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マイナ大混乱「消えた年金」再来の懸念も…トラブル続出、悪評ふんぷんで岸田政権の命取りに
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/324559
2023/06/15 日刊ゲンダイ
「質の高い医療が受けられる」と繰り返す加藤勝信厚労相だが…(C)日刊ゲンダイ
「消えた年金問題」に似てきた──。マイナンバー関連のトラブルが次々と噴出している。岸田首相は14日、「万全の対策を迅速かつ徹底して講じる」と信頼回復に努める考えを示したが、今見えているのは氷山の一角。この先もあちこちで問題が起これば、政権の命取りだ。
最近のトラブル一覧をまとめたのが別表だ。住民票、ポイント、口座、医療、年金……とあらゆる分野でトラブルが発覚している。
中でも、医療現場で悪評ふんぷんなのがマイナ保険証だ。今春からマイナ保険証の受け付けに必要なシステムの導入が原則義務化され、多くの医療機関が運用を開始している。
埼玉県保険医協会が開業医を対象に実施したアンケート調査(5月16〜19日)によると、システムを運用していると回答した208人(72%)のうち、ナント148人(72%)が「トラブルがあった」と回答した。「患者情報が表示されない」「受付の混雑」「誤表示」「システム障害」などが多かった。
「想定以上にトラブルが多く、使い勝手も悪い」(同協会の担当者)という。
“ポンコツシステム”に医療現場は困惑
加藤厚労相は「質の高い医療が受けられる」と繰り返し、新システムでは患者の医療履歴などの情報を活用できると強調する。しかし「入力されている医療情報が誤っている可能性があり、誤診療や誤投薬などの事故につながりかねない。システムの情報は怖くて利用できない」(医療関係者)という。前出のアンケートでは、「現行保険証は存続すべき」との回答が85%に上った。
自治体もソッポを向きつつある。マイナンバーと公金受取口座とのひも付けの誤登録が後を絶たない。これを受けて、神奈川県平塚市はマイナンバーとひも付けた「口座」への給付金支給を当面、取りやめることを決めたが横浜市や川崎市でも同様の動きが起きている。
「これから始まるのであればともかく、マイナンバー制度はもう走ってしまっている。マイナカードはこの1年間で5700万枚から9200万枚まで普及が進み、現行保険証廃止により、マイナ保険証も広く使われていくでしょう。システムの点検や改修には時間がかかり、とりあえず現行の仕組みで進まざるを得ない。その間、国民生活や自治体の行政などで、何か支障を来す事態が相次いでもおかしくない。“消えた年金”の時と同じ展開にならないかと懸念する声が広がってきた」(自民党関係者)
2007年に発覚した「消えた年金問題」は、5000万件の記録漏れが見つかり、大炎上。09年に自公政権が倒れる引き金となった。列島中が“マイナパニック”に陥れば、岸田政権も危うい。
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