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プーチン大統領 中東外交活発化 思惑は/安間英夫/nhk
2023年12月07日 (木)
安間 英夫 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/490196.html
ロシアのプーチン大統領が、中東の主要国の首脳たちと相次いで会談を行い、中東外交を活発化させています。
その思惑について、安間解説委員とお伝えします。
Q)プーチン大統領、ずいぶんせわしなく動いているようですね。
A)
プーチン大統領はきのう(12月6日)、UAE=アラブ首長国連邦とサウジアラビアの2か国を日帰りで訪問しました。
そしてきょう(7日)には、ハマスを支援してきたイランのライシ大統領をモスクワに招いて会談する予定です。
非常にタイトな日程で、それだけ実現したかったということでしょう。
ロシアは、ウクライナ侵攻で欧米から厳しい批判と制裁を受け、孤立化が指摘されてきました。
ただことし10月以降、中東、ガザ情勢が緊迫化していることは、国際社会のウクライナへの関心が相対的に弱まるという点で、ロシアには有利に作用しています。
一連の中東外交は、
▼ガザで休戦が終了し戦闘が再開され、イスラエルやアメリカに再び国際的に厳しい目が向けられていること、
▼アメリカで、ウクライナへの支援や反転攻勢の行方に懐疑的な見方が広がっていることなどから、アメリカに対抗するうえでよい機会と捉えたのだと思います。
Q)プーチン大統領はどのような成果を上げたいのでしょうか。
A)
中東への関与を内外に示すことです。
具体的にはまず石油です。
中東の3か国はOPEC=石油輸出国機構のメンバーで、ロシアはOPECプラスと呼ばれる枠組みに加わり関係を深めてきました。
11月もOPECプラスの会合が行われたばかりで、産油国首脳どうし、直接会談することで、国際市場での影響力を誇示することができます。
次に新興国の集まり、BRICSです。
BRICSはもともとブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの国々の枠組みでしたが、来年からこの中東3か国を含む6か国が新たに加わることになりました。
来年議長国を務めるロシアとしては、アメリカなどに対し、中国やインド、中東、アフリカ、南米にまたがる新たなBRICSの結束を印象づけようというねらいがあります。
さらにカザ情勢をめぐっても、パレスチナ寄りの中東の国々との連携を印象づけ、イスラエルを支持するアメリカをけん制し、巻き返そうというわけです。
Q)巻き返しはうまくいくのでしょうか。
A)
そう簡単ではないと思います。
ロシアでは来年3月に大統領選挙が予定され、プーチン大統領としては外交で得点を挙げ、アメリカへの対抗姿勢を国内的にもアピールしたいところです。
ただ、プーチン大統領にはICC=国際刑事裁判所から逮捕状が出され、首脳外交は依然大きな制約を受けています。
また、ウクライナでは激しい戦闘が続き、国際的な批判や懸念を払拭することは容易ではありません。
プーチン大統領の思惑通りに行くかどうか、注意深く見ていく必要がありそうです。
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