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実質「森派」? 決め手欠きまだ決まらない「ポスト安倍」
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2023/05/17/kiji/20230517s00042000118000c.html
2023年5月17日 05:30 スポニチ
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昨年7月の安倍晋三元首相死去後、会長ポストが空席となっている自民党最大派閥・安倍派(清和政策研究会)が16日、東京都内で政治資金パーティーを開いた。同派運営に強い影響力を持つ森喜朗元首相が後継選出を巡り「一つのめど」と言及、注目が集まっていた代表あいさつの人選。マイクを握ったのは会長代理の塩谷立元文部科学相だった。
補欠選挙を経て所属議員数が100人となった安倍派。塩谷氏は、安倍氏死去後も一人も脱退しなかったと結束を強調した上で「最大派閥としての期待に応えたい」と述べた。しかし、塩谷会長案は既に消滅。昨秋「つなぎ役」として模索されたが、若手が猛反発。森氏もダメ出ししたとされている。数を誇示する宴は、衆目の一致する党総裁・首相候補が見当たらず、収れんさせられない窮状を映しているようだった。
有力候補は萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長、松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、高木毅国対委員長。森氏も会合で5人衆に触れるなど「早く絞り込めとのスタンス」(永田町ウオッチャー)。しかし、「誰がなっても巨大派閥をまとめられるか不透明。依然、分裂含み」(安倍派関係者)。あいさつの人選には森氏の意向も反映したとされ、同関係者は「遠心力が働くことを避けた」との見方を示した。
後継レースは初当選同期の萩生田、西村両氏が一歩リードとされるが、「決められない安倍派」を象徴するように「萩生田会長、西村総裁候補」というすみ分け案が浮上。
世耕氏の動向も焦点。同派議員の4割を占め結束力のある参院グループ「清風会」会長で、共同代表制を画策する動きも。「萩生田・世耕派」か「西村・世耕派」か。首相の座を目指し衆院への鞍替えをもくろんでおり、慎重に見定めている。
いずれにせよ、7月の安倍氏一周忌が控える中、後継選びは今後も難航が予想される。5人衆と会食するなど、キーマンと目される森氏。3月下旬には、くじ引き決着案にまで言及した。
確実に言えるのは、森氏の存在感が増していることで、政府関係者は「森氏がにらみを利かせる“森派”の状態がしばらく続きそうだ」と指摘。岸田文雄首相は森氏と良好な関係にあり、安倍派にかかわる問題の相談相手でもあるという。「政権運営上、代替わりが進むより“森派”のままの方がありがたい」――。官邸からは、こんな声が聞こえてきそうだ。
≪萩生田氏“本命”≫決め手に欠ける会長の後継レースだが、スポニチ本紙の取材では萩生田氏がトップだ。安倍氏に最も近かったことで、中堅・若手から待望論が広がる。森氏も「総合力は最も高い」と評価する。しかし、安倍氏ほどのカリスマ性はなく、当選回数も6回。大所帯をまとめきれるかが未知数だ。元通産官僚で、09年の総裁選に出馬した西村氏の能力を推す声もあり、その差はわずかとみられる。参院約40人をまとめる世耕氏の動向も注目される。
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