http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/239.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2023年4月24日 日刊ゲンダイ2面
※2023年4月24日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
衆参補選は自民の4勝1敗 「歴史の分岐点」にこの結末と今後【前編】
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/322042
2023/04/24 日刊ゲンダイ
安倍流を引き継ぐ暴政を粉砕できなかった選挙結果
薄氷の勝利だった(衆院千葉5区補選・英利アルフィヤ氏の応援演説をする岸田首相、同氏が当選=右)/(C)日刊ゲンダイ
23日行われた衆参5補選は、この国の行く末を決める大事な選挙だった。
岸田政権は“安倍流”を引き継ぎ、閣議決定で何でも決める国会軽視と政治の私物化、そして米国隷属を恥じることなく進めている。
物価高を放置し、あろうことか増税路線をひた走る政権が続けば庶民生活はどうなるのか。わが国の存亡がかかる少子化対策よりも防衛費増額を優先し、「異次元」と大見えを切った少子化対応は小手先のバラマキでゴマカす姑息。自民党が勝ち越せば、その暴政を許すことになる。
衆院千葉5区、和歌山1区、山口2区、山口4区、参院大分の5補選には連日、与野党ともに幹部が応援に入る総力戦が繰り広げられた。和歌山1区では、岸田首相の応援演説会場で爆弾が投げ入れられる事件も起き、選挙結果にどう影響するのかも注目された。
もっとも、よく言われるように、補選は「中間評価」という位置づけだ。選挙結果によって政権交代することはないわけで、現政権に不満があれば投票行動で意思表示すればいい。有権者はよくよく考えて投票先を決める必要があったのだが、フタを開けてみれば自民党の4勝1敗という結果だった。
「この勝利に岸田政権はますますツケ上がり、大軍拡、大増税路線を突き進んでいくことになるでしょう。ただでさえ庶民に負担を押し付けて好き放題に税金を使っている岸田自民は、本来なら補選全滅でもおかしくなかった。この補選で自民が負け越せば、国民世論が選挙によって暴走に歯止めをかけるチャンスだったのに、国民は自らの首を絞める結果を選んでしまいました。投票率がどこも低かったのは、無党派層が動かなかったということです。軍拡や原発、旧統一教会との関係を争点にせず、世襲選挙のおかしさも報じなかった大メディアの責任は大きい。自民の勝ち越しで、旧統一教会の問題もチャラになってしまいかねません」(政治評論家・本澤二郎氏)
第2次安倍政権以降、国民の合意形成を無視して分断を煽る暴政が続いている。無党派層は「自分の一票では何も変わらない」と諦めてしまったのかもしれないが、それでは権力側の思うつぼなのだ。自民がかろうじて競り勝った参院大分選挙区は、全県でわずか341票差である。日々を必死に生きる有権者が一票を投じることで政治は変わる。そうはさせたくない政権与党と大メディアの策略にハマって無党派層が棄権すれば、国民生活は苦しくなる一方だ。
有権者を愚弄した安倍弔い選挙の醜悪
安倍元首相の横死に伴う山口4区の補選は、弔い選挙を徹底した自民党新人の吉田真次氏(38)が制した。安倍の選挙を長年支えてきた昭恵夫人が擁立を主導した元下関市議だ。午後8時の投票終了と同時に当確が出る「ゼロ打ち」。昭恵氏が連日訴えた「圧倒的な勝利」をモノにした。銃撃事件の端緒となった統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との癒着、景気回復どころか物価高を引き起こしているアベノミクスの虚飾、解決の兆しすら見えない北朝鮮による拉致問題──。立憲民主党の有田芳生前参院議員(71)は「アベ政治の検証」を前面に押し出し、有権者に翻意を迫ったが、歯が立たなかった。吉田に敗れたというよりも、安倍の影に負かされたと言った方がいい。とにかく有権者を愚弄した選挙戦だった。
吉田陣営で先頭に立った昭恵氏は、朝から晩まで行く先々で泣きっぱなし。出陣式では「いろんなことを思い出して涙が止まらなくなってしまった」と泣き、万歳後の挨拶では「主人は私のことも応援していた」と泣いていた。
「昭恵夫人の涙が同情票を集め、離れかけていた元首相の支援者の票を固めた。吉田氏は国政に送り出すのにふさわしい政治家なのか。最も肝心な点は有権者の判断材料にならなかった印象です」(ジャーナリスト・横田一氏)
吉田は市議時代、アジア蔑視ムキ出しの差別発言をツイッターなどでまき散らしていた。この陣営にして、この候補ありなのかもしれない。
統一教会とズブズブの萩生田光一政調会長、下村博文元文科相、江島潔参院議員が出陣式で臆面もなくマイクを握ったのも有権者をナメ切っているがゆえんだ。
この後は、次の衆院選の区割り変更で4区が組み込まれる「新3区」をめぐって、吉田(安倍派)と林外相のバトルが勃発しそうだが、しょせんは自民党内の内輪モメ。地殻変動を期待する方がバカみたいだ。
民主主義より封建主義を選択した山口2区の時代錯誤
岸信夫前防衛相の辞職に伴う山口2区の補選は、政界の名門・岸家と安倍家の血を引くサラブレッドが首の皮一枚で議席を継承した。岸の長男・信千世氏(31)と、民主党政権で法相を務めた元職の平岡秀夫氏(69)の得票差は5768票。とりわけ強力な「地盤」「看板」「カバン」を引き継いだ世襲候補としてはあり得ない僅差ではあるが、それでもこの選挙区は民主主義より封建主義を選んだということだ。血筋で職業が決まるのは民主主義社会とは言えない。
有権者を見くびっていたのか、信千世陣営の動きは終始マズかった。告示前にホームページで家系図を見せびらかし、永田町の高級ホテルで新人らしからぬ大規模な政治資金パーティーを開催。政見放送では「岸信夫の長男として生まれ」「父・岸信夫をそばで支え」「父・岸信夫の代わりに地元選挙区を」といった具合で、世襲アピール全開だった。普通に考えれば鼻つまみものなのに、不条理がまかり通った。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「善悪も良し悪しも関係ない。家の格で投票先を選ぶ有権者、あるいはいろんな意味で岸家にぶら下がる有権者が一定数いるということでしょう。山口は保守王国と言われますが、2つの補選の戦いぶりで浮き彫りになったのは、むしろ異様さ。閉鎖的であり、封建的。全国で一斉に選挙戦が展開される総選挙ではかき消されるいびつさ、世の中との乖離が、補選だったのでハッキリ見えた」
フタを開けてみれば薄氷の勝利なのに、信千世が万歳したのは早かった。投票終了から間もない午後8時10分ごろ。一部メディアが当確を打ったからだが、手堅い選挙報道に徹するNHKが当確を伝えたのは午後10時20分ごろだった。
「例の家系図騒動で旧佐藤派の票を取りこぼしたんですよ。佐藤栄作元総理の名前はあるのに、次男の佐藤信二元運輸大臣は抜けていた。古くからの佐藤家支援者からすれば、フザケルナという話。接戦になったのは、平岡に票が流れたからです」(県連関係者)
山口の夜明けはまだまだ訪れないのか。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK290掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK290掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。