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深刻!インドの大気汚染 原因と対策は/安間英夫・nhk
2023年12月15日 (金)
安間 英夫 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/490403.html
海外の有望な進出先として日本企業の間でも期待が高まるインド。
大気汚染が深刻で、1年のうち、冬のこの時期がもっとも悪化するというのですが、その原因と対策についてお伝えします。
Q)インドの大気汚染、どのくらい深刻なのでしょうか。
A)ニューデリー支局によると、この時期、現地はスモッグで空がかすみ、日本の気象情報でよく言われる「雲ひとつない青空」はとても望めないそうです。
インドでも特に北部、ニューデリー首都圏は、11月から1月ごろにかけて大気汚染が深刻となります。
日本の国立環境研究所とインドのアーリヤバタ観測科学研究所が共同研究の一環として在インド日本国大使館の屋上で大気汚染物質の計測を行い、データを公開しているのですが、
それによると、この時期(11月から1月ごろまで)は、大気汚染物質PM2.5の1日の平均値が軒並み日本の環境基準のおよそ3倍以上となり、もっともひどいときでおよそ8倍、市内で100メートル先が見えないときもありました。
インドはことし、人口が中国を抜いて世界一になったとされますが、大気汚染も今やインドのほうが中国より深刻な状況です。
Q)なぜこの時期に悪化するのでしょうか。
A)まず大きな要因は「野焼き」です。
インド北西部に農業地帯があり、この時期、収穫が終わったわらなどを焼くため、煙が季節風で流れてくる。これが一つ。
二つ目はヒンドゥー教の「ディワリ」という「祭り」が11月中旬にあり、多くの人が爆竹や花火を燃やしたこと。
さらにこの時期は雨の少ない「乾季」で、上昇気流が発生しにくく、空気がとどまること。
そして「経済成長」に伴い、車や工場・発電所の排気などが増加していること。
このように原因は、古くからの風習、気象条件、経済成長が交錯し、複合的なのが特徴です。
Q)対策はどうなっているのでしょうか。
A)原因が複合的で対策もなかなか難しいのが実情です。
インド政府は大気浄化の国家計画を掲げ、自治体レベルで▼車の通行や工場や工事を規制したり、▼水を撒いてほこりを抑えたりするなど対策を進めています。
野焼きもわらを焼かずに処理するのに補助金を出して対策を行っていますが、一朝一夕にはいかず、改善は容易ではありません。
Q)現地の人たちの健康被害が心配されますね。
A)呼吸器疾患を訴える人は多く、国民の平均寿命にも影響していると危惧されています。
この問題は、何よりインド国民、また外国からの駐在員の健康に直結し、大国化するインドにとって避けては通れない課題です。
インドには日本企業も1400社あまりが進出し、およそ8000人の日本人が駐在しています。
現地の日本大使館では、汚染が深刻な地域を中心に在留邦人に対して汚染がひどいときには不要不急の外出を避けることやマスクの着用などの注意を呼びかけています。
インドの大気汚染、国の規模が大きいだけに周辺国、世界の課題でもあり、改善に向けては、日本はじめ各国が協力できる余地は大きいのではないかと思います。
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