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バイデンよ、ただで済むと思うな…プーチン「最後の逆襲」が始まった 舐められた「老いぼれ」/現代ビジネス
近藤 大介 によるストーリー • 昨日 6:00
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%88-%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%A7%E6%B8%88%E3%82%80%E3%81%A8%E6%80%9D%E3%81%86%E3%81%AA-%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3-%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E9%80%86%E8%A5%B2-%E3%81%8C%E5%A7%8B%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%9F-%E8%88%90%E3%82%81%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%9F-%E8%80%81%E3%81%84%E3%81%BC%E3%82%8C/ar-AA1e8CAc?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=e7332611977f45cfbe6f552b88b70b3e&ei=7
ビリュニスの肩透かし
「春の反転攻勢」――こう呼ばれたウクライナ軍によるロシア軍への反撃は、7月11日、12日にリトアニアの首都ビリュニスで開かれたNATO(北大西洋条約機構)首脳会議を目指して実行されたものだった。アメリカを始めとするNATO加盟各国から多大な支援を得ているウクライナとしては、さらなる巨額の支援を得るため、そして悲願であるNATO加盟を果たすために、「悪のロシア」に対する「勇猛果敢な攻勢ぶり」をアピールしようとしたのだ。
だが、ビリュニスに乗り込んでいったウォロディミル・ゼレンスキー大統領の表情は冴えなかった。「支援の継続」こそ示されたものの、NATO加盟への「タイムスケジュール」は出してもらえなかったからだ。
加えて、喉から手が出るほど供与してほしいアメリカ製F16戦闘機について、NATOが合意したのは、「ウクライナ人パイロットによる訓練を8月から始める」ところまでだった。しかも、その「訓練チーム」に、肝心のアメリカは加わることを拒んだのだ。
一言で言えば、「ビリュニスの主役」であるはずのジョー・バイデン大統領は、及び腰だったのだ。スウェーデンのNATO加盟への道筋をつけ、ロシアに対する中長期的プレッシャーを強めたことで、「これでいいでしょう」という感じだ。
ウクライナ戦争の戦況について言えば、希望的観測は横に置いておいて、これからは「プーチンの逆襲」が本格化するのではないか。なぜなら、「時間はロシアに有利に働く」からだ。
忍び寄るトランプの影
周知のようにアメリカは、来年11月の大統領選に向けたキャンペーンの季節に入っていく。バイデン大統領の「最大のライバル」ドナルド・トランプ前大統領は、「自分が大統領に返り咲いたその日に、ウクライナ戦争を終結させる」と公言している。つまり、ウクライナへの支援をストップするということだ。
「ウクライナに(昨年2月から今年6月まで)466億ドル(約6.5兆円)もつぎ込むのだったら、もっとアメリカ国民のために使え」――こうした主張は、すでにアメリカ国内で沸々と起こり始めている。もしあと半年経っても戦況が膠着状態のままなら、そうした声はさらに強まっていくに違いない。
そうなるとバイデン大統領としては、再選を果たすために、停戦を急がざるを得なくなる。そこに、フランスを始めとする「ウクライナ疲れ」が顕著になってきたヨーロッパの一部の国が乗っかるだろう。
一方、プーチン大統領もまた、来年3月に大統領選挙を迎える。ロシア軍の消耗、被害は甚大とはいえ、「ウクライナ領の4分の1を占領した」と大々的にアピールして、再選を狙うだろう。かつ、いまのロシアに、四半世紀近く大国を牛耳っている独裁者を打ち負かすほど有望な野党候補が出現するとも思えない。
チンピラ・プーチンの逆襲
結局、ロシアによるウクライナ侵攻から約1年半で分かったことは、「紳士はチンピラにかなわない」ということではなかろうか。紳士とはバイデン大統領で、チンピラとはプーチン大統領のことだ。
プーチン大統領のやっていることは、「チンピラの論理」で説明できる。街を徘徊するチンピラは、自分の意にそぐわないことが起こると、刃物を振り回して暴れる。そこには「公共のルール」もへったくれもない。
プーチン大統領が突然群衆の中に現れる 自撮りに応じる姿も…市民は集められた人?
