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韓国を下回る「日本人の平均年収」…アジアで「一番年収の高い国」からも陥落、日本の没落はいつまで続くのか?
幻冬舎 2023.6.28発行
https://gentosha-go.com/articles/-/52360
一時期、賃上げ、賃上げとニュースを賑わせていましたが、聞こえてくるのは「なかなか給与が上がらない」の声。「日本のどこで給与が上がっているんだか」と、会社員のボヤキが止まりません。世界でみたとき、ここまで給与が上がらない国も珍しいようです。みていきましょう。
【主要国「平均年収(名目/為替レート換算)」上位10ヵ国】
1位「スイス」97,327
2位「アイスランド」97,233
3位「ルクセンブルク」79,706
4位「米国」77,463
5位「ノルウェー」67,954
6位「デンマーク」67,036
7位「オーストラリア」64,294
8位「カナダ」60,975
9位「アイルランド」55,781
10位「オランダ」55,050
出所:出所:OECD 資料:GLOBAL NOTE
※2022年数値、単位は米ドル
※従業員(雇用者)1人当たりの平均年収(年平均賃金)
※数値は国民経済計算(National Accounts)ベースでの雇用者賃金総額を年平均雇用者数で除した値でフルタイム従業員換算ベースに補正
そこで気になるのは、やはり「日本」の順位。日本は調査対象38ヵ国中21位で、前年より15%ほど減の34,393米ドル。
昨今の円安の影響もありますが、減額幅は最高水準。
また20位「韓国」と順位は逆転。実質ベースでも同様に順位は入れ替わり、「アジアで一番年収が高い国」の座を明け渡しました。
またG7に限ると、日本は6番目。最下位「イタリア」は33,202米ドルで22位。G7においても「最も平均年収の低い国」への陥落まで、カウントダウンが始まっています。
経年でみていくと、1990年代、日本はバブル景気の名残もあり、世界の主要国でも年収の高い国でした。
【主要国「平均年収(名目/為替レート換算)」日本の順位の推移】
1991年:4位(24)
1995年:2位(34)
2000年:2位(37)
2005年:13位(38)
2010年:15位(38)
2015年:20位(38)
2020年:20位(38)
出所:出所:OECD 資料:GLOBAL NOTE
※(かっこ)内数値は、調査対象国数
主要国で唯一…30年前の給与水準を下回る日本
日本の凋落は「賃金上昇率」をみても明らか。同じくOECDのデータによると、1995年を基準とした2022年までの賃金上昇率は、トップが「エストニア」で1,192%増。「ハンガリー」「リトアニア」「メキシコ」「ポーランド」と続きます。90年代に社会主義国から自由主義国へと大きく変わった国などが上位を占める傾向にあります。それでも、たとえば「アイスランド」は556%、つまり1995年から給与は5倍以上になったということ。G7に限ると、米国が14位で249%。つまり1995年から給与が2倍以上になったということです。
それに対し、日本は33ヵ国中33位で98%。調査対象33ヵ国中、唯一100を下回る、つまり1995年を基準とした際、唯一給与が減った国なのです。
1995年を基準とした際、賃金上昇率で主要国中、日本が初めて最下位となったのは1998年。初めて100を下回ったのは2001年。それ以来、ずっと最下位を記録しています。
また1995年基準で100を下回った国はいまだかつて日本だけという、ある意味、珍しい国です。
「失われた20年」とか、「失われた30年」とか、いろいろいわれていますが、まだ日本はまだ「失われたまま」の状態。どこまでこの没落は続くのか……暗くなる話ばかりが目につきますが、ひとつ明るい話題といえば、2013年に1995年基準で90.49%を記録して以来、平均年収は徐々に回復傾向。2022年は1995年の給与水準まであと2%のところまで来ています。どん底からの脱出は、あと少しかもしれません。
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「日本が国際的地位を格段に下げている痛切な事実
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東洋経済 2021/12/26号
https://toyokeizai.net/articles/-/477731
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