http://www.asyura2.com/23/hasan136/msg/449.html
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◆彼岸とお金◆
お金は使い切って死ななければ勿体ないという本が、ロングセラーになっているようだ。
DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール(2020/9/30ビル・パーキンス (著), 児島 修 (翻訳))
https://x.com/Kozen_Sato/status/1824496883785719817
2020年に米国でベストセラーになった本書について、Amazonの日本語版ページでは下記のような惹句が並ぶ。
経済学者、起業家、ニューヨークタイムズ紙なども絶賛!
あなたの人生観を ガラリと変える
「人生が豊かになりすぎるお金の使い方」とは?
・一刻も早く「経験」に金を使う
・「収入の〇割貯金する」をやめる
・子供には死ぬ「前」に与える
・45~60歳には資産を取り崩し始める
・「死ぬまでにやりたいこと」は時期で考える
・ゼロで死ぬ……
お金の「貯め方」ではなく「使い切り方」に焦点を当てた、これまでにない「お金の教科書」
読んだら人生観がガラリと変わる、これまでにないお金の教科書!
これに対して筆者は、お金はジェット機の燃料のような物に過ぎず、例えば太平洋を渡って向こう岸の目的地着いてしまえば不要な物だと思う。しかし勿論、途中で燃料が切れれば墜落するので、十分に、出来れば余分に持っている分に越した事は無いとは言える。即ち、生きて行くためには必要だが、死んで彼岸に至れば使えないので個人にとっては不要である。
そのため、「お金は使い切らねば損。そして使い切って最大にエンジョイする事が人生の目的なのである」と言わんばかり前出の著書の主張には、評者は刹那的で浅薄なものを感じてしまう。
◆ビットコイン◆
話は一転して生臭くなるが、米大統領選でトランプが、ビットコインの応援団になったようだ。以前は、暗号資産(仮想通貨)について、裏付けがなく安定だとして否定的な見方を公言していたが、仮想通貨支持派からの多額の献金を期待しているためと言われている。
これには、放っておいても習近平政権の中国が仮想通貨で世界を席巻しかねないので舵を切ったという要素も一部あるのだろう。なお、習近平は中央銀行デジタル通貨(CBDC)を推し進める一方、民間の仮想通貨は厳禁している。対すトランプは逆に民間の仮想通貨を推し進める一方、中央銀行発行の仮想通貨は国民の統制に繋がるので行わないと述べ反対している。しかし、これに関しては、政府や中央銀行は発行しないものの、政府が民間の仮想通貨を大量に保有すれば、同じことになりはしないかとの懸念も寄せられている。かように、暗号資産(仮想通貨)については今、世界覇権の帰趨も絡みホットで流動的な状況だ。
ところで筆者は、仮想通貨に限らず物の価値とは、概ね下記等式で表されるものだと考えている。
価値 = (機能性 + 審美性) × 希少性
http://blog.livedoor.jp/ksato123/archives/55004022.html
例えば、仮想通貨とゴールドを比較すれば、ゴールドには工業製品に利用される等の機能性があり、宝飾品に使われる審美性があり、かつ希少である。一方の仮想通貨には、工業製品に使われる事は無いが、取引と備蓄の容易さという機能性はゴールドより優れる。審美性はアルゴリズムに美を感じる特殊な人以外に対して審美性の訴求は無い。希少性はゴールドと同じように「採掘」が必要という事で保っている。(大量の電力を必要とするのでビル・ゲイツ等から非難の的ともなっている)
◆お金とマズローの欲求段階説◆
視点を変えて、お金を別の面から捉えてみたい。米国の心理学者マズローの有名な欲求の段階説では、人間の欲求を次のように分類している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E7%90%86%E8%AB%96
・生理的欲求 (Physiological needs)
・安全の欲求 (Safety needs)
・社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
・承認(尊重)の欲求 (Esteem)
・自己実現の欲求 (Self-actualization)
・自己超越の欲求(共同体発展への欲求:但しこの第6の欲求の内容は、マズローはマッカーシズムからの干渉を避けるため生前は暈していたようだ)
欲求とは、言わば経済学で言う需要であり、それに対し他者による供給もしくは自身による開発生産がなされ、欲求の成就を以て取引が完了する。
この時、多くの場合他者による供給に対しお金が介在する。そして、インプットとアウトプットを繰り返す人生ゲームの中で、一旦受け取ったお金は各段階の欲求を将来得るためのクーポン引換券のようなものとなる。(そして、お金が介在しない場合は、代わりに例えば「感謝」と言う形で報酬が支払われる)
http://blog.livedoor.jp/ksato123/archives/55131858.html
そもそも人間が居なければ、加えてその欲求が無ければ、お金は必要とされなく、お金が存在する事はない。
以上纏まりのない文章を最後に無理やり纏めると、お金は個人にとっては参加型リアル人生ゲームをプレイするための、そして運営側としてはその集団ゲームを成立させて回すためのコインであり、そのための道具であり手段であると言えそうだ。そして、包丁や原発が時に凶器になるように制御が難しく暴走する可能性もある、特に、暗号資産(仮想通貨)には未知のリスクも内在する。
お金がゲームのコインであるなら、ゲームの目的は何かという事になるが、参加する事に意味があるのに加え、その中でテクニックを磨き学んで行く。場合によってゲーム自体を維持する側に回り、進んではゲームを高度に進化させて行く。
お金と人生の本質は、その辺にあるように感じられる。
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- (加筆修正稿)お盆に考えたお金の話 佐藤鴻全 2024/8/27 13:13:05
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