http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/268.html
Tweet |
プーチン大統領がクレムリンに少女を招待 ねらいは/安間英夫・nhk
2023年07月20日 (木)
安間 英夫 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/485855.html
ロシアのプーチン大統領が今月、自ら執務するクレムリンに1人の少女を招きました。
そのねらいについて聞きます。
Q)こちらがその少女なのでしょうか。
A)
ロシア南部のダゲスタン共和国に住む8歳の少女です。
プーチン大統領は先月下旬、民間軍事会社ワグネルのトップ、プリゴジン氏らによる武装反乱を収束させたあと、初めての地方視察としてダゲスタン共和国を訪問したのですが、少女は広場で人垣に阻まれて大統領を見られなかったと号泣しました。
その様子がSNSに投稿されて反響を呼び、プーチン大統領が今月4日、モスクワに、さらに自ら執務するクレムリンに招いたというわけです。
Q)泣かせて悪いと思ったのですかね。
A)
そのようです。プーチン大統領は花束を携えて歓迎し、少女が泣いている様子に心が揺さぶられたと述べました。
そして自ら執務する机に座らせ、その場で首相や財相に電話をかけてみせました。
このうち財相は、少女の地元に日本円で80億円の予算をつけることを約束し、国営テレビも美談として大きく伝えました。
政権側としては、武装反乱を収束させた後、国民の求心力を高めようと、国内向けに、子どもをいつくしむ慈愛の深い指導者像を印象づけるねらいがあったと見られます。
しかし私たちは、これをそのまま受け止めるわけにはいかないと思います。
Q)確かにそうですね。
A)
ウクライナでは、プーチン大統領が始めた戦争で、いったいどれだけ多くの子どもたちが涙を流してきたことでしょう。
しかもプーチン大統領に対しては、ウクライナから子どもたちをロシアに移送したことが国際法上の戦争犯罪にあたるとして、ICC=国際刑事裁判所から逮捕状が出されています。
ウクライナの人たちからすれば、子どもをいつくしむ姿は偽りではないかと、反発を感じる人たちが少なくないはずです。
実は同じような演出は、1930年代、ソビエト時代の独裁者スターリンにもありました。
スターリンも地方の少女とのふれあいを演出することで、優しい指導者像をアピールしました。
プーチン政権も、かつてのプロパガンダ=政治的な宣伝の伝統を受け継いだのかもしれません。
Q)よく似た構図ですね。
A)
こうした指導者の本質にあるのは非情さであって、慈愛の深さを示すのは演出にすぎないのではないかと考えさせられます。
スターリンの場合、粛清や恐怖政治が明らかにされ、評価が定まったのは死後になってからでした。
今回の演出も含め、その言動が後の世代にどう受け止められるのか、プーチン大統領もいずれ歴史の審判にさらされることになりそうです。
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。