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止まらぬ強引な利活用の推進 日本は世の中がマイナンバーを強制する異様な国 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/324431
2023/06/13 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
番号で監視され、管理される意味をとことん考えてみる必要がある(C)共同通信社
公衆電話から友人の携帯に電話をかける。出てくれない。当然だ。相手には「非通知」と表示されているはずだから。
悪意のある人間からの、詐欺か悪徳セールスの電話だと思われているに違いない。私は携帯やスマホのたぐいが嫌いで、外出先では公衆電話に頼らざるを得ないのだが、それでも少し前までは相手にも「公衆電話」と表示されていたので、私だと察して、出てくれる友人が多かった。
近頃はそんな余地も奪われた。もはや公衆電話の通じる先は、110番か119番ぐらいなものではないか。ほとんど無効化と言って過言でない。総務省の主導で設置台数を大幅に減らされ、街中からほぼ消え失せた現実を嘆いていた頃が、まだしも懐かしい。発見できさえすれば、役には立ってくれていたのだ。
意地など張らずに、スマホを買えばすべて解決じゃないかと、誰もが嗤う。だが私は、あんなものに操られるのは真っぴらだ。世界中の情報を手に入れた気になって、全能感に酔いしれてしまう醜態も耐え難い。腐りきった現代社会の元凶のかなりの部分はデジタルだと確信もしている。
さて、メディアには“マイナンバー”をめぐるトラブルの報道があふれている。河野太郎デジタル担当相は「日本だけデジタル化に背を向けることはできない」と、体制の不備を承知で制度の普及を急いだ拙速を認めたが、だからといってゼロからやり直すとは決して言わない。
逆に、これからも強引な利活用が推進されていくのは確実だ。先のマイナンバー関連法制の改正は、そのためにこそ可決・成立を見たのである。
方法論は公衆電話の無効化と同様だ。あれがスマホの事実上の携帯義務化を意味したのと一緒で、“マイナンバー”の利用を潔しとしない者は、いずれ行政や民間のサービスから排除され、孤立を余儀なくされていく。
中国やロシアの“専制主義”に対する、自称“普遍的価値”に基づく“民主主義”陣営のニッポンだからして、法的なカード携帯義務は課されまい。ただし、各人が自主的に携帯しないと生きられないシステムが、世の中が、それをまた便利だ便利だと喜んで受け入れる心性が、一方的に構築されていくのである。
人間が、たかが国家ごときに番号で監視され、管理されることの意味を、とことん考えてみる必要があると、私は何度でも呼び掛ける。魂よりも利便性が大切だなんて、いったい誰が決めたんだ?
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
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