http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/764.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2023年6月22日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
岸田首相の忠犬見なしは不変(広島G7の日米首脳会談=代表撮影)
案の定の展開だ。もともと大したことがなかった岸田首相の求心力がみるみる衰えている。マスコミ各社の世論調査の数字はボロボロだ。
毎日新聞の調査(17、18日実施)では、5月と比べて内閣支持率は12ポイント減の33%に下落。不支持率は12ポイント増の58%に上昇した。「新時代リアリズム外交」とやらを演出すべく、地元に引っ張ったG7広島サミットのイベント効果をアッという間に溶かしてしまった。
それもそのはずで、この間、岸田はロクなことをやってない。岸田一族が特権意識丸出しで「公邸忘年会」に興じたことがバレても、首相秘書官だった長男をキズモノにはできないとかばい続け、親バカ全開。法制度の趣旨に反し、国民に強制をもくろむマイナンバーカードはトラブルが続出している。人気取りで打ち出した異次元の少子化対策は、子育て支援に過ぎない上に財源確保先送りのイカサマ。難民見殺しの入管法改悪に、差別撤廃を骨抜きにしたLGBT理解増進法のゴリ押し。原発回帰のGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法で被災地を置き去りにした。そして、「軍栄えて国滅ぶ」を地で行く防衛費倍増へ向けてまっしぐらである。
共同通信の調査(17、18日実施)でも支持率は前月比6.2ポイント減の40.8%に落ち込んだ。来年秋に健康保険証を廃止してマイナ保険証に一体化する動きをめぐっては「保険証廃止を延期するべきだ」が38.3%、「保険証廃止を撤回するべきだ」も33.8%に上り、世論の7割超が反対している。にもかかわらず、松野官房長官は19日の会見で「さまざまな意見があると承知しているが、政府の方針通りに進める」と聞く耳ナシ。朝日新聞の調査(17、18日実施)では支持率は前月比4ポイント減の42%、不支持率は4ポイント増の46%だった。
米国、財界、カルトの御用聞き
どこから見ても自業自得。解散権を弄び、イイ気になっている政権に突きつけられた支持率急降下である。終盤国会は醜悪の極みだった。最重要法案に位置付けた防衛費の財源確保法を強行するため、岸田は「伝家の宝刀」と呼ばれる解散権を振り回し、反対する立憲民主党ら野党をドーカツ。選挙態勢が整わない立憲がオロオロして採決に応じる見込みが立った途端、「今国会での解散は考えていない」と引っ込めた一連の猿芝居である。解散風が吹き荒れた永田町では、ある閣僚経験者が「選挙事務所を確保したらしい」とのウワサが一気に広がり、われ先にと街宣車の予約や選挙ポスターの作製を加速。選挙の準備に向けて皆、走り始めた。お釈迦様の手のひらなら仕方なし、ボンクラに転がされた連中は浮かばれないが、己の不明を恥じるべきだろう。
安倍元首相に散々コケにされてもすがりつき、菅前首相をなんとか引きずり降ろした岸田が総理の座をモノにしてから1年8カ月あまり。国民の安全・安心な暮らしの確立と真逆の方向へ突っ走り、人権をトコトン蹂躙。米国や財界、右派カルト団体の御用聞きに徹してきた。よくこの程度の支持率下落でこらえたものだ。アベノミクス継続によるインフレ放置で、実質賃金は13カ月連続で減少し、庶民の懐はカツカツ。米中接近でも蚊帳の外である。
バイデン政権の筆頭閣僚であるブリンケン国務長官が19日まで訪中。秦剛国務委員兼外相、中国外交トップの王毅共産党政治局員と相次いで会談した。台湾問題では応酬となったものの、習近平国家主席との会談にもこぎつけ、両国高官の対話継続の方針で一致。繰り返し要請した軍同士のハイレベル対話再開は実らなかったものの、年内も視野にバイデン大統領とのトップ会談を調整するという。11月に米国で開かれるAPEC首脳会議に合わせた開催の構想が浮上している。「国交樹立以来、最悪」(秦剛)だったこの半年の関係から、改善に向かおうとしている。
中国脅威の最前線に立たされ続ける日本
