http://www.asyura2.com/23/iryo11/msg/657.html
Tweet |
厚労省が迷走…今秋接種ワクチン「ファイザー製一本化」の大問題 どうする、どうなる「日本の医」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327153
2023/08/07 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
従来ワクチンが効きにくい現在、両社のいずれのワクチンが有効化ははっきりしない(左から、米ファイザー製と英モデルナ製の新型コロナウィルスワクチン薬)/(C)共同通信社
7月28日、厚労省は秋以降接種予定の変異株対応コロナワクチンとして、ファイザーから2000万回接種分、モデルナから500万回分を購入することで合意したと明かした。迷走の上、問題だらけの決着だった。背景をご紹介したい。
実は、厚労省は追加接種の対象をファイザー製に一本化する方向で調整を進めていた。日刊薬業は7月1日に「コロナワクチン、ファイザー製への一本化検討」と報じており、その理由として「副反応発生率が低い」ことなどを挙げている。
厚労省の主張は論外だ。副反応については、接種開始当初こそ、モデルナ製ワクチンの副反応が問題視されたが、その後、問題は改善した。米疾病対策センター(CDC)が発行する「MMWR」は、今年1月13日号に、両社のワクチンに副反応の頻度や中身に大きな違いは認められなかったという論文を掲載している。また、昨年10月、英国の研究チームが英「ランセット」誌に発表した論文では、ファイザー製より、モデルナ製の方が有効だったとされている。
私は、以上の研究を根拠にファイザー製より、モデルナ製の方が優れていると主張するつもりはない。研究対象や時期が違えば、異なる結果になることもあるだろう。ただ、両社のワクチンに決定的な差はなさそうだ。それなら、ワクチンの供給先を一本化することは、ワクチン確保の観点から危険だ。
現在、世界中で流行しているのはオミクロン株XBB.1.5やXBB.1.16と称される変異株だ。従来のオミクロン株と比較して、感染力が強く、従来型のワクチンが効きにくい。現時点で、この変異株に対して、両社のいずれのワクチンが有効かは、はっきりしない。決め打ちしてはいけない。
供給面でも不安がある。今冬は変異株対応ワクチンの需要が急増するからだ。米国は秋以降の追加接種を表明しているし、中国でも需要が高まる。5月、モデルナの米国本社が、中国の上海に資本金1億ドルで「モデルナ(中国)バイオテック」を登記したことは示唆に富む。中国政府がモデルナ製ワクチンの確保に動き出したことを意味するからだ。
日本の65歳以上人口は約3600万人だ。基礎疾患を有する人も追加接種が必要だ。なぜ、今回のような落としどころになったのか。厚労省関係者は、「ファイザー一本化への関係各所からの批判を受け、全体の6分の1をモデルナ製としてお茶を濁した」という。
厚労省には説明義務が
これでは問題は解決しない。ファイザー製に問題が生じた場合、必要量のワクチンを確保できないからだ。ファイザーには、厚労省の専門家会議委員などを務めた医師が転職している。なぜ、こうなったのか。厚労省には説明義務がある。
上昌広 医療ガバナンス研究所 理事長
1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。