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岸田首相は「維新潰し解散」に打って出るのか…連立組む公明党の衰退が足カセに
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/322165
2023/04/27 日刊ゲンダイ
補選は辛勝(岸田首相=左)、候補者集めに必死(日本維新の会の藤田幹事長)/(C)日刊ゲンダイ
「もし早く解散を打ってこられるのであれば、自公の『維新潰し』だと捉えさせてもらう」──。衆院解散をめぐる、「日本維新の会」の藤田幹事長の発言が話題だ。額面通りに受け取れば、いま解散に打って出られたら潰される──と恐れを抱いているということだ。岸田首相は「維新潰し解散」に打って出るのか。
◇ ◇ ◇
維新は今回の統一選で、「地方議員600人以上」の目標を達成。地方議員と首長の合計が774人に達した。
「維新は中期目標として、次期衆院選で『野党第1党』になることを掲げています。『地方議員600人以上』は、全国政党化に向けた地方組織強化の一環。大阪発の地域政党として始まった維新にとって、地方組織の足腰の弱さが大きな課題です。地方議員が汗をかいてくれなければ、きたる衆院選で比例票は増えても、小選挙区で現職を破るのはなかなか難しい」(政界関係者)
実際、維新幹部は「今すぐに解散されたら困る」と懸念しているという。地方議員数の目標を達成したとはいえ、組織は固まっておらず、肝心の候補者も「70人前後」(維新の馬場代表)にとどまっている。全国289の小選挙区に候補者を立てるとしたら、残り約220人を急いで集めなければならない。
「一生懸命かき集めている最中だが、無理してすべての選挙区に立てる必要があるのかどうか」(ある維新幹部)との声も漏れる。
次期衆院選を見据え、維新はゴールデンウイーク明けの来月9日から、国会議員候補者向けの「エントリー説明会」を実施する予定だ。
いま解散するメリットがない
衰退が著しい(公明党の山口代表)/(C)日刊ゲンダイ
一方、統一選の勢いそのまま衆院選に突入した方が、維新にとって議席上積みのチャンスになるとの見方もある。解散権を握る岸田首相にとって、維新を潰すためには、動く方が得策なのか。ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「今回の衆参5補選の結果と内閣支持率の上昇を踏まえれば、岸田さんに解散するメリットがあるとは思えません。補選の結果は自民の4勝1敗でしたが、勝ち方が良くない。和歌山1区に至っては維新新人に敗れています。自民に風が吹いている状況ではないうえ、連立を組む公明党の衰退が著しい。統一選で12人が落選し、集票能力は明らかに陰っています。解散となれば、公明が維持してきた関西6小選挙区に維新が候補者を立てかねず、公明が解散にオーケーを出すとは考えにくい。では、なぜ解散説が出てくるのか。首相周辺が自民党内を引き締め、首相の求心力を高めるために流しているのでしょう」
維新の候補者がそろってから解散した方が、自民には有利という意外な見方もある。
「自民党にとって一番嫌なのは、野党と1対1の対決になることです。野党候補には乱立してもらいたい。維新の馬場代表は、立憲民主党との選挙協力について『あり得ない』と断言しています。これは自民にとって都合がよい。立憲と維新が同じ選挙区に候補者を立ててくれれば、与野党一騎打ちの構図が崩れる。自民が漁夫の利を得やすくなる。そう考えると、維新の準備が不十分なうちに解散するのは得策ではない」(永田町関係者)
岸田首相がサミット後解散を見送れば、維新は次期衆院選を準備万全で迎えることになる。
いずれにしても「自民安泰」とはいきそうにない。
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