この蛮行を止めるには、2通りある。一つは、もっと強いギャングを呼んできて、チンピラを一喝すること。トランプ前大統領にピッタリの役柄だ。
もう一つは、紳士を呼んできて、チンピラを説得することだ。「これだけの見返りをあげるから、もう暴力は止めてくれ」と頼むわけだ。この紳士役にふさわしいのが、バイデン大統領である。
その際、チンピラはすぐには妥協せず、裕福な紳士の足元を見て恫喝し、さらに多くのものを巻き上げようとするだろう。何せ紳士は、失うものなどないチンピラと違って、争いごとは好まないのである。チンピラは、そのこともすっかりお見通しだ。
これからの半年間で、ウクライナ戦争を巡って起こりそうなのは、こうした「チンピラによる紳士への恫喝」ではないだろうか。換言すれば、もはやプーチン大統領は、何をやりだすか分からない。
クリントンは見抜いていた
思えば、プーチン大統領が相手にしてきたアメリカ大統領は、バイデン大統領が5人目である。
2000年5月に大統領に就任したプーチンは、翌6月に、退任間近のビル・クリントン大統領をモスクワに迎えた。この時、新大統領の「ただならぬ雰囲気」を感じ取ったクリントン大統領は、その直後に、抱擁し合って再会した「盟友」ボリス・エリツィン前大統領に囁いた。「あの若い新大統領は心配だ。あなたが培った民主主義の発展など、つゆほども考えていない」
2人目のジョージ・W・ブッシュJr.大統領は、2001年1月に就任して、5ヵ月後に米ロ首脳会談を行ったが、当初は「猫をかぶったチンピラ」に騙された。「プーチン大統領の目を見た時、真っ直ぐな人だと思った」(会見での発言)
だが、2007年2月になって、チンピラはついに本性を現した。「アメリカは自分のやり方を強引にロシアに押しつけようとするが、われわれは自分のやり方を貫く」。
そして翌2008年8月、ジョージアに侵攻する。この日は、北京夏季オリンピックの開会式当日で、ブッシュ大統領はプーチン首相(当時)とともに北京にいた。そこでブッシュ大統領は、開会式の間じゅう、隣席のプーチン首相を説得したが、退任間近で余力は残っていなかった。
「アメリカはロシアを非難するが、戦争は起こさない」――かくてプーチンの「チンピラの論理」は構築された。
舐められた「老いぼれ」
翌2009年、アメリカの大統領がコワモテのブッシュから、「核兵器廃絶」を訴える平和主義者のバラク・オバマに代わると、「チンピラの論理」は増幅されていく。2014年3月には、まんまとウクライナのクリミア半島を併合してしまった。この時、アメリカにできたのは、G8(主要先進国)からロシアを外すことと、ロシアに「ささやかな経済制裁」をかけることくらいだった。
それに対してチンピラ側は、さらに「大胆な妄想」を実行に移していく。巧みなサイバー・テロを仕掛けて、次期大統領の「大本命」ヒラリー・クリントン候補を追い落とし、「意中の男」ドナルド・トランプをアメリカ大統領に当選させたのだ。このギャングのような大統領は、プーチン大統領の期待に応えるかのように、アメリカ国内及び西側諸国の結束をズタズタにした。
そして、5人目のバイデン大統領である。すでに80歳のバイデン大統領は、クレムリンでは「老いぼれ」というニックネームで呼ばれていて、チンピラは当初から舐めきっていた。NATO加盟を目論む生意気なウクライナを、自らの傀儡国家に変えるチャンス到来である。かくして満を持して、2022年2月にウクライナへの侵攻を開始した――。
それから2回目のNATO首脳会議が開かれた翌週の今月17日、ロシアはトルコと国連が仲介した黒海経由の穀物輸出合意「黒海イニシアティブ」を延長せず、履行停止を発表した。加えて、「黒海イニシアティブ」を嘲笑うかのように、夜間にオデーサ州のチョルノモルスク港を、大量のドローンなどで空爆し、輸出向けに貯蔵していた6万トンの穀物を燃やしてしまった。
今後は、「バイデンよ、ただで済むと思うな!」とばかりに、チンピラが大暴れして、もう何でもありになっていく可能性がある。ウクライナの首都キーウに大規模な空爆を行い、ゼレンスキー大統領に暗殺部隊を差し向ける。その他、われわれが想像もしていない「蛮行」をしでかすのではないか。そして最後は、「核兵器を使うぞ!」「第3次世界大戦になってもよいのか!」とバイデン政権に凄んで、「東部と南部の4州を占領した形での停戦」に持ち込む――。
もはやチンピラを黙らせるには、紳士がギャングになるしかない。だがバイデン大統領に、その「覚悟」はあるのか?
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