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https://www.tokyo-np.co.jp/article/255313?rct=politics
参院憲法審査会は7日、「参院の緊急集会」を巡って各会派が意見表明した。
「緊急集会」は、衆院解散後の緊急時に参院が国会の権能を代行する制度。
記事本文は、上記URLを参考にしてもらうとして、ここでは、別に掲載されている
「参院憲法審査会の要旨(2023年6月7日)」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/255314
を参考にするのが良いと考える。
そこには、各会派代表の発言の要旨が、まとめて掲載されている。
例えば、
山本順三氏(自民)
一時的な衆院議員の不存在という意味では、衆院解散も任期満了も変わりなく、任期満了時にも参院の緊急集会による対応を認めうる。(期間について)70日間を大きく超えることは、憲法の想定外だ。緊急集会は有事の場合に活用できないものではないが、(憲法に)有事を想定した制度が十分に整備されているとは言えない。緊急集会に加え、緊急政令や緊急財政処分、議員任期延長について議論を深めるべきだ。
といった風だ。
論評を加える前に、私たち主権者たる国民が確定した憲法の「役割」を確認するのがよさそうだ。
「憲法は国家権力を縛るもの」
だと言われている。
その通りだ。
つまりは、
憲法は、「国家がやってはいけないこと」、あるいは「国家がやらねばならないこと」を国民が決めて、最高法規に記したものだ。
上記の山本順三氏の発言要旨で触れている緊急集会の期間について、「・・・70日間を大きく超えることは、憲法の想定外だ。・・・」
と言っているが、果たしてそういうことを謳っているのだろうか。
憲法54条
衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
A 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。 但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
そもそも衆議院の解散は、
憲法69条で、
内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
と衆議院で不信任と議決されたときに、そのことを「了」とせず、国民に「信を問う」ために、衆議院を解散することが認められている。
内閣が衆議院を解散できる憲法の規定は、この場合しか見つけることは出来ない。
これまで乱発されている、所謂7条解散は、憲法にその根拠は無い。
憲法7条は、「天皇の国事行為」を項目別に列挙し、それとても、内閣の助言が必要であると規定しているに過ぎない。
したがって、7条を根拠に、主権者である国民が国民の代表を送り込んだ衆議院を解散するのは、明らかに憲法違反でしかない。
総理大臣と言えども、国民の代表として選ばれた国会議員の身分、権限をはく奪する権限は与えられていない。
それを認める憲法の規定は無いし、三権分立の考え方に照らしても、行政府が立法府の上位に有るがごとき「所謂7条解散」はあり得ない。
そう考えれば、内閣不信任が議決されての衆議院解散では、次の総選挙は可及的速やかに実施されないといけないことはすぐに理解できるし、国会も速やかに招集されないといけないという規定は当然のこととなる。
本来の趣旨に則れば、70日は短い方がよい。
衆議院が不存在の状況で、行政を動かす立法処置が滞るのは避けなければならないのは当然であり、そのための参議院の「緊急集会」の開催を要請することを、内閣に認めているということだ。
このような参議院の緊急集会制度には、政府の専断を排し、議会の統制なしには立法
や予算などの重要な決定をさせないよう、あくまでも国会中心主義を貫こうとする趣旨
が現れているとされる。
別の言い方をすれば、単独の国家機関の判断により講じられる緊急の措置は、「権力簒奪の危険」があり、これを極力回避するため、「内閣」に緊急集会の要求権と案件を定める権限を、「参議院」に審議・議決権を別に帰属させたということになる。
従って、憲法の趣旨は、「衆議院不存在の状況」における、緊急避難、暫定処置として、立法府の権限を参議院「緊急集会」に委ねることを認めたということだ。
整理すれば、70日という日数は、「緊急集会」を認める期間ではなく、解散から次の国会召集までの許される最大期間として、内閣に「やらねばならないこと」を明文化し、「縛り」をかけたものだ。
また、政府、自民党が緊急事態条項で目論む、山本順三氏の発言にもある「緊急政令や緊急財政処分」などの国会の機能を、緊急時を理由に一時的にでも内閣に集中させる危険を予測し、衆議院不存在の期間でも、立法府の権限を参議院「緊急集会」に委ねるよう配慮したものと言えよう。
そのことは、緊急事態を理由にして、立法府の権限を剥奪し、内閣がすべての権限を掌握するようなことは、「やってはいけないこと」として憲法に規定しているという事に他ならない。
政府、自民党が目論む「緊急事態条項」は、国民から主権を簒奪するための危険極まりないものあり、国民にとっては、「百害あって一利なし」の代物だ。
国民の基本的人権を、一瞬たりとも制限するような「緊急事態条項」を、憲法に書きこむようなことを、当の国民が望むはずもない。
「憲法は国家権力を縛るもの」、「国民を縛るものに非ず」。
憲法第11条には、
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。 この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」
として、この憲法を貫く最も基礎的な原理として記されている。
そして。憲法前文には、
「・・・この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらはこれに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。・・・」
とまで書かれている。
音喜多駿氏(維新)(抜粋)
緊急集会を行えるのは70日以内で、その限界を理由の一つとして、緊急事態条項が必要だ。・・・
これまでの説明で分かると思うが、音喜多氏の憲法に対する無知、解釈の幼稚さは、改めて指摘するまでもない。
注目すべきは、れいわ新選組の山本共同代表の発言。
「・・・非常事態だからこそ、制約はあっても国民に1票を投じる権利を保障することが重要で、非常事態への対応を含め政権は国民からの評価を受ける必要がある。・・・」
このような意識が、多くの国会議員に共有されていれば・・・と思わずにはいられない。
その他には、
杉尾秀哉氏(立憲民主)、西田実仁氏(公明)、大塚耕平氏(国民民主)、山添拓氏(共産)、の発言要旨も掲載されている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/255314
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