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※2023年4月24日 日刊ゲンダイ2面
※2023年4月24日 日刊ゲンダイ2面
※2023年4月24日 日刊ゲンダイ3面
※文字起こし
衆参補選は自民の4勝1敗 「歴史の分岐点」にこの結末と今後【後編】
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/322043
2023/04/24 日刊ゲンダイ
和歌山も制した維新拡大の背景と不気味な今後
衆院和歌山1区補選、初当選を決め、日本維新の会の馬場伸幸代表と握手する林佑美氏(C)共同通信社
「自民以外に託してみようとの雰囲気が、かなり大きなうねりとなった」──。「自民VS維新」の構図となった和歌山1区は激戦の末、維新新人の林佑美氏(41)が自民の門博文前衆院議員(57)に勝利。接戦を制した維新の馬場代表は23日、党勢拡大への自信をのぞかせた。
統一選前半戦の道府県議会選で維新は、選挙前の倍以上となる124議席を獲得。神奈川県議会で6人が当選するなど、ホームグラウンドの関西以外にも着実に“侵食”し始めている。
もっとも、「維新旋風」のごとく報じられているが、和歌山での勝利は維新人気というよりも、敵失による“漁夫の利”だ。
「和歌山の有権者にしてみれば、『門に入れるか、維新に入れるか』を問う選挙戦でした。つまり、『門を選ぶかどうか』が焦点で、路チュースキャンダルなど負のイメージを払拭できなかった門さんへの批判票が維新に集まりました。加えて、問題なのが自民党のガバナンスの欠如です。候補者調整でモメたことで、門さんに一本化しても自民は一枚岩で戦えなかった。本来なら中央から幹部が入ってうまく調整するところを失敗したわけです。図らずも襲撃事件で注目を集め、岸田首相が2回も演説入りしたのに、結果は振るわなかった。『維新が勝った』というよりも、『自民が負けた』戦いでした」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
千葉5区補選や世田谷区長選などの結果を見ると、維新に全国的な風が吹いているとは言い難く、まだまだ「近畿限定の政党」といった印象は拭えない。
「維新の目標は、地方組織を強化して次の総選挙で躍進、野党第1党に躍り出ることです。その足がかりである『地方議員600人』は達成しました。ただ、党勢拡大に従い、議員の質がきちんと担保できるのか。国政政党としての政策を提示できるのか。課題は山積みです」(鈴木哲夫氏=前出)
憲法改正や入管法改正などで自民と足並みを揃える「ゆ党」が、野党第1党の座を本気で狙いにきているのだから不気味だ。しかし、「維新ひとり勝ち」の結果に、立憲はますます立場を揺るがされることになった。
争点を報じず、爆弾男報道に明け暮れた大マスコミ
今度の衆参5補選について、メディアは「岸田政権に対する中間評価の位置づけ」だと報じてきた。しかし、そうした意識を有権者がどれだけ持って投票したのだろうか。
というのも、統一地方選と同時期だったこともあるが、いつにもまして補選に関する報道が少なかったからだ。
特に15日に和歌山で、首相の演説直前に爆発物が投げ込まれる事件が起きて以降、新聞の社会面は捜査状況に関する記事が大きなスペースを占めた。ただでさえ大リーグ・エンゼルスの大谷の動向がトップ扱いのテレビも、自作とみられるパイプ爆弾の殺傷力や要人警護の問題点などの報道に明け暮れ、今度の国政選挙の重要性については、まったくと言っていいほど語られなかった。
あらためて言うが、「中間評価」なのである。
この1年半、岸田は「新しい資本主義」の輪郭すら語れず、物価高への対応も電力会社に補助金の弥縫策。一方で、敵基地攻撃能力の保有や防衛費倍増を決め、軍拡路線へひた走る。専門家すら安全性に疑義を呈しているのに原発の運転延長や新増設に舵を切った。
国民はこんなマッチョ政治を望んでいたのか。血税が少子化対策より米国製兵器の爆買いに優先的に使われてもいいのか。
街頭演説で党首らは自分たちに都合のいいことばかり言う。だからこそメディアが有権者に判断材料を提示する必要がある。安倍政権以降、権力の監視が弱体化した大マスコミは、有権者に争点を提示する使命も放棄してしまったのか。
「山口の2選挙が顕著でしたが、マスコミは永田町の論理の政局報道ばかりで、あえて争点をそらしているように見えました。国政選挙ですから、自民が勝てば岸田政権を『信任』することになる。日本が『新しい戦前』になるのかどうか。戦争か平和かの分岐点という視点の報道が弱かったのは残念です。マスコミが打ち出さないと有権者は意識できません」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
これでは岸田は、楽チンで暴政を続けられる。
首相が飛び回っても大接戦 これで解散・総選挙はどうなる
与野党とも総力を挙げた選挙戦で、岸田は最終日の22日に大分、和歌山、千葉の3県を回って支持を訴えた。直線距離でも片道800キロを超える大移動。3カ所とも告示後2回目の応援演説という力の入れようだった。
この5補選で、岸田政権は勝敗ラインを「3勝2敗」に設定していた。もともと自民が持っていた山口の2選挙区と千葉を維持するという意味だ。こんな低い目標を掲げた割に岸田が応援に駆けずり回ったのは、4勝以上なら解散・総選挙に弾みがつくからだ。
5月19〜21日に地元の広島で開催されるG7サミット後に岸田が衆院解散に打って出るという観測は根強い。
自民党総裁任期は来年9月まで。岸田が再選を目指すのであれば、それまでに総選挙に勝利する必要がある。岸田では選挙に勝てないというイメージがつけば再選はおぼつかない。無能無策なクセに国民から支持されていると勘違いしてイイ気になっている岸田に対し、菅前首相をはじめとする党内非主流派の不満もくすぶっている。補選で負け越せば求心力が低下し、岸田降ろしがいつ勃発してもおかしくない情勢だった。
注目の補選を4勝1敗という成績で乗り切った岸田は、この勢いでいよいよ解散・総選挙に打って出るのか。
「勝ったといっても内容はよくない。岸田首相が最終日に回った3選挙区のうち、和歌山は維新に負けて、大分と千葉は日付をまたぐまで結果が分からない大接戦だった。野党が乱立した千葉でもすんなり勝てないようでは話になりません。早々に自民が勝利を決めた山口の2補選にしても、圧勝と言える数字ではなかった。この勝ち方では、総選挙でも苦戦するのは確実です。内閣支持率が上がっているといったって、爆弾テロ未遂などの影響を受けた情緒的なもので、個別の政策が評価されているわけではない。とても解散なんて打てる状況ではないでしょう」(政治評論家・野上忠興氏)
爆弾事件は補選に少なからず影響を与えただろう。岸田や自民候補への同情票もあっただろうし、何より政権批判がはばかられるムードが漂った。そんな中での自民勝利にどれほどの意味を見いだせるのか。不明瞭な選挙結果は、この国の未来を暗示しているかのようだ。
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