。命に関わる問題なのに、国民の健康や個人情報を軽んじ過ぎています。政府がまずやるべきことは、保険証廃止の撤回でしょう」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
立憲民主党の小沢一郎衆院議員も、事務所名義のツイッターでマイナカード問題への岸田の対応について「自分で勝手に火をつけて炎上させ、散々国民を困らせ混乱させておいて、今度は『私が消しますよ』と盛んに宣伝する。こういうのをマッチポンプと言う。一度、全部停止すべき」と猛烈に批判していた。
政府のメンツと利権を守ろうとして自壊に向かう
「マイナカードを取得するメリットが多ければ、強制しなくても国民は自主的に取得し、自然と普及するものです。ところが政府はメリットを明確に説明できないから、普及のためにポイント付与などで莫大な予算をつぎ込まなければならなかった。運転免許証や母子手帳、公金受取口座など何でもかんでもマイナカードに集約することで普及を進めようとしていますが、それは情報漏洩のリスクを高めることにつながり、余計に国民の不安を招いています。
一度、個人情報が流出してしまったら取り返しがつきません。国民を騙し討ちにするような真似をしてマイナカードを強制するのは権力の横暴だし、詐欺と言ってもいい。河野大臣ご自慢の“突破力”は、政府に対する国民の信頼を破壊してしまった。それでもマイナ保険証をゴリ押しする政府は、自滅に向けて墓穴を掘っています」(五十嵐仁氏=前出)
岸田政権の拙速な進め方には、与党内からも異論が上がり始めた。有権者の反発が思いのほか大きくてビビっているのだ。
自民党の山口衆院議院運営委員長は21日、来年秋にマイナ保険証に一本化する政府の方針について「ちょっと乱暴だ。これ以上、(トラブルが)出ると来年秋はまずいだろう。(現行保険証もマイナカードも)両方使えていい。信頼がないとダメだ」と苦言。
公明党の高木政調会長も「もし課題が解決できないのであれば、時期について検討しなければいけないだろう」と言っている。
普及ゴリ押しは裏の目的があるのか
「国民の不安は高まる一方なのに、政府がマイナ保険証にシャカリキでマイナカードの運用を止めようともしないのは、何か裏の目的があるのではないかと勘ぐってしまいます。マイナカードに個人情報を集約して国民管理を徹底した先に何があるのか。軍拡を進める岸田政権のことだから、現代の“赤紙”を想定している可能性だって考えられます。
戦争をしようと思ったら、武器弾薬を爆買いするだけではダメで、戦闘員が必要です。保険証と一体化すれば、健康な男子を瞬時に峻別できる。ウクライナでは60歳までが戦闘要員の対象です。政府はオンラインでの銀行口座の開設や携帯電話の契約の際、本人確認の手段をマイナカードに一本化する方針も決めた。スマホに“赤紙”が来ることになるかもしれません。いずれにせよ、マイナカードの利用拡大は思想統制にもつながりかねず、国民の不安を無視して強制するのは人権侵害です。
とことん国民をナメている政権には、マイナカードの返納やデモなどの国民運動で怒りを示す必要がある。世論が反対の声を明確にすれば、さすがに保険証廃止も強行できない。極めつきは、やはり選挙です。年内にあるといわれる解散・総選挙で『NO』を突きつけ、マイナカードと自公政権を追放するしかありません」(政治評論家・本澤二郎氏)
毎日新聞が17、18日に実施した全国世論調査で、岸田内閣の支持率は33%と5月の前回調査から12ポイントも下落。無党派層に限れば、支持率はなんと11%という低さだったという。マイナカードの混乱が大きな要因とみられている。
総選挙でカギを握るのは無党派層の動向だ。来年の総裁選での再選を狙って解散時期を探る岸田が国民の怒りと不安を甘く見ていたら、手痛いしっぺ返しを食らうことになるだろう。
国民の不安に寄り添おうともせず、見切り発車のマイナカードを押し付けて現行の保険証を廃止する政権は、国民をナメくさっているのだ。それなら、民意によって政権から引きずり降ろす。政権転落のトラウマを今こそ思い出させてやる必要がある。
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