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第2次トランプ政権が日本「倒産激増」時代の引き金を引く…2025年は約65万人が職を失う恐れ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/363667
2025/01/01 日刊ゲンダイ
トランプ氏は何を仕掛けるか(C)ロイター
米国のトランプ次期大統領は日本経済をメチャクチャにする――警告めいた指摘が市場関係者らから聞かれるようになった。大統領選に勝利した直後は、民主党のハリス氏に比べればトランプ氏の経済政策のほうが株高をもたらすと歓迎ムードだったが、ここへきてマイナス面が強調され始めている。なかでも見過ごせないのは「倒産激増」だ。
2024年は1万件を超す勢い
倒産した企業の従業員の多くは職を失う。運よく会社のスポンサーが見つかり、雇用が維持されるケースもあるが待遇面はどうしても悪くなりがち。これまで通り家族を養っていけるか……不安は尽きない。
昨年、企業の倒産件数(負債額1000万円以上)は東京商工リサーチの調べによると、8690件。今年は10月までに8323件に達し、年間で1万件を超す勢い。2022年(倒産件数6428件)、23年、24年と3年連続で増加となりそうだ。そこに「トランプ・リスク」が上乗せされる。
「今年前半は株価こそ上昇傾向でしたが、景気の実感とかけ離れているのは誰もが感じているでしょう。極端な円安、資源高、物価上昇などが企業経営を直撃しています。業績が好調な大手企業は賃上げで社員をつなぎとめられますが、値上がりの激しい材料などを売値に反映できず、従業員の給与も上げられない中小企業は青息吐息です。経営者はトランプ次期大統領の経済政策、アメリカ・ファースト(米国第一主義)に怯えています」(市場関係者)
賃金アップできない中小零細の悲鳴
賃金アップは歓迎だが…(C)日刊ゲンダイ
東京商工リサーチが10月に実施したアメリカ大統領に関するアンケートは興味深い。10月上旬に実施されたこの調査で、ハリス氏とトランプ氏のどちらが大統領になったほうが経営にプラスかを聞いたところ、ハリス氏が43.5%でトランプ氏は15.0%。日本の経営者たちは圧倒的に“ハリス支持”だった。見方を変えれば、トランプ勝利は経営にマイナスということか。
「そう感じている経営者は少なくないと思います。トランプ次期大統領は米国第一主義を掲げ、関税引き上げの方針にあります。為替はドル高・円安が加速。物価は21年後半から上がり始めたので、すでに3年近い。円安の加速によって物価は一段と高まります。ここまで何とかこらえてきた中小企業は体力の疲弊が激しい。倒産件数は増えるのではないかと危惧しています」(東京商工リサーチ情報本部長・友田信男氏)
今年10月の倒産件数は909件と前年同月比は約15%アップ。10月の900件超えは11年ぶりだ。その原因のひとつは、人件費高騰の影響などによる“人手不足倒産”で前年同月比で2.1倍と急増している。
石破首相は20年代の実現を目標に最低賃金1500円を表明している。経済同友会の新浪剛史代表も「(1500円を)払えない企業は駄目だ。払えるようにすることを目標としてやっていくべきで、払わない経営者は失格だ」と10月の会見で話した。さらに新浪氏は「最低賃金を払えない企業が倒産すると、(人材が)ほかの生産性の高いところへ行き、人にとっては良いことだ」とも口にした。
働く人にとって最低賃金の引き上げは大歓迎だが、中小企業の経営者には厳しい。給与を上げないと働き手が集まらないのは分かっていても、人件費を上げれば経営コストは上昇。業績を悪化させてしまう。
「売り上げが伸びていけば、人件費アップを吸収できる可能性は高くなります。しかし、トランプ次期大統領の経済政策を見る限り、売り上げ増加は厳しいといえそうです。関税引き上げの影響は大きいでしょう」(友田信男氏)
中国やメキシコへの依存度が高い企業は…
円安は加速(C)日刊ゲンダイ
トランプ次期大統領は中国からの輸入品に一律60%の関税をかけると主張。それ以外の国も10〜20%を課すとしている。
こうなると世界の物流は停滞だ。トランプ氏の当選が確実となった直後から日本郵船や商船三井といった海運業の株価は下落傾向をみせた。トランプ・リスクにいち早く反応した業界だ。
関税が強化されると、米国向けの製品を輸出する企業の売り上げはどうなるか。
「どうしても必要な製品であれば価格が高くなっても売れるでしょう。でも、多くの製品は値段が一気に上がれば売れなくなります。輸出企業の売り上げは低迷し、業績も落ち込みます。一方、内需企業の業績は、円安直撃でさらなる物価高に見舞われ、売り上げが低下しかねません。輸出企業、内需企業とも経営は苦しくなります。日本経済全体が暗いムードになりかねません」(株式評論家・倉多慎之助氏)
トランプ次期大統領が関税の大幅強化に動きそうな中国。米国との対立はヒートアップだ。
「中国向け製品を多く手掛ける企業は厳しさを増すでしょう。半導体製造装置や電子部品関連は特に厳しいといえます。中国依存度の高い東京エレクトロン、村田製作所なども業績を直撃する恐れがあります」(倉多慎之助氏)
日本企業が数多く進出しているメキシコも関税引き上げに大揺れだ。トランプ次期大統領は「メキシコからアメリカに犯罪者や麻薬が流れ込む状況を止めなければ、メキシコから輸入される製品すべてに25%の関税を課す」という発言をした。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、メキシコに進出する日本企業は約1300社。自動車関連などメキシコからアメリカに輸出する会社はたくさんある。こうした企業は冷や汗ものだ。
「関税強化は自動車産業の経営を危うくさせる危険性があります。自動車部品を扱う中小零細は生き残りが難しくなるかもしれません」(倉多慎之助氏)
来年は6万5000社が“消滅”か
物価高を要因とした倒産件数を東京商工リサーチはカウントしている。今年7月以降、直近統計の10月分まで3カ月連続で前年同月を下回り、落ち着きを見せていた。
ところが、トランプ・リスクの円安加速で、増勢に転じる可能性が濃厚だ。
「政府は後継者難やビジネスモデルが成立しにくくなった中小企業に対して廃業を促す支援を行っています。倒産という事態になる手前、廃業の選択です。廃業は増えますが、その分、倒産は減少します。だから、倒産件数だけを見ては中小企業の実態はつかめません。廃業・倒産の両方の件数を把握すべきです」(友田信男氏)
東京商工リサーチによると、22年は「休廃業・解散」に倒産を加えた数は5万6053件。23年は5万8478件だった。これだけの企業が“消滅”しているのだ。
「24年は6万件ほどになるでしょう。トランプ次期大統領の経済政策によりますが、廃業・倒産の増加傾向は加速するとみています。来年は6万5000件あたりまで増えるかもしれません。仮に1社あたり10人の従業員を抱えているとしたら、約65万人が職を失うことになります」(友田信男氏)
第2次トランプ政権は2025年1月20日にスタートする。共和党は大統領に加え、上院、下院とも過半数を獲得した。トリプルレッドを実現しただけに、トランプ氏はやりたい放題。日本は倒産激増に備えたほうがいい。
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