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まさに高市早苗のオウンゴール。奈良県知事選で自民候補が維新に惨敗した明確な理由
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2023.04.13 『きっこのメルマガ』 まぐまぐニュース
4月9日に行われた統一地方選の奈良県知事選で、日本維新の会に惨敗を喫した自民党。「自民王国」の一つに数えられる奈良県で、なぜこのような事態が起きたのでしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、「維新の躍進ではない」とした上で自民敗戦の理由を解説。彼らが有権者から見放された2つの原因を紹介しています。
戦犯は高市早苗。奈良県知事選でオウンゴールの大迷惑
統一地方選の前半戦として9日(日)に投開票が行なわれた41道府県議選と17政令市議選は、翌10日、全議席が確定しました。岩手、宮城、福島、茨城、東京、沖縄を除く41道府県で実施された道府県議選の政党別の当選者数は、自民党が1,153議席と、前回2019年の1,158議席から5議席減らしたものの、総定数の過半数を守りました。
立憲民主党は185議席を獲得し、自民に次ぐ第2党となりました。以下、公明が169、共産が75、日本維新が69、国民民主が31、参政が4、社民が3、大阪維新を含む諸派が78、無所属が493、れいわ新選組は議席を獲得できませんでした。目を見張るのは日本維新の会です。ここでは「諸派」に分類しましたが、地域政党「大阪維新の会」を合わせると、124議席へと大躍進したのです。
また、仙台、静岡、北九州を除く17市で行なわれた政令市議選は、自民が292、公明が171、立民が112、共産が93、日本維新が72、国民が14、社民が4、参政が3、大阪維新を含む諸派が92、無所属が152でした。「諸派」の中の「大阪維新の会」を合わせると、こちらも日本維新が大躍進です。
そして、これらの数字は、同じ国会で議論をする国政ではなく、各県議会、各市議会で議論する地方政治なので、政党別の議席数だけでは計れません。たとえば、日本維新の会は、トータルの議席数では自民の足元にも及びません。しかし、地盤の大阪では、定数79の府議選では55議席、定数81の市議選では46議席と、府議会も市議会も過半数を押さえた上、府と市の両首長選も制しました。
トータルの議席数が圧倒的な自民は、一見、盤石に見えますが、今回の大阪市議選では僅か7議席のみ、定数の1割も獲れなかったのです。そして、そんな自民は、初めから勝ち目がなかった大阪府知事と大阪市長の「ダブル選」で地域政党「大阪維新の会」に敗北しただけでなく、余裕で勝てるはずだった奈良県知事選でも、大差で日本維新の会に敗北してしまったのです。
しかし、これは維新の躍進ではなく、自民が墓穴を掘っただけなのです。何よりの原因は、やはり奈良を地盤とする高市早苗大臣の迷走でしょう。総務大臣時代の行政文書問題で、小学生が見てもバレバレの大嘘を塗り重ねた国会答弁には、国民の7割近く、自民党支持者ですら半数近くが「信用できない」と回答しました。奈良の保守層の「自民党離れ」を加速させた最大の原因は、選挙直前に高市大臣が自分で巻き起こした「捏造騒動」なのです。
高市早苗の「オウンゴール」を証拠付ける数字
そして、もう1つの原因は、誰が見ても分かるように「保守分裂」です。当選を果たした維新の新人、山下真氏の得票は26万6,404票、自民の奈良県連が推薦した新人の平木省氏は19万6,729票、自民の二階俊博氏と茂木敏充氏が出馬させた現職の荒井正吾氏は9万7,033票でした。自民が平木氏1人に候補を絞っていれば「19万6,729票+9万7,033票=29万3,762票」、余裕で勝っていました。
それに、今回の奈良県知事選では、出口調査の結果、自民党支持者の3割近くが維新の山下氏に投票したと報じられました。そして、その理由の多くは、「高市大臣の行政文書問題」と「保守分裂」でした。その結果、自民は、知事の座を維新に明け渡しただけでなく、奈良県議会選でも議席数を23から17へと6議席も減らしたのです。一方の維新は、3から14へと大幅に伸ばしました。
数字だけを見れば維新の大躍進ですが、出口調査では「私は自民党支持者だが、今回は高市大臣の問題で腹が立ったので維新に投票した」という声も数多く聞かれました。つまり、維新が躍進したのではなく、自民が蒔いた種であり、高市大臣のオウンゴールなのです。
それなのに、高市大臣は自身のツイッターで、「自民党奈良県連が推薦した平木省さんは、厳しい情勢が伝えられる中でも、最後まで明るく、正々堂々と立派に闘い抜かれました」などと完全に他人事の投稿をして、上から目線で選挙スタッフを労う始末。この人、自分が自民党票を激減させた張本人だと分かっていないのでしょうか?それとも、分からないふりをしているのでしょうか?
奈良県知事選挙。自民党奈良県連が推薦した平木省さんは、厳しい情勢が伝えられる中でも、最後まで明るく、正々堂々と立派に闘い抜かれました。「チーム平木」として懸命に応援し続けて下さったボランティアの皆様(有給休暇を使い切ってしまった自民党青年局の皆様も)、有難うございました!
— 高市早苗 (@takaichi_sanae) April 9, 2023
このKYぶりで行くと、「自民党支持者だが高市大臣に腹を立てたので維新に投票した」という多くの有権者の声についても、「そのような声は怪文書のたぐいだ!」「それは捏造だ!」「捏造でなかったら私は大臣も議員も辞める!」とでも言い出しかねませんね。
チャボさん(仲井戸麗市さん)が大学ノートの裏表紙に描いた『さなえちゃん』は、鉛筆で描いたからいつの間にか消えてしまい、二度と会えなくなってしまいましたが、奈良県の自民党支持者の多くも、たぶん「高市さなえちゃん」には二度と会いたくないと思っているでしょう。そして、行政文書が捏造でないと判明したのですから、トットと消えてほしいと思っているでしょう。
(『きっこのメルマガ』2023年4月12日号より一部抜粋・文中敬称略)
image by: Instagram(takaichi_sanae)
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