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※紙面抜粋
※2023年6月15日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
解散風を吹かせてご満悦か(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
本当にこのまま解散・総選挙に突入するのだろうか。国会の会期末(6月21日)が近づき、一気に“解散風”が強まっている。
公明党の山口那津男代表は、14日ラジオ番組で「(次期衆院選に向けて)これから準備したい」と発言。立憲民主党の泉健太代表まで「解散すれば、戦うのみだ」と応じている。読売新聞によると、岸田首相は解散について「いつやってもいいと思っているんです」と、自民党幹部に打ち明けたそうだ。“解散前夜”という雰囲気なのだ。
とうとう「6.16解散-7.9投開票」と具体的なスケジュールまで飛び交いはじめた。
「衆院議員は、みな浮足立っています。自民党岸田派の閣僚経験者は、選挙事務所をすぐに借りられるよう地元に指示したといいます。その話が伝わると、ほかの議員も慌てて街宣車の予約や、選挙ポスターの準備に取りかかっています」(自民党関係者)
今回、いままでと違うのは、自民党内も一色ではなく、「いまこそ解散すべきだ」と、「いや、待つべきだ」という思惑が入り乱れていることだ。“早期解散”を期待する声も強いが、東京選出の自民党議員は、公明党の選挙協力を得られないことが決定し、「このままでは落選確実だ」と早期解散に反対している。
肝心の岸田本人も、来年秋の総裁選を考えた場合、いま解散することが得策なのかどうか、揺れているという。
「夏の総選挙で勝利しても、自民党の総裁選まで1年以上あるので、なにが起こるかわかりませんからね」(政界関係者)
これまで岸田首相は、「いま解散については考えていない」と繰り返していたのに、13日には突然「情勢をよく見極めたい」と口にしている。早期解散が得かどうか、見極めているに違いない。
解散するなら争点は決まっている
しかし、これほどの党利党略、私利私欲もないのではないか。国民不在もいいところだ。
そもそも、岸田首相は解散する「大義」に困り、自民党幹部が「不信任案が提出されれば解散の大義になる」と、必死になって解散の大義を探しているのだから、バカみたいな話だ。本来、解散権は、国論を二分するような問題が浮上した時、民意を問うために行使されるもののはずである。
たとえば、いまなら「このままマイナンバーカード政策を進めていいのか」「本当に来年秋、健康保険証を廃止していいのか」を“一大争点”にして、民意を問うなら、解散する意義があるだろう。多くの国民にとって、使い勝手の良い現行の「健康保険証」が廃止されることは、重大関心のはず。有権者がイエス、ノーを決められるのなら解散する意味もある。ところが、岸田自民党は、マイナンバーカードを争点にするつもりは、サラサラない。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「本当なら岸田首相は、『安保関連3文書』を改定した昨年末、解散して国民に信を問う必要があったと思う。もし、この国会で解散するなら、少なくても『防衛費増税の財源問題』と『少子化対策の財源問題』は、争点にすべきでしょう。ところが、防衛費増税の開始時期を2025年以降に先送りし、3兆5000億円の少子化対策の財源も『国民の負担を求めない』とするだけで、詳細の決定を年末に先送りしてしまった。これでは、どちらも選挙の争点になりにくい。都合の悪いことが、選挙の争点にならないようにしているのは明らかです」
このまま解散することに、どんな意味があるのか。
解散権を乱用した安倍政権
そもそも、自民党政権は、これまでマトモに国民に信を問うたことがあったのか。とくにヒドかったのが、安倍元首相だ。都合の悪い争点を隠して大義なき解散を打ち、選挙後に国民が反対する悪政をゴリ押し。詐欺的なやり口で横暴政治を進めていた。
安倍は14年、「アベノミクス解散」と意味不明な大義で解散し、過半数を維持すると、「信を得た」とばかりに、選挙でロクに掲げもしなかった安保法制の強行採決に突き進み、九州電力の川内原発の再稼働も進めてしまった。
自民党の選挙用パンフレットには、アベノミクスの成果を自賛する文言がデカデカと並び、「安保法制」「原発再稼働」の文字はほとんど記されていなかった。国民を騙し討ちにしたのも同然だった。
さらに、17年には北朝鮮の脅威をあおり立て「国難突破」を大義に解散に踏み切った。当時はモリカケ問題で国会が大炎上。内閣支持率が低迷していたが、国難突破解散をブチ上げ、選挙に勝ったことでモリカケ問題を吹き飛ばすことにまんまと成功している。
党利党略、私利私欲による解散権の乱用は、自民党政権の常套手段というわけだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「安倍政権ほど、解散・総選挙を権力維持に利用した政権はなかったのではないか。争点を隠して国民を騙しただけでなく、それまでの悪政をチャラにし、政権強化も図っていた。選挙をリセットに使い、選挙後に閣議決定と、数の力で政策を押し進めるというやり方でした」
国民の政治離れを加速させた「争点隠し」
味を占めた岸田も全く同じことをやろうとしているのは明らかだ。この国会での解散が見送られたとしても、秋の臨時国会で解散・総選挙に踏み切るとみられている。安倍と同様に、争点を隠し、大義なき解散を打ってくるに違いない。
永田町では、「解散の大義は後からついてくるもの」などと、もっともらしく語られているが、自民党政治のそうした争点隠しとゴマカシが国民の政治離れや無関心を招いたのは間違いない。
「とくに安倍政権以降、安保法案といった国論を二分するような問題に対し、国民はイエス、ノーの意思表示をする機会を与えられなかった。その結果、多くの国民は『知らないうちに何もかも決まってしまう』と無力感を抱いているのだと思います。本来、国民に民意を示してもらう『舞台』をつくることが政治の役割のはずです。その最たるものが解散・総選挙でしょう。しかし、安倍政権のヤリ口を学んだからなのか、岸田首相からはそんな様子は見て取れない。むしろ、アベ政治を踏襲し、また争点隠しの解散・総選挙に打って出ようとしているようにしか見えません」(五十嵐仁氏=前出)
これ以上の国民愚弄は決して許されない。次の選挙で国民は岸田政権に鉄槌を下すべきではないか。このまま、岸田悪政をのさばらせていてはダメだ。
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