そもそも、5年ぶりとなる国務長官の訪中は昨年11月のバイデン-習近平会談で合意に至り、今年2月にセットされていたが、中国の偵察気球の米国領空侵入で頓挫。米国側が延期を発表し、米軍による気球撃墜直後に米中国防相の電話会談開催を打診したが、中国が拒否。その後は台湾の蔡英文総統の訪米や下院議長との会談に中国が激怒し、南シナ海上空で中国軍機が米偵察機に接近したり、台湾海峡で米中軍艦が異常接近するなど、緊張が高まっていた。今月上旬にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)では、米国が国防相会談を呼びかけたが、中国がまた拒否。波紋を広げていたが、スッタモンダの末に雪解けに向かうのか。口を開けば「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と台湾有事を煽り、米国のお先棒を全力で担いできた岸田の立場はどうなるのか。
上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)は言う。
「ブリンケン氏の目的は隔たりの管理。一言で言えば、ガス抜きです。ブリンケン氏と習近平氏の会談時間は35分程度とのことですから、あいさつ程度のやりとりだったのでしょうが、バイデン政権側は習近平氏が出てこない可能性を織り込んでいた。不測の事態を回避するための信頼醸成の機会を求めているのは米国だけでなく、中国もまた緊張緩和を望んでいることがハッキリした。かつての冷戦構造では米国はソ連をスパッと切ることができましたが、経済面で相互依存関係にある中国とはそうはいかない。G7サミット首脳宣言にも盛り込まれた『デリスキング(リスク低減)』に向けて右手で握手し、左手で殴り合う険悪な関係が続くでしょう。米国から見て、中国の脅威の最前線に立つのが日本です。そういう意味では戦後、日本が米国にこれほど重視された時代はなかったと言えます」
「政治不信」に重なる「政権不信」
米中関係がどう転んでも、対中包囲網の先鋒を買って出た岸田のポチ扱いは不変だということ。対中強硬外交もバカみたいに吠えていたのは日本だけ。欧州勢はそれこそリアリズムに徹している。仏独首脳は習近平の招きに応じて訪中。国賓訪問したマクロン仏大統領は台湾情勢をめぐり、「米国に追随するのは最悪だ」と本音を漏らしていた。中国を刺激すること必至のNATO(北大西洋条約機構)の東京事務所開設に反対しているとも報じられている。
身から出たサビの内憂外患。岸田政権の凋落はまだ序の口だ。来年9月の党総裁選を無風で迎えるため、夏の内閣改造・党役員人事を経て秋の解散・総選挙で勝利、なんていう再選戦略が流れているが、デタラメ政権がそこまでもつのか。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言った。
「この先、岸田政権が浮揚する要素は全くない。とりわけ深刻なのがマイナ保険証をめぐるトラブルで、定年退職した60代以降の不安をかき立てている。デジタル庁が5月末に総点検に取りかかって以降、問題件数が積み上がっていくだけ。運用を休止して制度を見直さなければ、国民的な不安が解消されるわけがないでしょう。防衛費倍増や少子化対策の財源確保先送りも、かえって先行き不安を増幅させている。政治不信と政権不信が重なり、政府への信用はますます失われています。ただ、岸田首相はライバルの力を次々にそいでいる。放送法の解釈ねじ曲げ問題をめぐり、サンドバック状態になった高市経済安保相を傍観。河野デジタル担当相はマイナカードの矢面に立たせたまま。萩生田政調会長は統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係で失速。残るは茂木幹事長で、その処遇をどうするか」
ハト派の仮面をかぶった岸田の本質は傲慢で欲深く、しぶとい。世論が本気で潰しにかからないと、こっちが潰されてしまう。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK290掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK290掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。